第248話「志望動機」
【今回のお話は『何故かの』一巻の発売を記念した第43話の前日譚です。この話を読んだ後に第43話、または書籍版『何故かの』一巻を読むと、より一層『何故かの』を楽しめる内容となっています♪】
「では、アルバイトの面接を始めたいと思います。私がこのカフェのオーナーです。よろしくお願いします」
「はい! よろしくお願いしまーす♪」
(今日は始めてのアルバイトの面接! 正直、アルバイトを始めるとせっかく出来た彼氏とのデートの時間とか減っちゃうけど……でも、女の子はデートするのにも準備にお金がかかるし、ここのカフェのアルバイト絶対に受かってみせるんだから!)
「うん、いい返事だね。それで、今回はどうしてウチのカフェのアルバイトに応募してくれたのかな? ここを選んだ志望動機をおしえてくれる?」
(この質問……真剣ゼミで練習した質問だ!)
「はい! 実はここのカフェは私にとって、彼と初めてのデートで来たお店なんです……。その時に感じたお店の雰囲気がとても良くて、店員さんの接客も丁重でカッコよくて……そのおかげで、始めてのデートも最高の気分で終えることができたんです!
だから、私もアルバイトで働くなら、あの時の店員さんみたいに、お店に来てくれた人達の素敵な一時を提供できる人になりたいと思ったんです!」
「そうだったんですか! 素敵な理由ですね。私の見た感じだと、貴方は実に接客に向いている方だと思います。このお店は近くにデパートやショッピングモールなどが多い関係上、貴方のようなカップルでご来店するお客様が非常に多いです。なので、貴方のようなお客様のことを考えられる人が欲しいと思っていたんですよ。
よければこのまま採用とさせていただきたいのですが、どうでしょうか?」
「は、はい! よろしくお願いします!」
(や、やった! これで、彼とのデート費用を稼げる! 来月は彼の誕生日だし、彼のためにプレゼント代も稼がなくちゃ! よーし、初めてのアルバイトがんばるぞい!)
一ヵ月後
「すまない……俺達、分かれよう」
「え……な、何で!?」
「だって君……バイトばっかりで全然会えないし……それに、明日は俺の誕生日なんだけど、覚えてた? フッ……覚えてないよね。だって、君は俺の誕生日を話題にも出さなかったし……」
「そ、それは――」
(覚えてたよ! 話さなかったのはサプライズで隠してただけで、ちゃんと予定も――)
「ゴメン……さようなら」
「そんな……」
プルプル~♪
「……はい、もしもし」
『あ! もしもし? 急で申し訳ないんだけど、明日のシフトは入れないかな? 実は欠員がでちゃってさ~』
「あ、はい……大丈夫です……はい、はーい……お疲れ様でーす」 ガチャ
(アハ、アハハ……彼のためにバイト始めたのに……彼のために空けた休日もバイトになっちゃった……アハハハハ! ちくしょぉおおおおおおおお! 全世界のリア充爆発しろぉおおおおおおおおおおおおおお!)
「ほら、お兄ちゃん! 明日は朝倉先輩とのデートなんだから、早く服を買いに行かないと、お店が閉まっちゃうよ!」
「わ、分かってるよ! だから、妹! 引っ張るなって!?」
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪
……お、おかしいわね。最初は『何で私の話じゃないのよ!』って、怒りをぶちまけるつもりだったのに、目から涙が止まらないわ……。
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回「お気に入り」 よろしくお願いします!
「フン! どうせ次回も、わたしじゃないんでしょう? 知っているわよ……」
(こうして、いじけて見せれば次回は気をまわしてわたしの話になるはずよ……クフフ♪)
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私はいつもどおり【チョ
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
【グー】
「チョっと出番が少なったグーにしたわ。
皆のコメント、評価、待ってるわね♪」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます