第183話「学校一のマドンナ」



「そろそろ、ターゲットが来る時間のはず……来たでヤンス!」


「安西先輩! あ、あの……おはようございます!」

「あらあら、おはよう♪ ウフフ、今日は良い天気ね」



「…………」 じーー


(アレがウチの学校で一番のマドンナと噂の『安西さん』でヤンスね! 今回の僕の任務はあの学校一のマドンナを取材して、明日の新聞部の学校新聞にその記事を掲載することヤンス! しかし、記事を書くからには何かしら大きなスクープが欲しい……な・の・で!

 グッフフ~、今回はご本人にはナイショで朝から密着取材して何かしらのビッグニュースを手に入れるでヤンス! この任務こそまさに、新聞部の『クズ谷』と言われる僕にふさわしい仕事でヤンスからね!)


「しかし、スクープと言ってもいろいろあるでヤンスからね。まぁ、欲しいネタ的には『あのマドンナの熱愛発覚!?』みたいなネタとかが一番でヤンスが……だとしたら、マドンナと接触する男子生徒は要マークでヤンス! そして、あわよくばスクープを捏造して――じゃなくて、スクープをゲットするでヤンス!」


(あと、もしもスクープが取れなかった時の為にお宝ショットとかも狙っていきたいでヤンスね……)




一時間目【数学】


「じゃあ、この問題を――安西、いけるか?」

「はい、先生。えーと……これでいいでしょうか?」

「ああ、正解だ」

「ウフフ、ありがとうございます♪」



「…………」 じーー


(ふむふむ、学力は非常に優秀でヤンスね。しかも、そのレベルも期末テストでは学年トップという噂でヤンスから驚くでヤンス……)


「じゃあ、次の問題は~、朝倉――」

「んぁ?」 ギロリッ!


(え! 先生、僕ですか!? わぁあ! 今日は日付的に僕は当たらないと思っていたから油断しちゃってたよ~~っ! うーんもう、これも仕方ないよね……よし! 難しい問題だけど頑張って解いちゃうもん!)


「――っひぃいい!? あばば……じゃなくて、吉田!」

「どえぇえええええええええええ!? 先生、何でそこで俺なんですか!? 因みに、分かりません!」

「バッカもーん!」



「…………」 じーー


(アレはウチの学校の裏番と噂の『朝倉くん』でヤンスか。そういえば、安西さんの隣の席は彼でヤンしたね。しかし、先生もビビって指名を変えるほどの人が隣の席で、安西さんはよく平気でいられるでヤンスね~)



三時間目【体育】



「…………」 キョロキョロ


(三時間目は体育ヤンスか。男子は体育館でバスケ、女子はグラントでテニスのはずでヤンスが何処に……お、安西さん発見でヤンス!)



「てぇい!」


 ズドォオーーンッ!  ← サーブでボールを打つ音


「あらら~ウフフ♪」


 ポーン ← ラケットでボールを打ち返す音



「キャーッ! 安西さんってば女子テニス部の部長の不動峰さんと互角に試合してるわ!」

「不動峰さんって、全国大会で優勝したこともある人だよね?」

「しかも、安西さんって帰宅部なんだって」


「「「えぇええ! すごーい!」」」



「…………」


(ふむふむ、どうやら安西さんは勉強だけでなく運動神経も良いみたいでヤンスね。しかも、全国レベルの選手と渡り合えるほどとは……それに――)



「ありぁあ!」 プルン! ← ボールが揺れる音


 バゴォォオーーンッ!  ← ボールを打つ音


「あらら~ウフフ♪」 バルン! バルン! ←  ボールが揺れる音


 ポーン ← ボールを打ち返す音



「…………」


(グッフッフッフ~~どうやら、打ち返すボールは弱くても、胸元の大きな二つのボールはものすごい大揺れでヤンス! まさか、容姿、学力、運動だけでなく……『おっぱい』までも学校一とは恐れ入ったでヤンス! これはおなかが痛いと言ってちょくちょく授業を抜け出して正解だったでヤンス!)



「……あらあら」


 ポーン ← ボールを打ち返す音


「これで――決める! くらえ百式、むんっばりゃぁああああああああ!」

「ふぅ……そろそろ限界ね。ウフフ♪」


 チュ――ドォオォォオオーーンッ!  ← ボールがコートに突き刺さる音



「きゃぁああ! 不動峯さんが勝ったわ!」

「でも、あの不動峯さんとここまで打ち合えるなんて安西さん凄すぎます!」

「おねぇえさまぁああああああ!」



「相手してくれてありがとう。不動峰さん」

「私の方こそ、相手してくれてありがとうございます。それにしても安西さんってテニス強いんですね。安西さんならテニスで全国も夢じゃないと思いますけど……部活入ってないんですよね? テニス部なんかどうですか!」

「あらら、ゴメなさいね……私って運動ができても、体力が無いのよ。だから、さっきの試合もあそこまでが限界なの。なので、部活は遠慮させてもらうわね」

「そうですか、残念です。でも、でしたら……授業で私の練習相手になってもらえないでしょうか!?」

「あらら……まぁ、それなら喜んでお受けするわ」

「あ、ありがとうございます!」

「ウフフ♪」



「…………」


(ふむふむ……安西さんはどうやら、体力だけはないみたいでヤンスね。どうりでさっきの試合も急に勢いが落ちた訳でヤンス。とりあえず、この調子で授業をサボりながら、放課後まで密着取材を続けるでヤンスよぉ~!)



「あらあら……」




放課後


「グッフッフ~どうにか、これで無事に取材を終える事ができたでヤンス! しかし、これは中々良い取材内容になってきたでヤンスね~ちょうど、良い写真も撮れて来ましたし、明日の記事は『揺れる! 学校一のマドンナの秘密の果実!』で決定でヤンス!」


(さてさて……では、明日の記事に使う写真の選別を――)


「――って、うげぇええええええええ!? ななな、何で僕のカメラにフィルムが入ってないんでヤンスかぁあああああああああ!?」


(そんな……まさか、この僕がカメラにフィルムを入れ忘れた? そんなバカな! この僕がそんな初歩的なミスをするわけがないでヤンス! そもそも、写真は途中で何枚か確認もしたはず……いや、それよりも今は明日の記事に使う写真の調達を――)


「うぉい、川谷ぃ~……?」

「はひぃ! こ、これは松田先生じゃないでヤンスか……ぼ、僕に何か用でヤンスか?」

「分からないか……? 今日のお前の授業態度に対して話がある……俺の言いたいこと分かるよなぁ~?」

「は、はひぃ……」

「ああ、それと……誰だか知らんが、職員室に女子の体育を隠し撮りした写真が届いているんだが――お前、何か知っているかぁ~?」

「うげげげぇーッ!? なな、なんでそれが職員室に――っは!」

「そうかぁ~……その反応は知ってるんだなぁ~……よーし、今日は先生、お前を遅くなるまで帰さないぞぉ~っ!」

「そ、それは勘弁してほしいでヤンスぅうううううううう!」


(な、何でこんな事に……これじゃあ、明日の記事が書けないでヤンスぅうううう!)




「あらあら、ウフフ~♪」






【次回予告】



「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪

 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回 「伝説って?」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわよ。 グゥーグゥー♪


 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 



















































【パー】



「次回の更新もよろしくね♪」


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