第249話「お気に入りレーベル」



「朝倉さん、『何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけて来るんだが?』略して『何故かの』の一巻が発売されたね!」

「そうね、安藤くん! これも、ウェブ時代から応援してくれた人達のおかげね♪」

「そうだね、朝倉さん! ところで、話は変わるけど……、


 やっぱり、ライトノベルは『MF文庫J』が一番だね♪」


「安藤くん! その媚の売り方、あからさま過ぎないかしら!?」

「え? 朝倉さん、どうしたの……。別に、俺は媚びてなんていないよ?」

「嘘よ! だって、安藤くんはラノベレーベルをボロクソに批判するようなことはあっても、何処かのレーベルを褒めるなんてことは絶対にしなかったじゃない!

 むしろ、書籍化が決まる前はMF文庫Jも――」

「うわぁあああ! ああ、朝倉さんってば、何を言っているのかな!? 『MF文庫J』って言えば、俺が前々から一番大好きなラノベレーベルって、豪語していたじゃないか!」

「……私、その情報初耳どころか、寝耳に水なんだけど!?」


(むしろ、前に『MF文庫Jって背表紙が全部緑だから、背表紙でタイトルの見分けがし辛くて不便なんだよね』とか言ってなかったかしら……?)


「だって、その証拠に俺が初めて買ったラノベ――」


(――あ、ヤベ……初めて買ったラノベ『MF文庫J』じゃないや……)


「――の次に買ったのはMF文庫Jのラノベだからね!」

「初めて買ったラノベは!?」

「因みに、一番好きなMF文庫Jのラノベは『けんぷファ●』です」

「その伏字の使い方、意味があるのかしら!?」

「そして、一番好きなMF文庫Jのラノベ作家さんは『土橋●二郎』先生です!」

「その人、他レーベル出身のラノベ作家さんよね!?」

「朝倉さん、どうかな! これで、俺がどれだけMF文庫Jが大好きか伝わったよね?」

「安藤くん……。流石の私でも、それで納得するのはちょっと……」


(くっ! もっと、何か他にMF文庫Jのラノベが好きなのをアピールできることは――)


「そうだ! 朝倉さん、俺の電子書の購入リストを見てよ! ほら、俺がMF文庫Jのラノベが大好きな証拠に、今月だけでもこれだけMF文庫Jのラノベを購入してるんだ!」

「わぁ~、凄いわ! 今月だけで十冊も購入してるのね!」

「どうかな? これで、俺がMF文庫Jのラノベが好きなのも――」

「でも、これ他レーベルのも同じくらい買ってるわよね? 今月の合計購入冊数が五十冊だから……うん、MF文庫Jのラノベは五冊に一冊と考えると、あまりMF文庫Jのラノベだけ多いとは言えなくないかしら……?」


(今月はMF文庫Jのラノベを二シリーズほど新しく読んだから、誤魔化せると思ったのに……しかし、よく考えたら他レーベルのも新しく買ったんだった……)


「あ、あとは……そうだ! MF文庫Jのラノベって、表紙になるメインヒロインがどれも凄く可愛いのが魅力でもあるよね! だから、俺はMF文庫Jが一番好きだな!」

「え!」


(表紙のメインヒロイン……そ、それって私のこと!?)


「う、うん! そうね! やっぱり、私もMF文庫Jのラノベが一番だわ♪」






【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪

 いつか、わたしも『何故かの』の表紙になれるのかしら……。

 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回「名前」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私はいつもどおり【】に決めてるわ。じゃあ、いくわよ?

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 




































【パァー】


「皆のコメント、評価、待ってるわね♪」

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