六章【ミスコン】
第253話「ナイフとフォークと痴話喧嘩」
とあるいつものカフェ
「へいらっしゃい! 安い! 安いよ~! コーヒーが一杯220円! 安いよ~!」
「ば、バイトちゃん……大丈夫? ちょっと、休んだ方がいいんじゃないかな……?」
カランコロ~ン♪
「へいらっしゃい! 一名様ですね? 今ならコーヒー、一杯220円! 安いよ~!」
「バイトちゃん!? ここ、八百屋じゃなくてただの喫茶店だからね!? あとコーヒーはいつでも220円だから、特別安いわけじゃないからね!」
(はぁ、もう11月かぁ……。街はクリスマス気分でもうイルミネーションとか付け始めているし、気分早すぎ! カッ……この店にも季節を一ヶ月ほど早とちりしたカップル共がご来店しやがるし……フフ、だからそんな
当店限定、特別な八百屋スタイルで接客よ♪)
「へい! るぅぁああらっしゃぁぁあああああああああああい!!」
「だから、ウチは八百屋じゃないからぁあああ!」
(……また、変なサービス始めているよ。この店、コーヒーは美味いんだけど、店のサービスセンスがちょっとズレてるんだよなぁ……。まぁ、なんだかんだ、それが楽しみになって毎回利用してるんだけど……)
「ちょっと、安藤くん! 貴方、このわたくしを無視してどこを見ていますの!?」
「あぁ、すいません。少し、向こうが気になってました。えーと……姉ヶ崎(姉)?」
「姉ヶ崎(姉)!? なんですの! そのかなり不名誉な呼ばれ方は!?」
(……だって、会長ってなんか超久々に会った気がするし、それこそまるで数ヶ月以上会っていなかったような……? なんかもう、姉ヶ崎
「そもそも、貴方は年上の人間に対する礼儀と言うものがなっていないのですわ! それでも、生徒会長であるのなら人の上に立つ人間の見本となれるように『さん』や『先輩』などと言葉遣いくらいはちゃんとするべきですわね?」
「はいはい、分かりましたよ……。姉ヶ崎(姉)先輩」
「だから、その(姉)を取れと言っているのですわ!? 貴方は本当に目上の人間に対する礼儀がなってないですわね!」
「フッ……残念だが、俺は姉ヶ崎先輩を『目上の人間』と思ったことがない!」
「コォオオロォオオオオオスゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!」
「お、お客様!? 痴話喧嘩でしょうか! 生憎当店にはナイフとフォークくらいしかございませんが、どちらをお持ちしますか?」
「バイトちゃん!? お客様を煽らないでぇえ!」
「「痴話喧嘩なんかじゃない!」ですわ!」
(まったく……こんな奴とカップルに間違われるなんて心外だよ!)
(まったく……こんな奴とカップルに間違われるなんて心外ですわ!)
「「フン!」」
「えーと、他の
(息ピッタリだし、やっぱりただの痴話喧嘩じゃん……ケッ!)
「……それで、安藤くん? 例の報告を早く続けてくれるかしら?」
「はいはい……例の報告ですね」
(そもそも、何で俺は前生徒会長の姉ヶ崎(姉)先輩と二人っきりでこんなカフェにいるのだろう。元々は『生徒会長の引継ぎとアドバイス』と言う名目で会っていたわけだが……回を重ねるごとにこの集まりは、いつの間にか
「――と、いつもどおり、アイツは生徒会でも上手くやってますよ」
「まぁ! 流石はわたくしの妹ですわね! あの子ってば、本当に要領は良いし、天使ですし、最高にプリティーシスターですわ! もう、この世の全ての妹のなかでも、あの子は日本一の妹ですわね!」
「ハハハ、まったく……姉ヶ崎先輩って本当にアホみたいに妹バカですよね。でも、残念ですが……日本一はウチの妹に決まっているじゃないですか?」
「「…………」」 イラッ!
「ハッ……何を言うかと思えば? 日本一はウチの妹に決まっていますわ! いくら貴方が自分の妹が可愛く見えても日本一は私の妹ですわ!」
「ほざくな! 日本一はウチの妹だね! いいや、会長の妹が日本一なら……ウチの妹は世界一だ!」
「ハァアアアアアアアアア!? なら、わたくしの妹は宇宙一ですわ!」
「じゃあ、ウチの妹は時空一だね!」
「『時空一』ってなんですの!? せめて、理解できるように言えないですの? この無能ぼっち!」
「はぁああ!? うるせぇ! この無乳パッド!」
「コォオオオオオロォオオオオオオオオオオオオオオオスゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!」
「あ! てめぇ、このペッタンコ会長! ナイフとフォークの二刀流は卑怯だぞ! クッソ、●ードスキルでもないくせに十六連撃だとぉお!?」
「フンフ~ン♪」
「あのぉ……バイトちゃん? あちらのお客様……止めてくれないかな?」
「アハハ♪ 店長、何言っているんですか? あんなのいつものことじゃないですか?」
「いや……まぁ、そうなんだけどね?」
(うん、あれを見たらリアルなんかクソでしょ! やっぱり、アタシの恋はソシャゲのガチャだけだよね♪ 今度始めたソシャゲ『イケメン・グランドオーダー』はセルラン一位だから、サービス終了なんてしないし! 今月は六万くらい課金したけど、お金ならバイトで稼げばいいし何より、課金さえすればガチャは私を裏切らないんだから!
クリスマスなんて……ガチャを回すためのイベントでしょ!)
「「ハァ……ハァ……」」
「会長、今日はここの会計を俺が持つんで、もう止めにしないですか? そろそろ、周りの視線がキツイんで……」
「そ、そうですわね……。わたくしも少々、熱くなりすぎましたわ……」
(まったく、酷い目にあいましたわ)
(まったく、酷い目にあったぜ……)
「……まぁ、話を聞く限りでは安藤くんの生徒会も中々順調のようで何よりですわね」
「お、姉ヶ崎先輩が俺の心配をしてくれるなんて珍しいですね……いいパッドでも見つけたんですか?」
「セクハラで訴えますわよ!? ……別に、勘違いしないでくださいまし! これは安藤くんを心配しているのではなく、貴方がヘマをして生徒会になにかあればそれは、ウチの可愛い可愛い妹も被害にあうことになるから、心配しているだけですわ!」
「へいへい、そうですか……」
(まぁ、そんなことだろうと思ったよ……)
「まぁ、そこは大丈夫ですよ。生徒会は朝倉さんや石田が回してくれているし、姉ヶ崎妹にはそんなに大変な仕事は与えていませんから」
「それはそれで少し心配ですわね……」
「え、何で……?」
「安藤くん、貴方は自分の生徒会に一年生が何人いるか分かっていますの?」
「それは――姉ヶ崎妹だけだなぁ……」
「そうですわ。つまり、今の生徒会は殆どが二年生なわけですの! でも、生徒会の活動は進路で忙しくなる後期には三年生が引退しますわ。すると、残る生徒会役員は誰か分かりますわよね?」
「そうか! 姉ヶ崎妹だけ生徒会に残るのか……」
「まぁ、細かく言うと、生徒会長の立候補を募り複数いれば今年みたいな選挙になるわけですが、それでも生徒会役員には前期の生徒会役員の一年二年が引き継ぐのを推奨していますわ。その理由は分かりますわよね?」
「ああ、確か……生徒会の仕事を経験している人間がいる方が引継ぎや新生徒会の業務がスムーズに進むからだよな?」
(俺が生徒会長になって残りのメンバーを決める時もそういう意向があり、朝倉さんが石田や藤林さんをメンバーに選んだもんな)
「そして、わたくし自身も次の生徒会長には、可愛い可愛い我が妹に生徒会長を引き継いで欲しいと思っていますわ。だから、そのために安藤くんみたいなネクラぼっち男なんかにアドバイスをしながらも現生徒会の手助けをしておりますの」
「うん、ついでみたいに俺をディスるの止めてくれない? で、それがさっきの『心配だ』って話にどう繋がるの……?」
「これだけ言ってもまだ分かりませんの!? まったく……こんな無能がぼっちが生徒会長だなんて本当に嘆かわしいですわ……。つまり、今のままウチの妹にロクな経験を与えていないと、いざあの子が生徒会長になり生徒会を引き継いだ時に苦労をするってはなしですわ!」
「ああ、なるほど!」
(確かに、俺の場合は
「でも、急にそんなこと言われても姉ヶ崎妹に経験を積ませるいい機会なんて……」
(ちょうど、合同体育祭も終っちゃったし)
「安藤くん、それなら……
ちょうどいいイベントがあるじゃないですの?」
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪
作者のツイッターを見ている人は知っていると思うけど、今日この話を書く前に作者の隣の席でカフェの店員とクレーマーのバトルなんて面白イベントがあったのよ……。そして、気づいたら更新する予定の話が半分以上変わっていたらしいわ……。一体どこの部分が変わったのかしらね?
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回「サボる理由」 よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
グーかな?
グーかも?
グーじゃない?
グーだったりして……
本当にグーを出してくるかもしれないわよ……?
【グゥー!】
「だから、言ったじゃない? クフフ……
皆のコメント、評価、待ってるわね♪」
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