第204話「超ロイヤルでスウィーな仕返し」



「お待たせしましとぅたぁ……。超ロイヤルでスウィーなショートケーキと超ロイヤルでスウィーなミルクティーのセットお二つでーす。ごゆるりとどうぞ~~」


(チッ、カップル同士で相席かよ……そのまま、連鎖して消えちまえ!)



「これが、数量限定一セット二千円のケーキセット……」

「わぁーっ! 安藤くん、早坂さん達の頼んだケーキセット、高いだけあって超ロイヤルでスウィーな感じだわ!」

「うん、そうだね……朝倉さん」


(朝倉さんもケーキも、なんて語彙力の無さなんだろう……)


「ハッハッハ! 早坂、僕には遠慮せず、食べていいから、ねキラーン!

「無論です、坊ちゃま。では――、あ……」

「早坂さん?」

「……?」


(どうした? 早坂さんが何かを探し始めたぞ……?)


「早坂? ケーキは食べないの……かいキラーン!

「坊ちゃま、申し訳ございません。ケーキの写真を撮ろうと思って気づいたのですが……どうやら、早坂は前のお店でスマホを忘れてしまったみたいなのです……」

「早坂さん、それは大変じゃない!? とりあえず、私のスマホを貸すからこれでケーキの写真をとって頂戴!」

「うん、朝倉さん。少し落ち着こうか?」


(今重要なのはケーキの写真を撮ることじゃないからね?)


「早坂、それは大丈夫かい? それなら、直ぐに取りに行くべきだよ、ねキラーン!

「はい……ですから、坊ちゃま。今すぐダッシュで取ってきてください。早坂はここで超ロイヤルでスウィーなミルクティーを飲みながら、坊ちゃまの帰りをお待ちしておりますゆえ……」


「「――って、まさかの坊ちゃまをパシった!?」」


「ハッハッハ! むろんOK……さキラーン!


「「しかも、了承するんだ!?」」


「ハッハッハ! なんたって、僕は紳士だから、ね! 紳士は困った女性をどんな理由であれ見捨てない、のさキラーン!

「えぇ……そうですね。では、坊ちゃま。宜しくお願いします」

「ハッハッハッハ! 早坂、豪華客船に乗ったつもりで待っていたまえ! では、言ってくる、よキラーン!


 ☆☆☆☆☆☆☆彡キラキラキラーン! ← 坊ちゃまが走り去っていく音


「白銀くん、本当に行っちゃったわ……」

「…………」


(豪華客船って、映画だと大抵は沈むよな……)


「早坂さん、流石にあれは大丈夫なのかしら?」

「俺もそう思うけど……」


(てか、流石にまともな理由も無しに、坊ちゃまをパシるのはマズイんじゃ――)


「お二人とも、ご安心ください。理由ならありますゆえ」

「「え?」」


((メイドが坊ちゃまをパシリに使う理由って……あるの?))


「だって――『デート』は殿方がリードするものじゃないですか?」


(だから、これは……『デート』に気付いてくれない坊ちゃまへの正当な――超ロイヤルでスウィーな『仕返し』なのです)


「「……へ?」」



「ありがとうございま――」


(ハッ! これは……店内から、ラブコメの波動が!? 早く塩を撒かなきゃ!)






【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。

 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回 「メイドの策略」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 















































【チョキ】


「次回予告のタイトルは嘘予告になる場合もあるわよ♪」


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