第119話「鉄壁美少女」



「本当に……本当ぉーーーーに! 藤林さんとは何も無いのね!?」

「あはは~朝倉さんったら心配性だな。別に、藤林さんとはただの『友達』だよ。ちょっと、図書室で一緒になっちゃって、話したら意外とラノベの趣味が似てて気があっただけだよ」

「そ、そう……それならいいのだけど」


(安藤くんはこう言っているし……藤林さんは石田くんの事が好きだと思うし、多分大丈夫だとは思うけど――しかし、藤林さんが安藤くんとあんなに気が合うとは予想外だったわ!

 安藤くんはまったく疑問に思っていないけど、あの『ぼっち』の安藤くんが初めて話した相手を直ぐに『友達』認定しているなんて、かなりの異常事態よ! だって、私ですら安藤くんに『友達』認定されるまでかなりの時間が必要だったのだから!?

 それに、藤林さんは私より多少は胸も大きいし、これは私の感だけど……もしも何かの偶然で、私より先に藤林さんが安藤くんと出会っていたら、私と安藤くんの関係は大きく違っていたんじゃないかとすら思えるわ。だって、藤林さんと安藤くんが話している光景は私にそれを思わせるほど、衝撃だったもの……やっぱり、認めたくは無いけど藤林さんは私より多少は胸が大きいっていうのも不安要素の一つなのよね)


「やっぱり、もっと練乳を飲めば……」 ブツブツ

「…………」


(図書室の後、一緒に朝倉さんの家に帰ってから、朝倉さんずっとこんな調子だな……まぁ、確かに自分の彼氏が他の女の子と仲良くしていたから、嫉妬していると言う事なのかな? でも、それにしては怒っているように見えないし、むしろ不安がっているような? 朝倉さんほどの完璧ならぬ、鉄壁美少女ともあろう御方が一体何を不安がるんだろう?)


「朝倉さん、もしかして俺が藤林さんを好きになるとか思っている?」

「はへぇっ!? そ、そんなこと思って無いにょよ!」

「……思ってたんだ?」

「うぅ……だ、だってぇ~安藤くんがあんなに楽しそうに話していたんですもの……」


(まったく、本当に朝倉さんは可愛いな。しかし、藤林さんって話は凄い合ったけど……あれは『異性』というよりも『同士』に近いんだよな。確かにおっぱいは大きいけど、そんなのは俺の彼女にだってシェン○ンに頼めば何とかなる事だし……そもそも、俺が朝倉さん以外の人に浮気なんてありえないんだよな。でも、そんな事を言っても朝倉さんの不安が取り除かれるとも思わないし……さて、何て説明すればいいのか?)


「朝倉さん、安心して。ほら、前に朝倉さんが俺に――

『一番好きなラノベを一つだけ選ぶとしたら何?』

 ――って言われて俺が答えた作品覚えてる?」


(確かこの会話は数日前したから、朝倉さんなら覚えているはず……あれだよ! メインヒロインが貧乳の――)


「ほえ? えーと、確か……『文学喪女』だったかしら?」

「そう! もう完結しちゃってるけど、俺が一番好きでどんな作品が出ようと俺の中の一位はこれだね。って答えた作品! 覚えてるよね」

「ええ、確か数日前の会話だもの……」


「俺にとって朝倉さんをラノベに例え得るならそれだよ!」

「ぅみゅ!」 ズッキューン! ←ラノベ好きのハートに何かが刺さる音


「俺にとって朝倉さんは『文学喪女』だ! どんな女の子がいようと、朝倉さん以外の彼女なんて俺にはありえない!」

「は、はにゃ~~じゃ、じゃあ……藤林さんはラノベに例えたら何?」

「え? うーん、藤林さんは……」


(あ、あれだな! メインヒロインが巨乳の――)


「『異世界棋士のなんつって経営術』」


「それって確か異世界に転生した棋士が現代の適当な知識と将棋の戦術と話術で、ヒロインが経営するボロボロの喫茶店を繁盛させる『なろう』で書籍化もされたコメディー作品よね?」

「うん、なんていうか……こう、凄い面白い! 凄いカタルシスがある! って、わけじゃないんだけど、毎回最後のページまで楽しめて読めるし、新刊が出たら何の躊躇もなく買っちゃうような……万人には受けるわけでないけど、地味に自分は買っちゃうな~みたいなラノベ?」

「あ、あーなるほどねぇ~……確かに、それなら大丈夫そうね。

 つまり『好き』だけど『好き』のジャンルが違う……つまり『ライク』であるけど『ラブ』では無いってことでしょ?」

「そう、それ! 俺にとって藤林さんは完全な『同士』で異性とか思う余地はまったく無いんだよ。多分、それは藤林さんも同じだと思うな」

「はぁ~それを聞いたらなんか安心したわ……」

「あはは、俺も朝倉さんの誤解が解けて良かったよ」


(これで、朝倉さんが変な事を気にする事も――)


「ところで……安藤くん、例えで出たラノベだけど、私のヒロインは『貧乳』で、藤林さんのヒロインは『巨乳』なのは――何か意味があったりするのかしら?」


「そ、それは――」


(あ、ミスったかも……)






【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。

 さーて、次回の『何故かの』は?」



「朝倉ママ、無双する」


「朝倉パパ、散る」


「朝倉さん、堪能する」



の三本でお送りいたします。次回も『何故かの』をよろしくお願いします!


「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」


* 次回予告の内容は嘘予告になる可能性もあります。


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