第167話「新生徒会の日常」
「おう、帰りのHR始めるぞ。委員長」
「はい、起立! 礼!」
「「「お願いします!」」」
「じゃあ、連絡事項だな……えーと、連絡事項は特にねぇな。
各自、真っ直ぐ家に帰れ。以上、委員長」
「はい、起立! 礼!」
「「「ありがとうございました!」」」
「しゃあ! HR終ったぜ! 山田、何処寄っていく?」
「モック行こうぜ! モック!」
「オッケーイ!」
「ウェーイ!」
「…………」
(はぁ、やっと今日の学校が終わった。てか、山田は相変わらず超うるさいな……先生が真っ直ぐ家に帰れって言っただろ。よし、俺は山田とは違って真面目だから、真っ直ぐ朝倉さんの家に帰るか)
「朝倉さん、HRも終わったし帰ろうか」
「え、安藤くん。でも、生徒会が――」
「実は、今日発売の『転生したらトカゲの尻尾だった』の新刊、昼休みを利用して買ってきたんだけど……」
「直ぐに帰りましょう! そして、私の家で一緒に読みましょう!」
「よし来た! じゃあ、早速帰ろ――」
「安藤ぉおおおおおおおおおおお! 貴様、今日こそは生徒会に顔を出してもらうからな!」
「……チッ、遅かったか」
「アハハ……安藤くん、新刊は生徒会が終るまでお預けね」
「安藤! 貴様、今日も生徒会をサボって帰ろうとしていただろう!?」
「えーと……何のことでしょう?」
「惚けるな! さっき今、僕がここに迎えに来なかったら帰るところだっただろう! それに、生徒会の活動が始まってから一週間! 貴様が生徒会にちゃんと顔を出したのは最初の数日だけで、昨日も一昨日も顔を出さすに帰ったではないか!?」
「いや、だからあれはちゃんと『今日は生徒会行っても、仕事が無いから休みね』ってメールしたじゃん!」
「僕はそんなメールもらってないぞ!?」
「私はもらったわ」
「ついでに、藤林さんと姉ヶ崎にも送ってるぞ」
「だから、僕しか生徒会室にいなかったのか!? てか、何で僕にだけメールを送らない!」
「だって、石田の連絡先知らないし……」
「あ、安藤……キサマという奴はぁァアアアアアアアアアアアアアアア!
ふ、フン! これが僕の連絡先だ……今度、僕にだけ連絡しなかったら許さないからな!?」
「お、おう……」
「石田くん……」
((つ、ツンデレだ……))
「何をしている! 二人とも、生徒会室に行くぞ!」
生徒会室
ガラガラ~ ← ドアを開ける音
「おひさぁー」
「皆、遅れてごめんなさいね?」
「フン、これでようやく生徒会役員が揃ったか」
(昨日までは安藤が勝手に休みにした所為で、後から来た藤林の二人しか揃わなかったからな)
「あ! 先輩~♪ てか、生徒会長が生徒会をサボるとかマジでウケるんですけどぉ~」
「いやいや、昨日とかは休みってメールしたじゃん? 実際に生徒会ってあまり仕事が無いし、暇な時は休みでいいでしょ? だから、俺は悪くないはず。うん」
「その連絡が僕には無かったんだけどな!」
「それは連絡先を教えなかった石田が悪い的な?」
(てか、藤林さんにメールで伝えたんだから気づけよと……)
「何故、それで僕が悪くなるんだ!?」
「あはは……ほら、石田くんもあまり怒鳴らないでね?」
(まぁ、本当の黒幕は石田くんと二人っきりになりたくて、生徒会が休みになったのを黙っていた私なんだけどね。えへへ……)
「はいはい、安藤くんも石田くんも、じゃれるのはそれくらいにして生徒会の仕事を片付けるわよ。安藤くんが休みにしてたおかげで、生徒会で確認しなきゃいけない資料も少し溜まっているみたいだしね?」
(まったく、安藤くんと石田くんったら、いつもこうなんだから)
「ああ、そうだな。朝倉さん、すまない……みっともない所を見せた」
(うん、朝倉さん。流石はあの会長が後継者にと推薦した人だな! しっかりして皆をまとめるカリスマがあり、判断が早く的確で何て優秀な人なんだ!)
「うん、そうだね。朝倉さん! じゃあ、私と石田くんは来月の体育祭のスケジュール確認を進めておくね」
(やっぱり、朝倉さんって美人でカッコいいな。私もあんな風にカッコいい女性になれたらって憧れちゃうよ……そして、図書室での朝倉さんはやっぱり、私の記憶違いだったのかな? あれ、絶対に別人だよね……)
「はぁ~い。じゃあ、私はー? そうだ! 会計ですし、各委員会の予算確認をやりますね♪」
(うーん。もしかして、この生徒会って……実際には朝倉先輩が影の支配者なぁ~感じ?)
「おぉ……」
(すげぇ……朝倉さんがポンコツしてない!? まるで、本当の完璧美少女みたいだぜ!)
「フフン♪ さあ、皆で訳でチャチャっと片付けましょう!」
(そして、チャチャっと帰って安藤くんと『転生したらトカゲの尻尾だった』の新刊を読むのよ!) スカーン!
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回、何故かの 「お仕事」 よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めたわ。行くわよ!
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
【グー】
「次もまた同じ手かもしれないわよ? フフ♪」
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