第210話「桃井さんのラノベ入門2」



「わぁー、凄く広い本屋さんだよー。安藤くん!」

「そうだねー」


(この大型書店にたどり着くまでの揺れ……457メロン! うん、すごく大きいです)


「桃井さんって、普段はこことか本屋さんには行かないの?」

「うーん、そうだねー。私はサクラみたいに本は読まないし……例え読んでも漫画くらいだから、普段は『zozozonゾゾゾン』とかのネットショップで買っちゃうかなー? だから、本屋さんに来る機会ってないんだよねー」

「書店減少の波がこんな所にまで……でも、桃井さんみたいな人でも漫画は読むんだね。なんか、少し意外かも……例えば、どんな漫画読むの?」

「そうだねー。男の子向けなら『ツーピース』とか『ホワイトクローバー』とか『黒柳徹男くろやな ぎてつおのバスケ』とかかなー?」

「あぁー……」


(なるほど……それらのタイトルなら、桃井さんみたいな人が知っていても、おかしくないタイトル群だな。一瞬、桃井さんも朝倉さんみたいに隠れ趣味で漫画好きかと邪推しちゃったぜ……って、待てよ?)


「あれ?『男の子向けなら』って……じゃあ、桃井さん『女性向け』の漫画とかも読むの?」

「え、あ~うん……まぁ、ちょっとだよ? ほら、クラスの女の子達とかにオススメされる漫画とかあるからねー」

「ああ、なるほど……」


(つまり、クラスの友達付き合いとかで読むってことか……? 何か噂だと、クラスメイトが『面白いよー』とかオススメした漫画は読んで知っておくって言うのが『友達』って組織の暗黙のルールなんでしょ? まぁ、俺はぼっちだから噂程度にしか知らないけど……桃井さんみたいな人気者はそういうの気にしないといけないから大変なんだろうな)


「因みに、女性向けの漫画はどんなの読んでるの?」

「えー、安藤くんが聞いても分からないタイトルばっかりだと思うよー?」

「まぁ、いいからいいから」

「うんとねー? 例えば『ふしぎの国のアリスさん』とか……『わがままざかり』とかー? あと……『レレハロ』とか……かなー?」

「主に別冊マーフレッドとかで連載してる少女漫画だね。それなら、俺も読んでるよ」

「何で当然のように、安藤くん知っているの!?」


(えぇええー! ちょっと、ヤダー! 少女漫画だし、安藤くん知らないと思って普通に趣味全開のタイトル挙げちゃったよー!?)


「いやー、何でって言われてもねぇ? だって、少女漫画は妹も読むから……妹が読んでる雑誌とかは俺も暇つぶしで読むんだよ」


(それに、桃井さんが今挙げたタイトルはアニメにはなっていなくても、人気のタイトルだから、ある程度少女漫画に詳しいやつなら誰でも――ん? まてよ……)


「これらのタイトルってどの作品も……甘々の胸キュン恋愛モノばっかりだよな……」

「ふぇ! あ、安藤くん……こ、これは偶然でねーー?」


(な、なんか……嫌な予感がするよぉー)


(だって、桃井さんが挙げたタイトルはどれも共通して、恋愛に興味のない主人公の女の子がある日、王子様みたいな男の子と運命的な出会いをして恋に落ちるという超王道的な恋愛モノばかりだ。しかも、この三タイトルはその中でも砂糖多目の甘々胸キュンストーリーとして有名だからな……って、ことはー?) チラ


「あれぇ~? 桃井さんってもしかして……『胸がキュンキュンするような、甘々の恋愛モノ少女漫画』が大好きなのかなぁ~?」 ← とても悪い顔した安藤くん


「うぁあああああああああああああああ! もう、殺してぇええええええええええええええええええええええええええええ! こんな私のキャラで実は『甘々の少女漫画が好きなの!』とか、恥ずかしすぎるよぉおおおおおおおおおおおおおおおお!」


「めっちゃ、効果バツグンやん……」


(まぁ、女の子が少女漫画好きなくらい普通だと思うけどね……ウチの妹なんか誰の影響か知らんけど、少女漫画だけじゃなく最近では『少年デース』とか『月間Cファンタジー』も読むもん。俺が買ってるのに、お兄ちゃんより先に読むの止めてほしいんだよなぁ……)


「うぅ、安藤くんが読んでるのラノベくらいだと思って侮っていたよ……大体、ラノベも読んで他の漫画も読んでその上、少女漫画も読んでるとか反則だよ!」

「そんなこと言われてもなぁ……俺からしたら少女漫画なんて義務教育の一環みたいなものだからね」

「そんな義務教育一度も聞いたことないけど!?」

「いやいや、義務教育みたいに自然と身に付けるというか……ほら、小学生になると最初に少年漫画を読むじゃん? そして、少年漫画になれてきた三年生くらいで青年漫画を読み小学校を卒業する六年生くらいになると余裕が出てくるから、最後の詰めに少女漫画を嗜む的な?」

「私の少女漫画をそんな食後の口直しみたいに扱うの止めてー!」


(それじゃあ、小三の時から少女漫画を読んでた私がマセてるみたいじゃん!)


「中学生になると、さらに多くの基礎を学ぶべくラノベにノベル、月刊誌、ヤング系コミックを読み漁り、女の子だと『Bピー』『Tピー』などの選択授業も取るよね」

「『Tピー』って選択授業なの!?」

「え……桃井さん『Tピー』って言葉知ってるの……?」

「……あ」


(つい、勢いでツッコんじゃったよー……)


「…………」

「…………」


 シーン……


「もういっそ、殺してぇええええええええええええええええええええええええええええ!」






【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪

 さーて、私の本編登場はいつになるのかしらねぇ……。私って登場だけで言えば桃井さんよりも本編登場早かったわよね?

 皆! 本編で出番が少ないキャラも応援があれば登場するかもしれないから応援よろしくね♪」


『 委員長・・・ の活躍がみたいです!』『 委員長・・・ の出番を増やしてあげて!』『 委員長・・・ に名前を!』


「とか、コメントで送るとより効果的よ♪

 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回 「【番外編】「桃井さんのラノベ入門3」 よろしくお願いします!


「流石に次回で終わるわよね……?

 じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 















































【チョキ】


「皆のコメント、評価、待ってるわ♪」


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