第161話「お見舞い」




「俺は『BUMバスト・アップ・マジック巨乳化フォース』を発動! このカードの効果により、朝倉さんのバストを一つ上のサイズにバストアップさせる!」


「スカァアアーーン!」 ← 戦闘力『4000』BPバストポイント


「これで朝倉さんはCカップの攻撃力を得た。この勝負、俺の勝ちだ!」


「ふーん、そうなんだー? でもね、安藤くん……

 それはどうかなー?」


「この声は……桃井さん!? まさか――」


「安藤くん、ヤッホー♪」 ← 戦闘力『53万』BPバストポイント


「戦闘力……53万BPだと……?」

「うん、そうだよー♪ あ、でも、もちろんフルパワーは出す気はないから安心してねー?」


 ビッグバァアアーーンッ!


「うわぁああ――――


 ――――


   ――――


      ――…………





 スカァ~、スカァ~、スカァ~ ← カラスの鳴き声



「ぅ――――……ぁ?」


(ん? カラスの鳴き声……え、もう夕方!? 俺ってば思いっきり寝てたみたいだな……)


「うーん、何だかものすっごい夢を見ていた気がするんだけど……何故だか思い出さない方がいい気がするな……」


(てか、一度寝たら結構体調がスッキリしてるな。この調子なら明日は学校行けるか?)


「とりあえず、熱を一回測ってみるか……」



 ピンポーン♪ ← チャイムの音、 



「ん? こんな時間に来客……誰だろう?」


(どうやら、妹はまだ帰ってきてないみたいだし、仕方ない俺が出るか……)




「で、出たわけだけど――」

「安藤くん、ヤッホー♪」


「何で、桃井さんが俺の家にいるの!?」


「へぇ~、ここが安藤くんのお部屋なんだねー♪」

「しかも、聞いてないし!?」

「もう、安藤くんったら風邪を引いてるんだからそんなに騒いだらメェーだよ?」

「桃井さん、誰の所為だと思っているのかな!?」

「安藤くんったらつれないな~、あ! やっぱり、お見舞いに来るんだったら、私じゃなくてサクラの方が良かったみたいなー?」

「別に、そんな事は言ってないでしょ……それに、朝倉さんからは『生徒会の引継ぎが忙しくてお見舞いに行けないかも』ってメールもらっているからね」


(それに、友達がお見舞いに来てくれるなんてイベント、俺には今まで無かったから少し嬉しい気持ちもあるしな……しかも、桃井さんの場合、お見舞いの特大級メロンが二つも付いてきて目の保養にもなるから超ラッキー♪ って、ダメだな……風邪の所為かなんか思考が変なテンションだ。うん、自重しよう……)


「んー? 安藤くん、頭なんか抑えてどうしたのー?」

「いや、ちょっと熱が出てきたかも……」

「うそ! もしかして、疲れさせちゃったかなー? ちょっと、見せてくれてもいい?」

「え」


 ひんやり~


(あ、ひんやりして気持ちい――って、これ桃井さんのおでこ!? 何で、桃井さんが俺の額におでこくっつけてるの!?)


「うーん? やっぱり、ちょっと熱っぽいかなー?」

「も、桃井さ――うぉ!?」


(おでこをくっつけている所為で桃井さんの顔がメチャクチャ近いから、目を下にそらしたら、た……谷間が!? 制服の胸元を覗き込むような姿勢になってるから、桃井さんのビッグでバァアアーーンな胸の谷間が! 谷間って言うか、これ谷底――いや、奈落! 否――深遠だ!

 思わず見てしまったら目線が吸い寄せられえてしまうほどの深いおっぱいの深遠が俺を除き見ている!? ぐぁああああ! こ、これが――おっぱいフォースのダークサイドなのか!? いかん! こ、このままだと谷間ダークサイドに飲ま――れる……目線を! 目線をおっぱいから放すんだ! 今すぐに目線を放さないと桃井さんに胸の谷間をガン見しているのがバレてしまう!

 う、うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!)


「くっ――はぁ! はぁ、はぁ……」

「ん? え! あ、安藤くん、大丈夫!? なんかさっきより、凄い苦しそうだよ?」

「あはは……大丈夫だよ。少し、フォースの力に当てられただけだから……」

「フォース? まぁ、安藤くんが大丈夫なら安心かなー? 一応、私はサクラに頼まれて安藤くんの体調を見に来たわけだしねー♪」

「え、朝倉さんに頼まれたの?」

「うん、そうだよー♪ 『モモ、お願い! 私の変わりに安藤くんのお見舞いに行ってくれないかしら? 生徒会の引継ぎが多くて、私行けそうに無いのよ……』って言うんだもん」


(まぁ、サクラもー? いくら私が親友だからって、自分の彼氏のお見舞いに他の女の子を送るのはどうかと思うんだけどねー、まったく……少しは心配するべきじゃないの? もう!)


「そうだんったんだ。わざわざ、ゴメンね。桃井さん」

「別にいいよ。だって、私も安藤くんが心配だったからお見舞いに来たわけだしねー♪」

「ありがとう。結構体調も良くなっているし、明日には学校行けると思うから」

「うん、なら良かった! じゃあ、か弱い女の子が男子高校生の部屋にいつまでもいるのは身の危険的に良くないと思うしー? 私はそろそろ帰るねー♪」

「ちょ! 何その意味深な言い方は!? 別に、俺は何もしないからね!」

「うん、分かってるよー♪ だって、安藤くんは『見るだけ』だもんねー?」

「え」


(桃井さん……? それって、まさか――)


「じゃあ、安藤くん。私は帰るねー♪」

「うぇ、ああ、うん……玄関まで送るよ」


(どどど、どう言う事だ!? 桃井さんの今の言葉は一体どういう意味だ!? まさか、あの『胸チラ』はワザと!?)


(えへへ~、安藤くんったら……私の『お見舞いおっぱい』は元気出たかなー? なんちゃって♪)







【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 人気投票4位の委員長よ♪

 さーて、次回の『何故かの』は?」



 桃井さんも帰り、落ち着きを取り戻した安藤くんのもとに新たな刺客お見舞い客が現れた。あまり面識な無いはずの彼女が来たその真意とは……?


 人気投票9位の彼女が驚愕の真実を打ち明ける!


次回、何故かの「ウザい後輩」よろしくお願いします!


「先輩ぃ~元気してますかぁ~? てか、生徒会長になった翌日から風邪でお休みとか……マジでウケるんですけどぉ~♪」


* 次回予告の内容は嘘予告になる可能性もあります。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る