第307話「話し相手」


「ふぁ~、今日も生徒会室は暇だな……。よし、ラノベでも読むか」

「センパイ~? 多分、暇なのはセンパイだけですよぉ~キャピ?

「そう言われると、今日の生徒会は俺と姉ヶ崎妹いがいは誰もいないな……。なぁ、皆は何処にいったの?」

「石田センパイと藤林センパイは図書室の方に行っているはずですね~。確か、新しい入荷図書のチェックとか言ってましたねぇ~キャピ?


(新しい入荷図書のチェックね……)


「どうせ、建前で本当はただ二人でイチャ付いているだけじゃねぇの?」

「それセンパイにだけは言われたくないと思いますけどねぇ……」

「あと、朝倉さんは?」

「朝倉センパイは先生のところに報告しに行っただけなので直ぐに戻ってくると思いますよぉ~キャピ?


「安藤きゅん! 今、私のことを呼んだかしら!?」 スカッ! ← ドアが開く音です


「あ! 朝倉さん。ちょうど、朝倉さんが何処に行ったのか話してたんだよ」

「そうなのね。なんか、安藤くんが私以外の子と楽しく話している気配がしたから急いで戻ってきて正解だったわね♪」

「アハハ、朝倉さんてば、心配性だな~」

「怖い怖い怖い……朝倉センパイ怖いですよぉ……」


(というか、それを言われて普通に笑っていられるセンパイもヤバいですよねぇ~)


「そう言えば、私が生徒会室に戻る前に教室を見たら、安藤くんの机にこんな手紙があったのだけど……安藤くん、これ何か分かるかしら?」

「え、手紙……って『招待状』? 朝倉さん、何これ?」


(招待状と書かれてる封筒の中に、白紙の手紙が一枚入っているだけだよな……)


「分からないのよ。私も何かと思って開けたのだけど、最初っから中身はその白紙の手紙だけだったわ」

「うーん……じゃあ、ただのイタズラかな?」


(まぁ、そんなに気にするようなことじゃ――、



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「んん……あ、あれ? 俺ってばつい寝ちゃって……って、ここは屋上?」


(何で俺は学校の屋上なんかで寝ているんだ?)


「ウフ、起きたかしら……?」

「あれ? 俺、誰かに膝枕されてる……?」


(って、この人は――)


「ヤッホー♪ 皆のアイドル~! 千津レミだよぉ~キャピ!


(千津……レミ? ちづれみ、ちづれみちづれ……みちづれ――)


「うぎゃぁああああああああああああ!? みちづれ先輩だぁあああああああああ!?」

「『みちづれ先輩』!? ちょっと、そのチョー不名誉な呼び方は何!?」

「うるせぇえ! 何が『千津レミ』だ! どうせ偽名だろ!? お前なんて『みちづれ先輩』で十分だ!」

「確かに、偽名ですけどぉ~? てか、元々は君が聞き間違えたんだからねー? 大体、私はまだ一人もみちづれなんかにしてません! だから、無罪!」

「前回、思いっきり俺をみちづれにしようとしたよな!?」

「えぇ~? 何のことぉ~? 私ぃー、分からない~キャピ?

「この野郎……」


(しかし、こんなこともあろうかと、実は制服の内ポケットに……よし、ある!)


「くらえ、まき塩!」 塩ファサー 

「辛っ! てか、痛ッ!? てか、なにこれ! お姉さんの体が超ピリピリするんですけど!?」

「前回の反省を活かして、みちづれ先輩がいつ現れてもいいように清めの塩をあらかじめ制服の内ポケットに常備しておいたのさ!」


(流石は一袋千五百円するだけあって効果は抜群みたいだな……。これで、効果なかったら泣いてたぜ)


「ひどい! 君のことが気になって仕方ないから、寂しい気持ちを抑えきれずわざわざ膝枕までして出迎えてあげたお姉さんを成仏させようとするのね!? この悪魔! 卑怯者! 女たらし!」

「ハッ……その程度の悪口、ウチの学校の奴らに言われ慣れてるから、なんともないぜ!」

「もしかして、君って学校でイジメられてたりでもするのかな……? 大丈夫? 学校が辛かったらお姉さんのところに来てもいいんだよ?」

「いやいやいや……」


(慰めるフリしてさりげなくそっちの世界にスカウトするの止めてくれませんかね?)


「まき塩もう一回いっとく?」 サッ! ← 塩を取り出す安藤くん

「ちょ! その塩は止めて!」

「でも、悪霊はここで除霊しておかないと……」

「良く考えてみて! ここでお姉さんを成仏させたら――」

「何も問題ないだろ」


「貴方の目の前にあるこの『Eカップ』も消えちゃうんだよ!! そ、それでもいいの!?」

「…………」 スッ! ← 塩をしまう安藤くん


「えぇー……」


(それで、説得できちゃうんだぁ……)


「まぁ、確かに……幽霊と言っても被害者が出ていないんじゃ悪霊とは言えないもんな……うんうん」


(それに、相手が幽霊であっても『おっぱい』に罪は無いしな……)


「ンフフ~ン♪ やっぱり、君も男の子ですなぁ~? どう、今からでもお姉さんと一緒に来る?」

「……今度こそマジで撒きますよ?」


(おっぱいだけ避けてな!)


「うぅ~、だって……この屋上、誰も来ないから寂しいんだもぉーん! お姉さん暇すぎて死んじゃうよぉ~!」

「もう、死んでるはずなんだよなぁ……」

「てへ、そうでした♪」

「…………」


(ジョークがブラックすぎるだろ……)


「でも、暇なのは本当なの! ね? もっと、お姉さんとお話しよう?」

「いや、俺も暇じゃないんでそろそろ帰りますよ……。なんか、時間切れでこの世界から帰れなくなるのも嫌ですし……」

「うーん、いけずぅ……」


(あ、そうだ!)


「ね? もっと、お姉さんとお話しよう?」 ピョンピョン! ← ジャンプするお姉さん


 バルン~♪ バルン~♪ ← 弾むEカップ


「……まぁ、ちょっとだけなら?」


(この子、本当に大丈夫かなぁ……)


「そう言えば、君って彼女がいるんだよね? ねぇ、どんな子なの♪」

「いや、まぁ……それはいますけど……別に、普通ですよ?」

「いいから、教えてよ~♪ お姉さん、ずっとこんな場所にいたから恋バナには植えてるんだからねー?」

「はいはい、分かりましたよ……」


(とはいっても、対して面白い話も無いんだけど……)


「まぁ、よくお弁当とか作ってくれたりしますね……」

「へぇー、どんなお弁当?」

「最近のだと『蕎麦』とかですね」

「お弁当で『蕎麦』!?」

「あ、勘違いしないでください。もちろん、手作りですよ?」

「手作りって……つまり、手打ちってこと!?」

「なんか、今では十割蕎麦にこだわっているみたいで……これがまた凄いんですよ」

「全然、普通じゃないんだけど!?」


(君の彼女さんは職人なのかな……?)




「あとは、意外に寝相が悪くて――」

「へぇー、そうなんだー?」


 スカッーーン♪ スカッーーン♪ ← 安藤くんのスマホの着信音


「お、噂をすれば朝倉さんからメールだ」


『安藤くん、そろそろ帰るから生徒会室に戻って来れるかしら?』


「すみません。そろそろ、時間なんで俺は帰りますね……」

「えぇー! もっと、お話しようよ~? お姉さん、君がいないと退屈なんだよー?」

「大丈夫ですよ……。また、来ますから」

「本当? 約束だよ?」

「はいはい」

「そっか……じゃあ、またね♪」



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「ぐへへ……安藤くんてば、この私の前でそんな無防備な寝顔をさらすなんて、これはもう誘っているとしか――」


(んん……あ、あれ? 俺ってばつい寝ちゃって……って、ここは?)


「ふぁ~、朝倉さん、おはよう。ここは……生徒会? 俺てば寝てたのかな?」

「あら、安藤くん! ウフフ、おはよう♪ 安藤くんてば私が生徒会室に戻った後ぐっすり寝ちゃっていたのよ? もう、私達以外は皆帰っちゃったんだから」

「そうなんだ……」


(やっぱり、さっきのは夢か……)


「朝倉さん、俺が起きるの待ってくれていたんだね? ありがとう」

「もう、危うく待ちきれなくなるところだったんだからね? じゃあ、安藤くん。帰りましょうか♪」

「そうだね。朝倉さん」

「あ! そう言えば……安藤くんが計画してた『あの話』来週には学校からの許可も出そうよ」

「え、あの話って何だっけ?」

「安藤くんたら忘れたの? 学校の屋上を開放しようって話よ! 安藤くんが言い出したんじゃない?」

「ああ~、そう言えばそうだったね!」

「もう、大変だったんだからね? 屋上の壊れたフェンスを修復する手配とか、学校側の許可とか……でも、安藤くんてば何で屋上を開放しようと思ったの?」

「うーん、だってさ……屋上が使えないと寂しいでしょ?」

「ウフフ、そうかもね。安藤くん」

「ねぇ、朝倉さん。屋上が解放されたら……今度、一緒に屋上でお昼食べない?」

「あら、それはとってもいい考えね! じゃあ、私は今挑戦中のスープカレーつけ麵お弁当を作ってくるわね!」

「本当! わぁー、楽しみだな~、ん? これは……」

「安藤くん、どうしたの? それは、確か……安藤くんに来た中身が白紙の招待状よね?」

「いいや、何でもないよ。朝倉さん、帰ろうか」


(そう、この文字は最初っから裏に小さく書かれていただけだ……。


『ありがとう』


 だから……きっと、見逃してしまっていたんだろうな)






【次回予告】


「わたしは無実よ! 決して、権力には屈しないわ!


 皆、いつも応援してくれてありがとうね。委員長よ♪ 

 クフフ……♪ やっぱり、この次回予告にはわたしの存在が必要不可欠みたいね? 

 なんだか、緊急の『お知らせ』があるとかで急遽、わたしの謹慎処分が解けて今は執行猶予付きという形で次回予告に戻ることができたわ。でも、わたしは無実なんだからね!?


さて、そのわたしが戻って来れる理由にもなった緊急のお知らせの内容とは――」




【何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが?】

 第3巻  7月25日 発売予定!



「因みに、7月28日には秋葉原でMF文庫J【夏の学園祭2019】があるから『何故かの』の3巻を買うついでに秋葉原に行ってみるのものアリかもしれないわね♪」


(クフフ……作者が『どうせ3巻の告知は5日以降だろうから、委員長の謹慎処分は金曜までにしよう』とか思ったら6月になった瞬間に情報が解禁されて慌ててわたしの謹慎処分を解いた姿が目に浮かぶわ……)


「そして、3巻の内容は皆が期待してた水着回が新規書き下ろし追加&イラスト付きで収録される予定よ♪

 表紙や店舗特典なども情報も解禁されしだいカクヨムやツイッターで報告するからチェックよろしくね?


 そして、できれば書店での予約をしてくれると嬉しいわ。予約の際は下の画面を書店の店員さんに見せればスムーズに予約ができるわよ♪」


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*本書を書店にてご注文の方はこの画面を店員さんにお見せください。


タイトル

【何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが? 3】


作者【出井愛】(でいあい)


レーベル【MF文庫J】


出版社【KADOKAWA】


発売日【2019年7月25日】


ISBN

【9784040658612】




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「そして、今回も発売日まで待ちきれない! って人のために、このわたしが皆にクイズを出してあげるわ♪」


【問題】

『何故かの』3巻の表紙を飾るキャラは誰でしょう?


「皆の予想をコメント欄に書いてね。正解した読者の人には……クフフ、何か良いことがあるかもしれないわね♪

 今回の表紙は1巻、2巻とは少し趣向が違うらしいわよ?


 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回「サプライズ」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわね。出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ? 

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 



 グーかな?



    また、グーかも?



やっぱり、グーじゃない?




         きっと、グーだったりして……

















 もしかしたら『チョキ』を出すかもしれないわよ……?


















【グー!】


「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」


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