第180話 何故かの(委員長ルート)「夏休みの一日」
今回の番外編は『もし委員長がメインヒロインで安藤くんと付き合ってたらの話』と言うお話です。本編とは関係ないパラレルワールドだと思ってください。
(私には付き合っている『彼氏』がいる)
「……安藤くん」
「……何、委員長?」
「私達、付き合ってるのよね……?」
「そーですね……」 ペラ
「私は今日『デート』だと言われて貴方の家に来たはずなのだけど……?」
「そーだね……」 ペラペラ
「それで、わざわざ家まで迎えにきた彼女を放置して……貴方は一体何をしているのかしら?」
「うーん……読書かな?」 ペラペラ
(その『彼氏』と言うのが……私の目の前でベットの上で横になって、ペラペラとラノベを読んでいるこのクソ男だ)
「…………」
「…………」 ペラリ
「よし、分かったわ。安藤くん、今日の予定は『デート』から『大掃除』に変更よ♪
まずは手始めに……この部屋のラノベをすべて売っぱらうわ!」
「堪忍してェエエエ! お願いします! お願いします! あああ! 委員長!? やめてぇええええええ! そのラノベはまだ読んでな――あぎゃぁああああああああ!
後生ですから! 後生ですからぁあああああああああああああ!」
「さて、言い訳があるのなら何か聞かせてもらいましょうか?」
「違うんです……自分、ホンマこれデートのつもりなんですたい」
「…………安藤くん、貴方は何を言っているの? そろそろ、そのふざけた口を閉じないと貴方の本棚に、下の台所から持って来たマッチで火を付けるわよ?」
「ヤベー、俺の彼女マジでヤベーわ……これが噂に聞く『ヤンデレ』って奴かぁ~」
(…………) ブチッ!
「…………」 シュボッ!
「ああああ! ヤメテ! 委員長、ゴメン! 謝る、謝るから! だから、無言でマッチに火を点けないでぇええええ!」
「もう、お家デートならそうと先に言っておきなさいよ……」
「熱かった……うわぁ、ここ少し燃えてね? 何だよ委員長? 俺、昨日のメールにちゃんと『夏休みだしデートする? 集合、家ね』って送ったじゃん」
「あれじゃあ、普通に家に集合するって意味に思えるのよ! 全く、貴方はもう少し手を抜かずに他人とコミュニケーションを取れるようになりなさい!」
(全く、おかげで無駄にオシャレしちゃったじゃない! せっかくのデートだから、し、下着も……んもう!)
(委員長、今日はミニスカートなんだな~いつもは丈が長いスカートなのに珍しいじゃん。パンツ見えないかな?)
「…………」 じーー
「……ちょっと、安藤くん? 貴方、パンツ見ようとしてないわよね?」
「……いや、ブラも『黒』なのかなー? って」
「その瞳を赤く染めるわ!」 シュボ!
「だから、マッチはヤメテェエエ!」
「んもう! 仕方ないから、私もここで本を読ませてもらうわ」
「委員長、本読むなら何か飲み物持ってこようか?」
「そうね。お願いできるかしら?」
「オッケー、アイスティーでいいよね?」
「味は?」
「もちろん、ストレート」
「正解よ」
((それにしても……『付き合ってる感』ゼロだなぁ……))
バタン
「…………」
(私が安藤くんと付き合い始めたのはちょうど一年前、一年生の夏休みが始まる直前だったわね……そうか、もう付き合って一年経ってるのよね)
ガチャ
「はい、お待たせー。ほいアイスティー」
「ありがとう。早速いただくわね」
「俺も自分の飲もう」
「「ゴクゴク……ふぁ~~っ!」」
((やっぱり、アイスティーだなぁ~))
「なぁ……委員長」 ペラペラ
「何……安藤くん」 ペラペラ
「…………やっぱ、何でもない」
「そう……」
「「…………」」 ペラペラ
((将来……コイツと結婚するんだろうなぁ~))
「なぁ、委員長。どうせなら、今日は泊まって行くか? 妹もその方が喜ぶだろうし……」
「そうね……妹ちゃんも喜ぶものね」
「ああ……」
「お兄ちゃんただいま~あ! 委員長さん来てるの!? 委員長お義姉ちゃん~!」
「帰ってきたのか……てか、アイツ委員長のこと『お姉ちゃん』とか呼んで好きすぎだろ……」
「いいんじゃないの? それほど間違っている訳でもないし……それに、私も好きよ?」
「委員長お義姉ちゃん、いらっしゃ~い!」 ガチャ!
「妹ちゃん、久しぶりね。お邪魔してるわ」
(私の彼氏はこんな男だけど……何故か、私はこんな日常が大好きだ)
おまけSS「地震2」
「あ、地震だ……」
「え? 安藤くん、今揺れたかしら?」
「委員長、何言ってるの? めっちゃ揺れてたじゃん」
「全然、気づかなかったわ……本当に揺れたの?」
「揺れたってぇ~ほら、テレビでやってるじゃん! 震度3だって!」
「うーん、本に集中してて全然気づかなかったわ。でも、震度3程度で本当に揺れてたの?」
「揺れたって、言ってんだろ! ここがメロンメロンしてたんだよ!」 もにゅ♪
ズビシ! ← 委員長が本の角で突き刺した音
「調子に乗るんじゃないわよ」
「すみませんでした……」
(だって、ホントに『メロン』が揺れてたんだよぉ……)
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回 「何故かの(朝倉パパ編)」 よろしくお願いします!
「次回は過去編よ。じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。
ラッキーアイテムは【パー】で決まりね!
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
【チョキ】
「因みに【パー】は私がラッキーになれるアイテムよ♪」
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