第197話「対策案」
「――って、言ったくらいだな」
「思いっきり、お兄ちゃんが原因じゃん!?」
(まったく……やっぱり、お兄ちゃんが生徒会長にしたのは間違いだったんじゃないかな……)
「よし! では、話が終ったようだし、会議を始めるぞ! 藤林、今日の議題を発表してくれ!」
「あ、やっぱりこの司会風のまま進めるんだね……まぁ、私は石田くんがそれでいいなら良いけど……ね?
えーと、今日の議題は『運動部への対策』だよ」
「「「「わぁー」」」」 パチパチ~ ← その他の生徒会一同
「その合いの手まだやるの!?」
(しかし、会議って何をするのかと思ったら、運動部の対策かぁ……確か、お兄ちゃんが会長をやっていることに運動部を中心として不満が溜まっているって話だったけど……)
「えっと、その石田先輩。いいですか?」
「フム! 第一回答者は安藤妹だな。よし、回答を許可する……ウム、座布団を一枚だ!」
「ねぇ、石田くん……もし、それがテレビの司会者のマネだとしたら、失格だからね? 多分、テレビの司会の知識が笑点しかないから、そうなったんだろうけど……それでも、回答を待たずに雑布団は流石にないからね? むしろ、石田くんが座布団を持ってかれちゃうからね?」
「う、ウム……すまない、藤林。次は善処する……」
(上手くやれた自信、あったんだがな……)
「うわぁ……藤林さんって、控えめなようで意外と容赦ないよな」
「そうね。無自覚の刃で相手の心を抉っていく様がまるで安藤くんとそっくりだわ」
「え、朝倉さん。それってどういうこと!?」
「キャハハ~! 朝倉先輩、それマジでウケますぅ~♪」
「ちょっと待て、姉ヶ崎妹! それマジでウケるようなことなのか!?」
(流石に、俺でもあそこまでの毒は吐いてない……よね?)
「それで、安藤妹。質問は何だ?」
「はい、石田先輩。確か、運動部の件って裏で新聞部だったんですよね? じゃあ、まずは新聞部を対策するべきじゃないですか?」
「ああ、そのことか……それなら、一応問題はない」
「一応? 石田先輩それって――」
「妹よ、安心しろ。新聞部には俺が直接出向いて、これ以上は運動部を煽らないように……『説得』した!」
「うわぁ……お兄ちゃんが『説得』したとか凄い不安……」
「ああ、僕も同感だ……」
「だ、大丈夫よ!? 私も安藤くんと一緒に行ったけど、何も不正はなかったわ! ほ、本当よ?」
「あ、朝倉さん? えーと、普通は生徒会長を庇うのに『不正はなかった』なんてセリフは使わないとおもうんだけどねぇ? あはは……」
「キャハハ~! でも、これで帳簿があってるから、余計にタチが悪いんですよねぇ~? てか、マジでウケるんですけどぉ~♪」
「「「何、その超不穏なセリフ!?」」」
「はい! この話はもうお仕舞い。止め止め!」
「ほ、ほら! 今日の議題は『運動部への対策』でしょ!? 確かに、安藤くんのダ●キン並に超絶クリーンな『説得』によって新聞部は忠誠を誓って、生徒会へのネガティブキャンペーンを止めたけど、煽られた運動部の不満はまだ残ったままなのよ?」
「「「新聞部が生徒会に忠誠を誓ったの!?」」」
「おい、安藤……話を聞けば聞くほどに嫌な予感しかしないのは僕の勘違いか?」
「え、何。石田? これ以上、頭痛の種を増やしたいの?」
「やっぱり、いい! ぼ、僕はお前を信用しているからな!?」
「まぁ、問題ないみたいだし、いいのかな? あはは……」
「いや、藤林先輩。ウチのお兄ちゃん、これ絶対に何かやらかしてますよ……」
(まったく、本当にお兄ちゃんは……やっぱり、生徒会にも私がいないとダメなんだから♪)
「あのぉ~? ところでぇー? 結局、運動部の件はどうするんですかぁー?」
(てか、早く帰りたいみたいなぁー?)
「うむ、そうだな。姉ヶ崎会計の言うとおりだ。安藤の件は正直不安要素ではあるが、ここは朝倉さんの言うように『運動部への対策』をまず考える事にしよう」
「石田くん、そうだね。じゃあ、誰か具体的な対策案がある人はいますか?」
「うーん、難しいわね。新聞部の煽りは無くなったと言っても、運動部の人達の不満は一度燃え上がってるのよね……」
「そうだね。サクラお義姉ちゃんの言うとおり、話し会うにも運動部の人達の不満を解消しないといけないだろうし」
「ふーん。安藤先輩はぁ~? 何か、アイディアないんですかぁ~?」
「姉ヶ崎会計、止めろ。コイツに聞いてもどうせ、ロクでもない事を言うだけだ」
「あはは……石田くん、流石にそれは言いすぎ――じゃ、ないかもねぇ……」
「うーん、お兄ちゃんが意見出すと余計ややこしくなるような……」
「ちょっと、皆? いくら、安藤くんだからって、それは流石に……」
(き、きっと! 安藤くんなら、意外と良い案を――)
「……よし、買収しよう!」
(そうだ。運動部を買収すればいいんだ!)
「「「「「ロクでもないこと言い出した!?」」」」」
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回 「三銃士」 よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
【チョキ】
「次回予告のタイトルは嘘予告になる場合もあるわよ♪」
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