第312話「生徒会のクリスマス事情」


「最近、安藤くんが全然かまってくれないのよぉおおおおおおおお!」

「あ、朝倉さん。落ち着いて……ここ、職員室だからね?」


(うぅ……朝倉さんと生徒会の用事で先生へ連絡しに来たのはいいけど、用がある先生がちょうど外出中だから戻るまで職員室で待っているだけだったはずなのに、何故か気づいたら朝倉さんの愚痴相談会に……)



(((今度の生徒会はうるせぇなぁ……))) ← 職員室の先生一同



「藤林さん、でもね! 昨日だって安藤くんの家に行く約束していたのに行ったら妹ちゃんしかいなかったのよ!?」

「うわぁ、それはひどいね……。えっと、朝倉さんが来るのを忘れてたとかなのかな? かな?」

「それが、妹ちゃんに理由を聞いたら……安藤くん、この冬の間だけアルバイトをするみたいなのよね。それでいろんなところを面接しに行っているらしいのよ」

「うん? 冬の間だけなんだね?」

「そうなの! 藤林さん、どう思う? 冬休みも近いって言うのに安藤くんてば、何でアルバイトなんか始めようとするのかしら? 冬休みって言ったら『彼氏彼女がイチャイチャする日』って決まっているでしょう!? 年末年始も近いって言うのに『仕事しかしないなんて異常』よ!

 藤林さんだって、冬休みは石田くんとイチャイチャする予定なんでしょう?」

「ふぇ!? わわ、私はその……まぁ、予定がないわけではない……かな? かな?」



(((今度の生徒会はうぜぇなぁ……))) ← 冬休みも年末年始も仕事しか予定がない職員室の先生一同



「そ、それに今月の二十四日は……」


(私の誕生日なのに……安藤くんってば知っているのかしら? で、でも、自分から誕生日を伝えるのはなんかプレゼントを要求しているみたいでいやらしいし……)


「朝倉さん、そうだね。二十四日はクリスマスイブだもんね? でも、流石の安藤くんも朝倉さんみたいな彼女がいるのに『クリスマスイブ』を忘れるような『バカ』じゃないと思うよ? だから、朝倉さんはもっと安藤くんを信じて待ってあげればいいんじゃないかな? かな?」


(それに、安藤くんがバイトを冬休みの間だけする理由も『クリスマスイブ』と『年末年始』の資金集めだと思うけど……ね?)




「アルバイトを始めるだと!?」

「ああ……だから、今日で生徒会は冬休みが終わるまで休みな」

「わーい! お休みだぁ~! センパイもたまにはいいこと言うんですねぇ~♪ ありがとうございますキャピ!

「安藤、ふざけるな! そんなこと言っても冬休みが始まるまであと三週間近くはあるんだぞ!? なのに、生徒会を休みにしたら業務が滞るだろ!」

「もう、年末なんだしそんな仕事なんかやってこないだろ? 大体、生徒会が一ヵ月休んだくらいで業務が滞る学校なんてつぶれた方がマシだよ」

「ん~、センパイの言うことも一理ありますよねぇ~? お姉ちゃんも年始の生徒会は仕事が少ないとか言ってましたし、仕事は年明けに(石田センパイが)片付ければいいんじゃないですかぁ~キャピ!

「お! 姉ヶ崎妹いいこと言うじゃないか? 石田、そうだよ! 溜まった仕事なんか年明けに(石田が)片付ければいいんだよ」

「うむ、君達がそう言うのなら……」


(確かに、溜まった業務は年明けに(皆で)片付ければいい話だな……)


「しかし、安藤。何で急にバイトなんか始める気になったんだ?」

「まぁ、それは……石田、絶対に朝倉さんには言うなよ? そのぉ……朝倉さんへのプレゼントだよ……」

「あぁ~! そう言えば今月はクリスマスイブですもんねキャピ! つまり、プレゼント代を稼ぐためってことですかぁー?」

「まぁ、正確にはプレゼントを買うと年末の予算が無くなるからって感じだけどな……」

「なるほど、そう言う理由なら仕方ないな……。しかし、安藤。そう言うのはちゃんとあらかじめ予算を組んでおくものだぞ?」

「うるせぇな。こっちはラノベとかいろいろ出費が多いんだよ……」


(それに、ただでされ今年は妹に言われて服を買ったり、桃井さんや委員長に喫茶店で会うたびに、ちょくちょくパフェとかを奢らされたりで出費が多かったからな……)


「石田の方はバイトとかしてないの?」

「フン、僕は君とは違ってそもそもお金をあまり使わないからな。もちろん、藤林へのクリスマスプレゼントも準備済みだ!」

「マジかよ……」


(畜生、石田のくせに……何か負けた気が――)


「へぇ~! 石田センパイ♪ 因みに、プレゼントはどんなのを送るんですかぁ~キャピ?

「うむ……き、気になるか? 仕方ない……藤林には内緒だぞ? 来年は僕達も受験だろ? だから、藤林には僕が選んだとっておきの『参考書』を――」


「「却下」」


「…………は?」

「石田センパイ、マジであり得ないんですけど……てか、軽く死んだ方が良いと思います」

「クリスマスプレゼントに参考書って……石田、それは無いわー」


(流石に『ぼっち』の俺でもそれは無いって分かるからな……?)


「とりあえず、石田はクリスマスイブまでにちゃんとまともなプレゼントを買っておけよ」

「石田センパイ、流石にそれは腐Dセンパイがかわいそうですよぉ~? ちゃんと、プレゼントは女の子が喜びそうな物を買ってあげてくださいねぇ~キャピ?

「さ、参考書がクリスマスプレゼントなのは……そんなにダメなのか?」


「「絶対に無い!!」」


「そんな……僕のプレゼントのセンスは間違っていた……のか?」

「…………」


(石田の奴、はたから見ると滑稽だが……ワンチャン、俺もこうなる可能性があるんだよなぁ……。よし、石田みたいにならないように、プレゼントは慎重に選ぼう!)


「因みに……センパイって、もうどこでバイトするかは決まってるんですかぁ~?」

「実はそれがまだなんだよ……」


(一応、探してはいるんだけど中々いいところが無いんだよな)


「だったら……センパイ♪ アタシが良いアルバイトを紹介しましょうかキャピ!






【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとうね。委員長よ♪ 

 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回「面接」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわね。出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ? 

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 



 パーかな?



    また、パーかも?



やっぱり、パーじゃない?




         きっと、パーだったりして……

















 もしかしたら、今日こそは『グー』を出すかもしれないわよ……?


















【グー】


「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」

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