第184話「果たし状」
「…………」 ゴゴゴッ! ← 覇王のオーラ
(やっふぅ~♪ 今日も学校楽しかったなぁ~、うん、今日の絵日記はいいつもより書く事が沢山あって大変だね♪)
ガチャ ← 下駄箱を開ける音
「……ぁあん?」 ゴゴゴッ! ← 覇王のオーラ
(あれれ~? 僕の下駄箱に手紙が入ってるよ……? 僕みたいな目立たない男子生徒に手紙なんてありえないし、この手紙は誰かへの入れ間違いかな? あ! でも、ちゃんと『朝倉様へ♪』って、書いてある……ってことは、本当に僕への手紙!?
嘘! 僕、手紙なんて始めてもらったよ! うわぁ~一体どんな内容だろう?)
『北都高さいきょう!
南都高の裏番! 俺はきさまをしょうめいする!
四時になんか大きなビルのちかくのかせんしきにこい!』
「…………」
(これは――うん、お友達からの招待状だね!)
その頃、河川敷
「ぶぇーくしょい! あぁ~寒いぞごんりゃろおお! まったく! 南都高の裏番はまだ来ねぇのか、おりゃああああああああ!」
「ひぃ~今日の河川敷は冷えますね。それにしても……カシラ、南都高の裏番の奴……本当に現れますかね?」
「あったりめぇ~だろバカッショオイ! 何たって今回はこの北都高の番長の俺様が直々に果たし状を送りつけてやったからな!」
(へへへ……しかも、今回の果たし状はただ相手に送りつけるだけじゃなく、なんと見た目を可愛いラブレター風にして『わぁ! ラブレターかな?』って期待させた所に中身は果たし状というトラップにしてやったのさ! ここまでバカにされればいくら南都高の裏番が表に中々出てこないという噂でも、怒り狂ってこっちの呼び出しに来るって寸法よ!)
「ヒャッハーッ! ウチの番長が直々に果たし状を送りつけたって!? そりゃ、相手もメンコがあるから来ないわけ無いですね!」 ← * ×メンコ ○メンツ
「カシラに呼び出されて断れる奴なんかこの大西洋にはいませんよ!」 ← *大西洋に日本海は含まれません
「ガッハッハッハ! そうだろう、そうだろう……しかもなぁ、お前らぁ~聞いて驚きゃああああああああ! 今回の俺の果たし状にはなぁ~?
ななな、なーーーーんと! 『漢字』を使って書いてあるんじゃあ、おらぁああああああああああああああいッッ!」
「「な、なんだってぇえええええええええええ!」」 ← 子分達
「か、漢字って……まさか、俺達の進級テストに出てくるって言うあの『超古代文字』のことですかカシラ!」
「あの! 覚えられし者のみが上級生への扉を開けるというウチの学校に伝わるウネウネゴニョゴニョした記号みたいなやつのことっスカ!」
「あぁ……へへ、俺とした事がよぉ~今回は南都高の裏番にイケンっちゅうモンを見せる為に猛猛、モォ~~ウ勉強しちまったよぉ……」 ← * ×イケン ○威厳
「番長マジすげぇえッス! 一生付いていきやす!」
「マジでパリピィーでバズってアゲポヨっす!」
「へへへ、そうだろう、そうだろう……」
(子分達の前でここまでカッコつけてんだぁ……南都高の裏番よぉ~あの時はビビッて逃げちまったが、今度はそうはいかねぇぞ? 俺にだってちゃんと作戦は考えてあんだよぉ……へへ、早く来やがれ! 今日の俺は負ける気がしねぇぇええええええええええええええ!)
スカァーッ! スカァーッ! バサバサバサ! ← カラスが騒ぎ出す音
「へへへ……ようやく来たか!」
「…………」 ゴゴゴッ! ← 覇王のオーラ
(こんにちは~、あ! 君達は山田くんのお友達の人! 君達が僕にお手紙をくれたの? あのお手紙って考えてみたんだけど……やっぱり、僕と友達になろうって意味だよね! うわぁ~っ! じゃあ、君達が僕とお友達になってくれるの! ありがとう! 僕……山田くん以外に『友達になろう』って言われたこと無いから……す、凄く嬉しくて!)
「あの……手紙ハ……き、貴様ラ……か?」 ゴゴゴッ! ← 覇王のオーラ
「「「は、ハィイイッ!」」」
「かかか、カシラ! どうするんですか! メチャクチャ怒っていますよ!」
「こここ、殺されるぅうぅうううううう! マジでパリピーでヘブンする五秒前ッス!」
「おおお、落ちつけ野郎共! おお、俺達にはアレがあるじゃねえか! いいか、とと、とりあえず俺が時間を稼ぐから、お前達はアレを用意しろ……今すぐにだ!」
「「シャーース!」」
「…………」 ゴゴゴッ! ← 覇王のオーラ
「へ、へへ……随分とご機嫌ナナメじゃねえか。その様子だよあのプレゼントは随分と効いたみてぇだな?」
「……? ッ! ウガアアア! ウゥゥ……ン」 ゴゴゴッ! ← 覇王のオーラ
(プレゼント? ああ! お友達申請のお手紙だね! うん、凄く嬉しかったよ!)
(ひぃ、ヒィイイイイイイイイ! メチャクチャ怒ってるぅうううううう! やっぱり、流石の裏番でも果たし状をラブレターに偽装して渡したのはヤバかったか!?)
「ちょ、ちょいと待ちな!」
「ウゥ……?」
(ん、何だろう……?)
「へへ……南都高の裏番よぉ、実はテメェに会わせたい奴がいんだよ。おい! テメェら連れて来い!」
「…………?」
(会わせたい人……誰だろう?)
「「ヘイ、アニキ! 連れて来ました!」」
「朝倉くん……?」
(あらあら~、帰り道の途中でこのヤンキー二匹が土下座までするから、ここまで付いてきてあげたけど……なんかものすごく面倒なことに巻き込まれたみたいね)
「ッ!?」
(うえ! な、何で安西さんがこんな所に!?)
「へへ……南都高の裏番よぉ? この女がここにいる意味が分かるよな~?
さぁーて、楽しい喧嘩をしようぜ……
オラッシャアァアアアアアアアアアアアアアアアーーイッ!」
(へへ! 作戦は上手くいったみたいだな。正直、子分達がどうやってあの女を人質にしてつれてきたのかはわからねぇけど、自分の学校で一番のマドンナが人質とありゃ……流石の裏番も手が出せないよな~~?
よっしゃおらぁああ! このケンカ、そして裏番の命は俺達北都高がいただいたぜぇえええええええええっ!)
「あらあら~、困ったわね……」
(てか、この人達はここでこんなくだらない事をしている暇があったら、家に帰って勉強をした方がいいんじゃないのかしら……?)
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回 「友達」 よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
【グー】
「次回の更新もよろしくね♪」
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