第308話「冬の始まり」


 スカーン~♪ ペターン~♪ スカーン~♪ ← チャイムの音です 


「安藤くん、今日も生徒会はお休みなのよね?」

「朝倉さん、そうだね」


(ここ最近は体育祭とか文化祭で忙しかった分、十二月は冬休みも近いから基本的に生徒会は休みなんだよな。まぁ、俺としてはその分ラノベを読む時間が増えるから万々歳だ)


(ウフフ、最近は生徒会がお休みのおかげで、安藤くんと家でゆっくりする時間も増えたから幸せだわ♪ さあ今日も私の部屋で思いっきり……ウフフ♪)


「じゃあ、安藤くん! 一緒に帰りましょうか♪」

「あ、ゴメン。朝倉さん、今日は俺、ちょっと用事があるから……先に帰ってくれるかな?」

「ポゥ……?」


(……キングペタリゾン!)


「じゃあ、安藤くん! 一緒に帰りましょうか♪」

「いやいやいや! 朝倉さん、勝手に自分に都合が悪かった十秒間の出来事を消し飛ばそうとしないでね……?」


(それって、朝倉さんの大好きなラノベ『ペタタの奇妙な物語シリーズ ~黄金の胸~』に出てくるラスボスが使うペタンドの能力だからね?)


「うぅ……だって! 今日は……今日こそは安藤くんに膝枕して極上の耳かきをしてあげる予定だったのに……そのために、私もパパを何回も犠牲にして!」

「ちょっと、待って朝倉さん!? 密かにそんなことを企んでいたの!? 耳かきはこの前俺が禁止令を出したよね!?」


(しかも、お父さんを犠牲にしたって聞こえた気がするんだけど……)


「その代わり、明日はちゃんと一緒に帰るからね? そうだ! 明日は俺の家に来ない? 久しぶりだから、妹も喜ぶと思うし」

「ホント!? 安藤くん、約束だからね!?」

「うん、朝倉さん」


(それに、明日も生徒会は休みだしな!)



 その頃、生徒会室……


「何だ! 今日も生徒会は僕と藤林しかいないのか!?」 ← 休みだと知らない人

「今日も他の皆は用事があるんだって、石田くん」 ← 知っているけど言わない人


(えへへ……これで、放課後しばらくの間は誰にも邪魔されずに石田くんと二人っきり……だね? だね♪)




 カラ~ン♪ コ~ン♪ ← ただただ普通のお店のドアが開く音


「ありがとうございましたー」


(はぁ……もう、十二月か……今年もあとわずかなのに彼氏はできず内定も無い。そして、お金はガチャにより泡となって消えた……。私は今年一体何をしていたのだろう……。


 バイトだよ!? 


 決めた! 来年はもうバイトなんかしない! とりあえず、バイトをすっぱりやめて就活に専念する! そして、内定を取って大学を無事に卒業していい会社に就職し、合コン三昧でいい男を見つけてやるんだから!

 ……でも、いきなり辞めるとお店に迷惑がかかるから、せめて辞めるのは今入っている年末年始のシフト分が終わってからにしよう)


 ところが~♪ どっこ~い♪ ← ただただ普通のお店のドアが開く音


(あ、お客さんだ! 今はバイトに集中しなきゃ!)


「いらっしゃいませー」

「あの――」

「お一人様ですね♪」

「いや、待ち合わせなんですけど……」

「ごゆっくりどうぞ~♪ ……チッ」

「…………」


(来店した客に舌打ちする……なるほど、今はそういうサービスが流行っているのか)


「さてと、確か先に来ているはずだけど――」

「あー! 安藤くん、やっと来たー! こっちだよー♪ こっち、こっちー♪」

「いた! 桃井さん」

「もう! 安藤くん、来るの遅いよー?」

「いや、だって……桃井さんが教室から一緒に移動すると目立つから、わざと時間をずらして集合って言ったんだよね?」


(だから、あえて俺は上の階にある本屋で三十分ほど時間を潰してから来たわけなんだけど……)


「普通そういうのは十分くらいでいいのー! もう、今日は安藤くんのおごりだからねー?」

「そんな理不尽な……」


(そう、朝倉さんと一緒に帰れなかった理由……それは桃井さんに朝倉さん抜きで話したいことがあるって呼ばれたからなんだよなぁ……。

 一体、話ってなんだろう?)





【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとうね。委員長よ♪ 

 この話から『何故かの』七章の始まりよ。さて、どんな試練が安藤くんを襲うのかしらね? クフフ……♪


 そして、7月25日に発売する『何故かの』の3巻だけど……作者が一足先に3巻収録予定の水着イラストを見たからその感想を皆に教えてあげるわよ♪」



「とにかく、すんっ――――――――ごい……っ!」



「そんな『すんっごい!』水着イラストが収録されている3巻は7月25日発売よ♪

 予約の際は下の画面を書店の店員さんに見せてね♪」


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*本書を書店にてご注文の方はこの画面を店員さんにお見せください。


タイトル

【何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが? 3】


作者【出井愛】(でいあい)


レーベル【MF文庫J】


出版社【KADOKAWA】


発売日【2019年7月25日】


ISBN

【9784040658612】




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「さーて、次回の『何故かの』は?」


次回「ナイショ話」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわね。出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ? 

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 



 グーかな?



    また、グーかも?



やっぱり、グーじゃない?




         きっと、グーだったりして……

















 もしかしたら、今日も『グー』を出すかもしれないわよ……?


















【グー!】


「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」


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