第193話「完璧美少女スイッチ」



「「安藤くん、ちょっ待ったぁあああああ!」」


「は? って、うぇえ! 委員長に、桃井さん――っと、朝倉さんまで!? なんで、三人がここに……?」

「あ、安藤くん! ちち、違うのよ? そのこれは、え~と……」


(もぉーっ! モモと委員長が勝手に飛び出すから、安藤くんに見つかっちゃったじゃない! この状況じゃまるで私が『彼氏が浮気しないか不安で、ついついストーカー行為をしちゃった残念な学校一の美少女』みたいじゃないのよぉおおお! べ、別に、私は安藤くんの浮気なんか疑ってはいなかったんだからね! ほ、本当よぉ~? とりあえず、ここは上手く安藤くんに誤解されないように誤魔化さないといけないわ……よし、学校一の美少女と言われる私の完璧な演技を見せてあげるんだから、

 完璧美少女スイッチ・オンよ!)


「朝倉さん……? もしかして、俺の後を――」

「あら、ウフフ♪ 安藤くん、偶然ね? 実は私達ここで女子会をしていたのよ」

「え、女子会?」


(でも、女子会と言うには――朝倉さんに、桃井さんと……あれ? 女子が二人しかいないぞ? 『女子二人』+『委員長』でも、世間では女子会というのかな……?)


「ええ、そうなのよ。でも、話している途中でこっちから、安藤くんに良く似た怒鳴り声が聞こえたから驚いて見に来たら……まさか、本当に安藤くんがいるから、ビックリしちゃったわ。ウフフ♪」

「ああ、何だ。そう言うことだったんだね……」


(危ない危ない、俺ってばてっきり朝倉さんたちが俺の浮気でも疑って尾行でもしてきたのかと思ったぜ……ハハ、まさかな。いくら朝倉さんが乗せられやすい完璧ポンコツ美少女だとしても、そこまで残念なわけ無いだろう。まったく……朝倉さんほどの素晴らしい彼女なんてこの世に存在しないと言うのに、その『完璧美少女な彼女』を疑うなんて俺は彼氏失格だぜ)


(よぉーし、私ってば流石は完璧巨乳美少女ね! 何とか、自然に場を誤魔化すことが出来たわ! さて、安藤くん? 今度はこっちが状況を説明してもらおうかしら……ね?) 


「ええ♪ それでだけど……どうして、安藤くんが姉ヶ崎先輩と一緒にいるのかしら♪」 ゴゴゴォ……ッ!

「へ?」


(あれ、もしかして俺……やっぱり何か疑われてる?)


「安藤くんー? 私もサクラと一緒で、安藤くんが何で姉ヶ崎先輩と一緒にいるのか気なるよねー?」

「さぁ、安藤くん! この状況、私と朝倉さんと桃井さんの三人を納得するように説明してもらうわよ!」



「いらっしゃいませ~♪」


(およ? あの男も、ついに修羅場か? よっしゃぁあ! やれやれ~♪ イチャついて騒ぐ分には注意するけど、修羅場って騒ぐ分には私が愉悦を感じられるから全然止めないよ? おらおら~♪ リア充炎上しろッ!)



「えーと……」


(何だこの状況は……これじゃ、まるで俺が学校一の美少女と付き合っているくせに、他の美少女二名をキープして、その上さらに他の上級生のペッタンコと浮気したところを責められているゴミクソ男みたいじゃん! って……それ一体何処のラノベ主人公だよ!? いや、これ……ラノベ主人公というより、むしろエロゲ主人公の展開だな。しかも、ハッピーエンドよりもバッドエンドの方が多くてそっちの方が正規ルートとか言われるタイプね)


「…………ダメだ。ボートでナイスする未来しか見えねぇ」

「ちょっと、安藤くん!? 貴方、意味不明なこと言ってないで、朝倉さん達をちゃんと説得しなさいですわ!」


(てか、安藤くん! 貴方なんで彼女達に浮気現場を押さえられたみたいな感じになっているのよ! この私が貴方みたいな低俗な男の浮気相手とかゴメンですわよ!) ← アイコンタクトで会話してます


(うるせぇな! 俺だって会長みたいなペッタンコと浮気しているなんて思われるのゴメンだね! どうせなら、もっと巨乳の浮気相手の方がええわ!) ← アイコンタクトで会話してます


(コォオオオオオオオオオオオオオオロォォォオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオスゥゥゥウウウウウウウウウウウッ! いいですわ……なら、そのセリフをそのまま朝倉さんに伝えて――)


(全て私の責任です! 悪いのは全て私です! ホントにすみませんでしたぁあああ! だから、朝倉さんに今の言葉を言うのだけはやめてください! 殺されてしまいます!)


(今更、謝っても遅いですわ。精々、あの世で懺悔することですわね?) 


(嫌だぁあああああああ! 死にたくなぁああああああああああああい!) 


(はぁ……まったく、仕方ないですわね。でも、安藤くん。本当に何故こんな誤解が生まれているのですの? 貴方、ちゃんと朝倉さん達に私と会っている事を言ってなかったですの?)


(え……俺と会長の集会って朝倉さん達に言う必要あったの? 何で? だって、これ『生徒会の引継ぎ』で、会長があまりにも俺のまとめる生徒会が不安だから、定期的に生徒会の活動を報告して、そのついでに会長が俺に生徒会のアドバイスをくれるって言う集会なだけじゃん? 別に、誰にも言う必要なくね?)


(安藤くん、貴方って人は本当にバカですわね……仮にも『彼女』がいる男子が他の女性と定期的に会う約束があるならそれは言っておくべき事ですわよ……?)


(はぁ? 他の女性って……そんなの何処にいるんだよ? 俺が定期的に会っているのはペッタンコ星から来た『ペッタンコ怪人』であって『女性』じゃねえぞ?)


(いいですわ……安藤くん、貴方がその気なら――)


「コォオオオオオオオオオオオオオオロォォォオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオスゥゥゥウウウウウウウウウウウッ!」 ガタッ!

「うわ! 止めろ、このペッタンコ怪人め!」

「うぇえ!? ちょっと、姉ヶ崎先輩! 何でいきなり、安藤くんと殴り合いのケンカを始めようとしているんですか!?」

「何これ!? 安藤くんが会長と黙って見詰め合ってたら、いきなりケンカとか――貴方達本当に一体どういう関係なのよ!」

「うわぁ……まるで、凄い修羅場みたいだよー」


(てか、あれ目線で会話してたと思うんだけど、何故かその時点で既にいがみ合ってたよねー? でも、あの様子だと仲が悪いようで実際は……)


「二人とも本当に仲良しさんだねー♪」



「「仲よくなんかない!」」






【次回予告】



「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。

 さーて、次回の『何故かの』は?」



次回  「拷問」 よろしくお願いします!



「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?


 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 



















































【パー】



「次回予告のタイトルは嘘予告になる場合もあるわよ♪」


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