第195話「権力とジャーナリズム」



「ゲスゲェ~ス♪ 今日も元気に部室で記事を捏造するでゲス♪」


 ガラガラ~、バタアァ――ンッ! ← ドアが勢い良く開く音


「ゲスゥ! 何でゲスか!?」


(まさか、僕チンを恨む誰かの殴りこみでゲスか!)


「おらぁあ! ゲス谷は――」


 ガラガラ~、パシャァ――ンッ! ← 開けた反動でドアが勢い良く閉まる音



「…………」 ← ゲス谷


【勢い良く閉まったドア】


「…………」 ← ドアの向こうの人


 シーン……


(マジで今のは何だったでゲス……?)


 ガタッ! ← 部室のドアが動き出す音


「――ッ!?」


(ハッ! また、勢い良くドアを開けるつもりでゲスか!?)


 カラカラ~ ← ドアがゆっくり開く音


「…………」

「…………」


 シーン……


「おらぁぁああああ! ゲス谷は……何処だゴラァァアア――ッ!」

「安藤くん、ね? ドアはゆっくり開けた方が良いでしょ?」

「ゴメン、朝倉さん。今、仕切り直した所だから、さっきのはツッコまないでくれるかな?」


(てか、さっきの……あれ、一歩でも踏み込んでたら、俺自分が開けたドアに顔を挟まれる所だったぞ……)


「おやおや、これは誰かと思えば安藤くんじゃないでゲスか。一体、生徒会長の安藤くんが新聞部なんかにどんな御用でゲス?」

「うるせぇ、ゲス谷! テメェが書いた生徒会の記事……忘れたとは言わせねぇぞ? 生徒会長の権限において、権力を行使するゥウ――ッ!」


「ゲェーース、ゲスゲス……はて? 僕チンは生徒会長に権力を行使されるような事をした覚えは無いでゲスがね?」

「ゲス谷、てめぇ! 惚けるのもいい加減にしろよ!? お前が書いた記事で運動部の奴らを煽ったから、こっちは合同体育祭で負けるわけにはいかなくなったんだろうが!」

「ねぇ、安藤くん。一応、言うけどゲス谷くんの記事が無くても合同体育祭は負けていい行事じゃないからね?」


(まぁ、それでも……新聞部の記事のおかげで生徒会の空気が『絶対に負けられない』ってなっているのは事実なのよね。そのおかげで、居心地が悪くなった安藤くんが、生徒会をサボるついでにこうしてゲス谷くんに直接クレームをつけに来たわけだけど……)


「ゲェース、ゲスゲス……別に、僕チンは事実を記事にして書いただけでゲスよ? それを、どう受け取るかは読者の生徒次第でゲス! 確かに、あの記事を見て生徒会の煽りだと思う生徒がいたかもしれないでゲス。しかーし! 中にはあの記事を見て生徒会への激励や叱咤だと受ける生徒だっていたかも知れないでゲス! それがジャーナリズム! それが、表現の自由! それが、報道の自由と言うものでゲス!

 ですから、安藤くん! 僕たち新聞部はジャーナリズムの元、報道と表現の自由の元に、決して、権力には屈し――」


「新聞部が備品購入で希望出して却下されてるカメラの高級レンズ……浮いた予算で購入できなくもないんだよなぁ~~?」


「権力大好きでゲス! 僕チン新聞部は権力様の元には絶対に逆らえないと、ここに誓うでゲス! あ、生徒会長様のお靴に汚れが……よろしければ舐めて綺麗にさせていただくでゲス!」

「おうおう、落ち着けよ。ゲス谷? まぁ、靴なんて汚れたら買い換えるさ。なんたって……予算はたんまり、余っているからな? ハッハッハッハ!」

「流石は生徒会長様でゲス! ゲェース、ゲスゲス!」

「…………」


(何故かしら……この二人、あまり一緒にしちゃいけない気がするわ)



 この日から、新聞部の生徒会を叩くような記事は全て抹消された。





【次回予告】


「皆ぁあああああああああああああ! いつも応援してくれてありがとうぁああああああああああ!

 今回の次回予告は……俺だ俺だ俺だ! 山田様だぁああああああああああ! イェーーイッ!

 ふぅ、いやぁ~! ついに、この山田様がこの次回予告のコーナーに登場だぜ! 待たせたな! まぁ、超久しぶりの次回予告過ぎて少し次回予告に遅刻しちゃったけど、いいよな!? な! ゴメンよ♪」


* この次回予告のコーナーは山田が遅刻したため、本編投稿の一日後に追加投稿されてます。


「よっしゃあああああああ! 早速、山田様の【今日の俺☆コーナー】を始め――」


「山田ぁああああああああああああああああああああああああ!! アンタ、この私がせっかく次回予告の座を譲ってあげたんだから、まじめに次回予告しなさいよね!?」


「おうおう、そうだった……次回予告のことすっかり忘れてたぜ! わりぃな委員長!

 よっしゃぁあああああああああ! 次回のぉおおおおおおおおおおおお!

 『何故かの』ぉおおおおおおおおぅわぁああああああああああ!?」


次回  「遊び心」 よろしくお願いします!


「うっしゃあああああ! じゃああ! いつものぉおおお!『山田様じゃんけん』始めるぜぇえええええええええ! 出す手は決まったかーい? もちろん、俺は――……グーだ!グーだ!グーだ!グーだ!グーだ!グーだ!グーだ!グーだ!グーだ!グーだ!グーだ!ぐぅうううううううううううううううううううう、だぁああああああああああああああああ!!

 男なら拳でしゃべれ! 【グー】一択だぜ! いくぜぇえええええええええ!

 じゃぁあああああああああああんぁあああああああああああ!

 けぇええええええええええええええん!

 

 ポォオオオオオオオオオオオオオオン!!」 



















































【チョキ】


「委員長ぉー! 委員長の言われた通り【チョキ】出したけど、これでいいのかー?」

「ちょ、山田のバカ! それを言うんじゃないわよ! あ、あら? 何か聞こえたかしら……?

 あ、そうそう。次回予告のタイトルは嘘予告になる場合もあるわよ♪」



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