第117話「『D』を超える者」
「藤林さん、ゴメン……」
「あわわ……安藤くん、名前を忘れてたくらいでそんな落ち込まなくてもいいから! それに、さっき言ったとおり、私って石田くんと一緒にいる事が多いからどうしても影が薄くなっちゃうの。だから、さっき見たいなのは日常茶飯事だよ」
「ああ、石田って良くも悪くも目立つ奴だからか……」
「うん、そうそう。安藤くんも朝倉さんと付き合っているんだし似た経験あるでしょ?」
「まぁね……てか、俺が朝倉さんと付き合っているのって藤林さんのクラスにも知れわたっているの?」
「当然だよ。朝倉さんほどの人が付き合い始めたなんて大ニュース、むしろこの学校で知らない人いないんじゃないかな? だって、一時期はお昼の校内放送で流れてたしね」
「マジか……昼休みはいつも外のコンビニに言ってたから知らなかった」
「てか、安藤くん。お昼休みに校外に出るのは禁止だよ……?」
(そんなものは知っている。しかし、そんなルールなど学校に居場所の無いぼっちの前には無力なのだ)
「むしろ、俺が生徒会長になったら真っ先にそのルールを変えて、お昼休みはコンビニにいけるようにするね」
「うわー、すっごい職権乱用だね……これは確かに、石田くんが嫌いそうなタイプだ……」
「そういう藤林さんは俺のこと軽蔑はしないの?」
(そういうわりに藤林さんからは石田みたいに俺を敵視する雰囲気は見えないんだよな)
「うん、私は確かに石田くんを応援しているけど……だからって、石田くんと考えが同じってわけじゃないし……それに安藤くんだって石田くんが苦手なタイプなだけで、いい人かもしれないでしょ? なら、私がそれを石田くんに教えてあげるのが私の役目だから」
「へぇー」
(一見、大人しそうに見えるけど……藤林さんって石田と違って頭ごなしに否定しないし、心とおっぱいが広い人なんだな……流石は『D』を超える者だぜ!)
「因みに、藤林さんはどうして図書室に? 石田と選挙活動とかの予定は無いの?」
「うん……石田くんはまだ予定があるみたいなんだけど……
『後は僕一人で大丈夫だ。藤林は先に帰ってくれ』
――って……でも、どうせ暇だから石田くんの用事が終るまでここで本を読んで待っているんだ。むしろ……安藤くんの方こそ立候補者本人なんだから選挙活動はいいの?」
「俺は委員長――っていうか……こっちの参謀に『アンタは顔を売る相手もいないんだから、校内ぶらついて顔を覚えてもらって来い』って、厄介払いされちゃって……それで、開き直って図書館でサボるところかな? まぁ、藤林さんと同じだよ」
「えぇー……全然同じじゃない気がするなぁ……でも、本当に今のうちに顔を売っておかないと選挙で勝つのは厳しいよ?」
「それなら、大丈夫! いまここで藤林さんに顔を売ったから!」
「私に売っても意味無いよね!?」
「「……プッ、あはは~」」
(しかし、なんだろう……俺と藤林さんってこうして話すのは初対面なのになんか異様に話しやすいな……何でだろう?)
(なんだろう……私ってあまり他人と話すのって苦手なんだけど、安藤くんとはいつの間にか打ち解けてる……何でだろう?)
「でも、藤林さんって図書室は良く来るの?」
「うん、しょっちゅうじゃないけど、朝のHRが始まる前とか、生徒会の用事が無い時とか……あとはたまにお昼休みにも利用するよ。安藤くんも?」
「そうだね。俺は朝は使わないけど……たまに昼休みとか、あとは基本放課後に来る事が多いね。やっぱり、図書室って友達がいない俺にとっては軽い避難所みたいな所があるから」
「あ、その感じ分かるかも……私も石田くん以外にクラスであまり話せる子いないから、石田くんがいない時はつい図書室に避難してるよ」
「じゃあ、同じだー」
「うん、同じだね~」
((あ、そうか……この人も『ぼっち』なんだ))
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。
さーて、次回の『何故かの』は?」
ついにサービス再開となったライトノベルRPGソシャゲ「らのべファンタジア」
待ちに待ったサービス再開に安藤くんは星5のラノベが2冊以上出るまでリセマラすることを誓うが……
果たして、安藤くんは無事に星5のラノベを引き当ててリセマラを終了することができるのか!?
次回、何故かの 「緊急メンテ」 よろしくお願いします!
「天丼・カツ丼・親子ドーン!」
* 次回予告の内容は嘘予告になる可能性もあります。
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