第315話「始めての接客」


「じゃぁ、センパイ。これでレジの操作は大丈夫ですかね?」

「ああ、簡単な操作だから、覚えるのは楽勝だな。でも、正直そのまま接客ができるかと言われたら微妙だぞ?」

「アハハ、大丈夫ですよ~♪ まずは、アタシが何回かお手本でやって見せるんで、センパイは後ろで見ててくださいキャピ!



 テロリ~♪ テロリ~♪ テロリ~♪ ← ポテトが上がった音



「いらっしゃいませ、こんにちは~キャピ!

「コーヒー一つ」

「アイスですか? ホットですか?」

「アイスで」

「Sサイズでよろしかったでしょうか?」

「…………」 コクリ

「お会計は百円です♪ ありがとうございました~キャピ!




「まぁ、こんな感じですかねぇ~♪ センパイ、どうですか?」 エッヘン!

「お前……さては偽物だな?」

「どういう感想ですかそれ!?」


(何ですか! アタシがちゃんと接客できてたら何か悪いって言うんですかぁー!)


「ゴメン、ゴメン。ちょっと、姉ヶ崎妹が他人相手に普通に接客しているのが意外過ぎてつい本音を言ってしまったぜ……」

「センパ~イ? それ何もフォローになってませんからね~?」


(もう、せっかくだからセンパイにアタシの良いところ見せようと思ったのに……)


「じゃあ、次のお客さんは先輩が接客してください!」

「え、もう俺の番なの? もう三時間くらいお手本を見せてくれても良くない……?」

「それ、バイトの時間終わっちゃいますよね!?」



 ボッチ~♪ ボッチ~♪ ボッチ~♪ ← ポテトが上がった音



「いらっしゃいませ~」

「コーヒー一つ」

「アイスですか? ホットですか?」

「アイスで」

「サイズはいかがなさいますか?」

「S……」

「Sサイズですね。えっと……お会計は百円です。

 ありがとうございました~」




「まぁ、こんな感じか……?」

「せ、センパイ……さては偽物ですね?」

「どういう感想だよそれ!?」

「えぇ……だって、センパイが普通に接客できるとかありえないし……アタシ、普通に緊張してボロボロの接客するセンパイを鼻高らかに笑うつもりだったんですよ?」


(テメェ、この野郎……)


「いや、確かに最初は接客ってもっと難しいかと思ったけど……。

 でも、実際にやってみたら『客』って、俺からしたらただの『他人』じゃん? なら、たかが他人相手に俺が緊張する理由も無いって気づいたんだよね」


(だからこれは名付けるなら『赤信号、他人が渡る分には気にならない』理論だな!)


「うわぁ……。実にセンパイらしい考えを拗らせてますねぇ……」


(でも、この感じならレジはセンパイに任せて大丈夫そうですかねぇ~?)


「じゃあ、ドリンクとかはアタシがやるんでセンパイはレジをお願いしますねキャピ!

「了解~」


(ぶっつけ本番みたいな感じだけど……まぁ、困ったら姉ヶ崎妹を頼ればいいだけだし、何とかなるだろ?)



 テロリ~♪ テロリ~♪ テロリ~♪ ← ポテトが上がった音



「いらっしゃいませ~」

「ハンバーガー」

「ハンバーガーの単品ですね」

「いや、セットで」

「ポテトとドリンクのセットですね?」


(じゃあ、セットって言えよ……)


「ドリンクの種類はいかがなさいますか?」

「コーラ」

「かしこまりました。えっと……お会計は五百円です。

 ありがとうございました~」


(さて、次の客は――)


「いらっしゃいませ~」

「Who is the cute girl over there?」

「ハウス」

「why?」


「ちょっと、ちょっと! センパイ!!」

「うぉ!? な、何だよ……?」

「何だよ? じゃないですよ! 何ですか今の接客は!? あぁ! お客さん帰っちゃったじゃないですかぁ~っ!」

「いや、だってさ……さっきのとか日本語喋る気ゼロだったよ……?」

「そう言う時は、ボイさんとかチンさんを呼べば通訳してくれます! もう、いくらセンパイが英語ダメダメだからって、流石に今のはヒドいですよ?」

「いや……一応、俺だって来年は受験生なわけで――」


(それに、最近は朝倉さんにも勉強を見てもらって――)


「でも、何言っているのか分からなかったんですよね?」

「……黙秘する」

「はぁ~、いいですか? 次からはちゃんとしてくださいね~キャピ?

「わ、分かったって……」

「むぅ……」


(センパイってば、本当に大丈夫ですかねぇ~?)



「アネガサキさんとそのボーイフレンド、もうイチャツイテル」

「ホントネ? ボーイフレンド、ハリセンボンノマスアルヨ!」

「ホントウにナカがヨサソウ、ラブラブ」

「サスガ、カップルアルネ」


「「HAHAHA~!」」






おまけSS「ラノベ人気投票」


「安藤くん、大変よ!」

「どうしたの? 朝倉さん」

「なんとね! ラノベの人気投票が二種類も同時に開催されているのよ!」

「あぁ【新作ラノベ総選挙】と【好きラノ】の二つだね?」

「そうなのよ! しかも、二つとも『何故かの』が投票ラノベ枠にエントリーされているのよ! でも、この二つの人気投票は何が違うのかしら……?」

「そうだね。まず、大きく違うのは投票の仕方かな?」

「投票の仕方……?」 スカン?


「うん! まず【新作ラノベ総選挙】の方は電子書籍サイトのブックウ●ーカーが主催する人気投票だね!

 こっちの人気投票はブックウ●ーカーの投票サイトから投票ができるんだけど、必要なのはメアドだけで簡単に投票できるんだ! 特にメアドも変なメールが来るとかじゃなくて、重複応募を防止するための目的だから、安心して投票できるよ」


「そうなのね! じゃあ、もう一つの方は何が違うのかしら?」


「もう一つの【好きラノ】はブログやツイッターによるラノベの人気投票だね!

 こっちの人気投票の大きな特徴はツイッターアカウントを持っていれば投票ができるんだ!

 しかも、投票できる作品数は10作品! サイトから投票したい作品のツイートボタンを押すだけで、簡単に投票できるんだよ」


「思ったより簡単に投票できるのね!」

「うん、二つの投票をやっても時間は5分もかからないと思うよ」



「「というわけで……【新作ラノベ総選挙】【好きラノ】投票受付中です!

 是非『何故かの』に投票を宜しくお願いいたします!」」



「『何故かの』という作品が続くために、皆の時間を数分でいいから『何故かの』にください!」

「どっちの人気投票もラノベの売り上げに大きくかかわるわ! だからこそ、皆のほんの少しの『時間』をこの人気投票に使ってくれないかしら?」


「「どうか『何故かの』を宜しくお願いします!」」 スカン!



投票終了いたしました。応援ありがとうございました。







【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとうね。委員長よ♪ 

 ステマと思うかもしれないけど、ラノベの人気投票は売り上げに大きく関わる事だから、出来たら協力してくれると嬉しいわ」


*もし、書籍版が打ち切りになったりすると特に出番がないまま終わる人


「うるさいわね! 余計なお世話よ!!

 さ、さーて……次回の『何故かの』は?」


次回「センパイと先輩」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわね。出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ? 

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 



 グーかな?



    また、グーかも?



やっぱり、グーじゃない?




         きっと、グーだったりして……

















 もしかしたら、今日も『グー』を出すかもしれないわよ……?


















【グー】


「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」


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