第173話「何故かの(桃井さんルート)2」



 キーンコ~ン、スッカアーン~♪ ← チャイムの音


「――ッ!」 ガタ!


(よし! やっと、休み時間! フッフッフ……苦手な数学の授業の間、私は安藤くんを落とす作戦をずっと考えていたのだよ……さぁ、安藤くん! 君はこの桃井さんが考え抜いたラブラブアターック作戦を耐え切れるかなー?)

 


「ねぇ、安藤くん」

「え……な、何? 桃井さん」

「えーとね。少し、安藤くんとお話がしたいなー……なんて♪」 ニコッ!


(まずは笑顔! ムフフーン♪ どう、安藤くん? このクラスでも人気者の美少女、桃井さんの100%の笑顔だよー? 少しは『ドキッ!』っとしちゃうんじゃないかなー?)


(うわ! また、桃井さんが俺に話しかけてきた!? しかも、笑顔だと!? こ、これは……間違いない。作り笑顔だ! きっと、何か企んでいるに違いない。怖くて胸が『ドキドキ』してきたぜ……よし、ここは丁重にお断りしておこう!)


「え、そう? 別にいいけど……」


(よし、ちゃんと『別にいいけど結構です』って、丁重にお断りしたぞ!)


(んー? 『別にいいけどOK~♪』って、意味だよねー?)


「そう、ありがとう! 実は安藤くんに聞きたい事があったんだ~♪」

「――ッ!?」


(な、何ィイイイイ!? この巨乳、俺が断ったというのに強引に話を進めてきただと!? しかも、既に俺が了承している感じになっている……さ、逆らえる空気じゃない! これがクラスカースト上位者による力だというのか!?)


「へ、へぇ~そうなんだ……聞きたいことって?」

「うーんとね。安藤くんって、いつもどんな本を読んでるのー?」


(【作戦その1】趣味のリサーチ!

フフン! 自分が好きなモノの話なら、きっと安藤くんも饒舌になるよねー♪ そして、私がその話に興味を持てば、今まで自分の好きなモノに共感してくれる相手がいなかった安藤くんは私にコロッと落ちるはず!

 さて、安藤くんが読んでいる本のタイトルは――)



『出会って人妻と絶頂不倫』 ← 安藤くんが読んでたラノベのタイトル(一般)



「「あ」」


(や、ヤベェェエエエエエエエエ――――――――――――――ッ!? 

 俺ってば何で今日くらいは透明じゃないブックカバーを付けて来なかったんだよ! このラノベって表紙もタイトルもメチャクチャアウトな奴じゃん! でも、これって表紙もタイトルもアウトだけど、ちゃんとした一般作品のラノベなんです! 宅配ピザのバイトをしている主人公が、夫の浮気が原因で自殺した人妻(17歳)の地縛霊ヒロインを成仏させる為にヒロインの不倫相手となって、ヒロインを成仏させる為にマフィアから逃げながらヒロインと二人で沖縄の海を見に行くお話なんですよぉおおおおおおおおおおお!)


「あ、あはは……なんか、ごめんね……?」

「いや、桃井さん! 違――ッ!」


「あ、安藤くんも……男の子だもんね……ううん、大丈夫! わ、私……誰にも言わないよー? あ、そうだ。私、先生に呼ばれてるんだったー……うん、じゃあねー?」


「――ぅんだぁ……」 


(俺の学校生活……終わった)



「――ッ!?!?」


(あ、安藤くん……そんなのハレンチだよぉ――っ!?)





【次回予告】



「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。

 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回 「何故かの(桃井さんルート)3」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めたわ。行くわよ!

  因みに、まだまだ続いているわよ【パー】ピックアップデー! なんと2%の確率で【パー】を出しちゃうわ!


 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 



















































【グー】




「2%なんだから、続けて出るわけないじゃない♪」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る