第179話 何故かの(桃井さんルート)「夏休みの一日」


 ピンポンパンポン~


【注意書き】

今回の番外編には『桃井さんの水着』という大変危険な爆弾が潜んでいます。

読む時はなるべく人のいないところで心して読んでください。


 ピンポンパンポン~






 俺の彼女は巨乳だ。


 そんな俺は今日、その彼女と一緒にプールに来ている……この意味が分かるだろうか?


「つまり、今日ここに! ビックバァアアアン! が解き放たれるぅうっ!」


 おおお、落ち着け安藤……お前はできる男だ! 今はすでに着替え終わり、この出入り口で水着姿の桃井さんが現れるのを待つだけだが……


「問題は桃井さんがどんな水着で現れるか!」


 そう、とんでもないことに桃井さんは彼氏であるはずの俺に――


『えへへー、水着は恥ずかしいから当日までのヒミツだよー♪ え、お風呂で見せてほしい? もーう、それはメーだよ♪』


 ――って、言って見せてくれなかったのだ!


「くっそぉおおおおおおおおう! おかげで桃井さんがどんな水着を着て出てくるのか凄い気になるぅうううう!」 ソワソワ



「ママーっ! あのお兄ちゃん、さっきからずっと『ソワソワ』してるよ!」

「シッ! 見ちゃいけません!」



「……は、早く来ないかな」


 せめて、桃井さんの水着がどんなのか分かっていれば心の準備ができるんだけど……いや、待てよ? 確か先日……桃井さんの部屋で変な質問をされたような?



『ねーねー、アーくん♪ アーくんはビキニって好き?』

『え、何……いきなり? そんなの好きに決まってるじゃん』

『そっかー。えへへ~じゃあ、楽しみだねー♪』

『……?』



「…………」


 あの時は変な質問をするなと流したが……思い返してみればあの質問は水着のリサーチをしていたのではなかろうか? なら、桃井さんの着てくる水着は『ビキニ』だ!

 いや、でも……そういえば前に俺の部屋で――



『ねーねー、アーくん♪ アーくんが今読んでるライトノベルってさー? 表紙の女の子が白いスクール水着を着ているんだけど、アーくんってそういうのが好きなのー?』

『は、はぁあああ!? ななな、何を言っているのかな桃井さん!?』

『アーくん……現実にはね。白いスク水なんてないんだよー? だから、諦めようね?』

『べ、べべべ、別に、俺は白スクが好きなわけじゃないんだからね!』



「…………」


 もしかして、桃井さんがこの日のために『白いスクール水着』を用意した可能性も微粒子レベルで存在するのでは? そうだとしたら、ここから出てくる桃井さんは白いスクール水着を――って、あの巨乳でか!?


「体にピッタリとラインがはっきりするほど密着したスク水……そして、それでも押しつぶされそうになりながらも大きさを主張するあの『銀河の果実おっぱい』!」


 ヤバイ……これは想像しただけでもヤバイ! これって、もう立派な『兵器』なんじゃないの? あれ、そういえばこのプールに来る前に――



『えへへー♪ ねぇ、アーくん。女の子が水着に求めるものって何だと思う?』

『女の子が水着に求めるもの……? うーん、露出の少なさ……とか?』

『ブッブー! 正解はその逆でしたー』

『え!? じゃあ、何? 女の子って露出の多い水着を着たいってこと!?』

『アーくん、そうじゃないんだよ……要はね! アーくんに分かりやすく言うと、女の子にとって水着って武器なんだよ!

 つまり、武器は攻撃力が必要だよねー? だから、その攻撃力を求めるために、露出の多い水着に惹かれるの! まぁ、それでも限度はあるけどねー。だけど、水着って普段は着れないからこそ大胆なものを選びたくなっちゃうんだよー♪』

『うーん、よくわからないけど……つまり、女の子はできれば派手な水着が着たいってこと?』

『そう! 特に、見せたい人がいる場合はねー♪』

『……?』



「…………」


 ――てな、ことがあったよな? つまり、桃井さんも『派手な水着』を用意してきたということでは!? だとしたら、この出てくる遅さにも説明がつく! 桃井さんは思い切って『大胆な水着』を着たけど、いざ出るとなって恥ずかしくなり出てこれない……とか!


「でも、あの桃井さんが恥ずかしがるような水着って何だ?」


 まさか『紐』か!? あ、ありえる……だって、あの桃井さんが恥ずかしがるなんてそれこそ『紐』しかないじゃないか! そう『紐』はもう究極の攻撃力最高の水着といっても過言ではないはず! それに、あの『巨乳』に『紐』を合わせてみろよ……それはまさに『攻撃は最大のおっぱい!』と言わんばかりの『可能性』が――



「あ、アーくん。お、お待たせ……待ったかなー?」


「――っ!?」


 き、キタァアアアアアア!

 背中から聞こえるこの声は桃井さんに間違いない……しかも、この声は間違いなく恥ずかしがっている『声』!? い、一体……俺の後ろにはどんな水着姿の桃井さんが――


「だ、大丈夫だよ。別に全然待ってなんか――――」



 その時、後ろを振り向いた俺が思ったのは




 俺の彼女は巨乳だ。




 この一言だけだった。



おわり




おまけSS「地震」



「あ、地震だ……」

「え、ウソー? アーくん、今揺れた?」

「うん、モモは気づかなかった? 結構揺れたよ」

「全然、気づかなかったよ? えー本当に揺れたのー?」

「うん、凄い揺れてたよ」

「ほへー、あ! テレビでやってる……震度3だって! アーくんってこんな地震に気づけるなんてすごいね!」

「いやー、それほどでもないよ……」


(だって、ホントに凄い揺れてたからな……桃井さんの『おっぱい』)







【次回予告】



「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪

 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回  何故かの(???ルート) よろしくお願いします!


「次回はアノ『超人気キャラクター』の番外編よ♪

 じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。今日は『ー』の気分なの。


 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 



















































【パー】



「流石に、あれで【チョキ】を出すほど捻くれてはいないわよ♪」



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