第198話「運動部三銃士」



「それで、安藤。運動部を買収とはどういう意味だ?」

「何だよ石田。そんな事も分からないのか? まぁ、論より証拠だな。今、連れて来るからちょっと待ってて」


 ガラガラ~ ← 安藤くんが生徒会室から出て行く音


「「「「「連れて来る……?」」」」」


 十分後


「それでね! その時に安藤くんが~」


 ガラガラ~ ← 安藤くんが戻ってきた音


「ただいまー」

「安藤くん! お帰りなさい♪」


((((やっと、ノロケ話が終わった……))))


「それで、安藤くん。誰か連れてくるって言ってたけど……誰を連れてきたの?」

「ああ、運動部三銃士連れて来たのさ! 三人とも入っていいよ」


 ガラガラ~


「野球部キャプテン、吉田! いきなり用事も聞かされず、安藤に連れてこられたぜ!」


ウェエエエエエエエエエエーーーーイイイ!元野球部で今は帰宅部、沢渡! 何か面白そうだから付いてきたゼェーイ!


「部活? そんなのやってないぜ! 何故なら、俺様に合う部活がないからな! がっはっはっは! そんな、俺の名前はぁ~~~~っ! 俺だ!俺だ!俺だ!俺だ!俺だ!俺だ!俺だ!俺だ!俺だ!俺だ!俺だ!

 山田様だぁぁああああああああああああ――――っ!」


「「うるせぇ、山田は黙ってろ!」」


ウェーイ、ウェーイ!安藤と吉田、息ピッタリだゥェーイ!


「「「「「…………」」」」」


「って、ことで運動部員を助っ人に連れて来たんだ」


「「「「「運動部員、一人しかいないんだけど!?」」」」」


「あ、安藤くん……この三人が助っ人ってどう言う事かしら?」

「朝倉さん、俺は考えたんだよ。多分、運動部の連中は、俺達が『生徒会』の立場で交渉しても話を聞いてもらえないと思うんだ。そこで、運動部の人間をこっち側に買収して、運動部を内部から崩してやろうてね!」


「「「「「うわぁ……」」」」」


(((((やることが何気にエグい……)))))


「だから、運動部に顔が利くこの三人を呼んだのさ」


(普通に俺の人脈がこの三バカしか、いなかったとは言えない……)


「安藤、貴様って奴は……」

「石田くん。でも、これって方法は最低だけど、意外と効率的な作戦じゃないかな……? って、私は思うかな? あはは……」

「なんか、藤林先輩って根本的なゲスさはお兄ちゃんと似てますよね……」

「それ、マジであるぅ~♪」


((なんか、思考回路がゲスいというか……))


「そこの後輩二人、それはどう言うことかな!?」

「ちょっと、藤林さん! 安藤くんの彼女であるこの私を差し置いて、安藤くんに似てるなんて言われるとはいい度胸ね! わ、私だって『朝倉さんって……なんか最近、安藤くんに似てきたね♪』って、まだ言ってもらってないのに!」

「朝倉さん、何! その理不尽なクレーム!?」


(てか、朝倉さんはそれを言ってもらって嬉しいのかな……?)


「おい、安藤。俺は急に連れて来られただけで、助っ人とか何も聞いてねーぞ!」

「吉田、何言ってるの? そりゃあ、何も言ってないんだから当たり前じゃん。だって、運動部を裏切って生徒会の味方奴隷になって! って、言っても付いてこないでしょ?」

「それはそうだな……っておいちょっと待てや! 今『味方』のニュアンスが何かおかしくなかったか!?」

「はぁ、これだからハゲは頭が固くて嫌だねぇ……」

「おい、そこで『ハゲ』は関係ねぇだろ! あと、俺は断じてハゲじゃねえ!

 大体、助っ人の話は俺だけじゃなくて、一緒に連れて来られた山田と沢渡だって納得しないだろ!」

「フッ……ところがどっこい! 実は山田と沢渡の二人に関しては、既に生徒会への買収が済んでるんだな!」


(甘いわ、吉田ぁああ! 山田は学食のバナナ、沢渡は……なんだっけ? 忘れた。とりあえず、この二人はお前を完全に取り込むための布石として、昼休みの時点で既に買収っしていたのさ!)


「おう、安藤! バナナありがとな! メッチャ美味かったぜ!」

「ウェーイ!」

「な、なんだとぉおおおおおおおおおおお!?」


(だから、こいつら安藤に呼ばれた時、何も言わずに従ったのか! くそ、ハメられた……)


「さぁ、吉田。あと残るのはお前一人だけだな……大丈夫。俺はただ、お前に生徒会の味方になって欲しいだけなんだよ。それに、見返りだって用意しよう!

 どうだ何が欲しい? 毛根か? 世界の半分か?

 それとも――」

「何で、そこで毛根と世界の半分を同レベルに扱ってんだよ! 俺がハゲだって言いたいのか!? そうだな!? って、俺はハゲじゃねぇええええ!」



(で、でも……言えば毛根が手に入るのか?)






【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。

 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回  「交渉(健全)」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 















































【チョキ】


「次回予告のタイトルは嘘予告になる場合もあるわよ♪」

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