第254話「文化祭」
「じゃあ、今日の生徒会の会議を始めたいと思うが――、
安藤は……よし、ちゃんと今日はいるな?」
「え、何? そのあてつけたような確認? 別に、そんなわざわざ声に出さなくても目の前にいるんだから分かるよね?」
「安藤、それは……君がことあるごとに『生徒会の会議は眠いから適当に任せるから……』とか言って逃げたり居眠りをしたり、酷い時は等身大パネルでいるように見せかけて、会議から脱走するからだろうが! 藤林、今日こそはコイツを逃がすな! ドアの鍵は閉めたな!?」
「う、うん……ちゃんと鍵はかけてあるよ。石田くん……」
(うーん、別に……安藤くんなんかいなくても会議に支障はないんだから、逃げられてもいいんじゃないのかな……?)
「別に、逃げたりなんかするかよ……。そもそも、逃げるつもりなら今日の生徒会サボって帰ってるからね?」
「安藤くん、流石にそれは私もどうかと思うけど……」
「もちろん、朝倉さんも一緒にだよ?」
「安藤くん! 今すぐに帰りましょう! 生徒会の議題なんて、石田くんと藤林さんに任せておけばいいわ!」
「朝倉さん!? それは酷いんじゃないかな? かな!?」
「貴様……安藤ォオオオオオオオオオオオオオオ!」
「石田、お前! 何でそこで俺にキレるんだよ!?」
「朝倉さんは君の彼女だろ! なら、君が悪い!」
「どういう理屈ダァアアアアアア!」
「センパァ~イ? そろそろ、会議始めませんかぁ~
「「「「うっ……」」」」
((((後輩に注意される生徒会って……))))
「こ、コホン……そうだな! さて、今回の会議の議題だが、皆はまだ忘れていると思うが今月の下旬には――」
「文化祭があるんだろ?」
「なっ……あ、安藤貴様!?」
「え!? あ、安藤……くん?」
「はぁ? センパイ……文化祭って言葉、知っているんですか?」
「何……俺が文化祭を覚えているのがそんなに珍しいの?」
(てか、姉ヶ崎後輩に関しては、それもはやただの悪口だからね?)
「石田くん、文化祭って何かな? それって美味しいのかな……?」
「ふ、藤林……少し落ち着け。な?」
「そして、何で藤林さんはまた軽くスイッチ入っちゃっているの?」
「文化祭って言えば、私達生徒会のカップルにとって最高の舞台の一つよね……?」
「あのぉ~センパイ? その『私達』って、軽くアタシをのけ者にしてませんかねぇ~
「いやぁ……そ、それがだな……」
「あはは……朝倉さんは何を言っているのかな? カップルにとって最高の舞台の一つである文化祭を運営するのがどこの組織なのかもう忘れちゃったのかな?」
「どこって、それは……」
「俺達、生徒会だな……」
((あ、つまり……))
「二人が察している通りだ……。つまり、生徒会が文化祭を運営する以上、その準備にや運営で忙しくなるわけで、僕と藤林は去年の文化祭はまともに見て回ることさえできなかったんだ……」
「しかも、去年は石田くんと付き合っているのも隠していたから、二人で見れたのは私達のクラスの出し物でやってた『謎肉喫茶』だけだったかな……かな?」
「……因みに、石田。その『謎肉喫茶』ってなに? 合法?」
「安藤、僕達が違法な喫茶店などするわけないだろう! その……なんだ『謎肉喫茶』は、なぞなぞに正解しないと謎の肉料理が提供されるという……ふ、普通の喫茶店だ!」
(元々は、なぞなぞに正解すると高級和牛ステーキが食べられるシステムのはずだったんだが……和牛の値段が高いせいでコスト削減ということで不正解の場合は安い肉料理をだすと言うことになり、気づいた時にはなぞなぞに正解しても不正解でも謎肉を出す『謎肉喫茶』に変わっていたのは当時の僕も驚いた……。一体あの肉は誰が用意したのか……)
「まぁ、そういうわけで……文化祭の当日には最低でも一人以上は生徒会から見回りを出す必要があるし、準備期間も各部活やクラスの出し物をまとめる人物が必要なんだ」
「まぁ、そりゃ……当然だな」
「あはは……だからね。朝倉さん……今年の文化祭は安藤くんと一緒に回れるとは思わない方がいいんじゃないのかな? かな?」
「いやぁあああああああああああああああ!!」
(そんなの嘘よ! だって、今年の文化祭は安藤くんと一緒に回るって楽しみにしていたのよ!)
「キャハハ~、センパイ達ってば残念でしたねぇ~? でも、これも生徒会のお・仕・事♪ なんですから頑張りましょうね
(プププ~、アタシをのけ者にしてカップル同士でイチャイチャしてるから罰が当たったんですよぉ~だ
「はい、はーい!」
「安藤、どうした? 君が会議で発言をするとは珍しいな……」
「いや、提案なんだけどさ……今回の文化祭、姉ヶ崎後輩に全部任せてみない?」
「「「っ!?」」」
(((その手があったか!?)))
「は、はぁああ!? ちょっち、センパイてば何を言ってるんで――って、何で他のセンパイ達も『その手があったか!?』みたいな顔しているんですかーっ! アタシ、絶対に嫌ですからね!?」
「はい、じゃあ会議の多数決をとりまーす。今回の文化祭の責任者は姉ヶ崎後輩がいいと思う人は挙手してくださーい
「賛成よ
「うむ
「かな
「こ、こんなの……権力の乱用ですよぉーーっ!」
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪
今日は皆に嬉しい『お知らせ』があるわよ。
なんと……、
【何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが?】
書籍版『何故かの』2巻の発売が決定したわ!
これも、1巻を買ってくれた皆の応援のおかげよ。皆、ありがとうね♪
詳しい発売日や情報はおって作者のツイッターや近況ノートで報告するから、要チェックよ♪
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回「ミスコン」 よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
チョキかな?
チョキかも?
チョキじゃない?
グーだったりして……
本当はチョキを出してくるかもしれないわよ……?
【グゥー!】
「だから、言ったじゃない? クフフ……
皆のコメント、評価、待ってるわね♪」
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