第111話「おっぱい震度」




「生徒会長に喧嘩を売ったぁああああああああああああああああああああああ!?」


「ゴメンちゃい!」 テヘペロ♪

「テヘペロ♪ じゃないわよ! アンタぶっ殺すわよ!? 委員長の私が山田と一緒に安藤くんの支持率を上げるために宣伝とかしている間に、どうしてそんな事になっているのよ!」

「いや~……マジで何でだろうね?」

「アンタ本当に選挙で勝つつもりあるの!?」

「いや、むしろ……これ俺が勝つ以外に道がもう存在しないんじゃないかな? てか、委員長。いくらここが放課後の空き教室だと言っても、流石にさっきから大声出しすぎじゃね?」


「一体、誰の所為だと思ってるのよぉおおおおおおおおおお!」


(おお、今日一番の『おっぱい』の揺れだ。うん、おっぱい震度7はいったな。これは委員長の奴、相当怒っているぞ……)


「あれ、そういえば山田は?」

「はぁ、はぁ……山田ならまだ掲示板に貼ってないポスターがあるからそれを書く場所に張ってもらっているわよ」

「じゃあ、作戦会議は山田が帰ってくるまで待つ?」

「山田なんていなくても結果は変わらないわよ。むしろ、いない方が話しがまとまりやすそうな気もするわ……」

「じゃあ、先に始めるか」


(実際に選挙の締め切りが昨日で終了し、今日から選挙活動期間のスタートだ。各立候補者の生徒は9月の下旬まで授業時間以外の選挙活動が認められる。活動は立候補者の自由でポスターを貼るもよし、校庭で各生徒に向けて演説をするもよし、または各委員会や部活へのアピールとして各方面へのあいさつ回りと人によってそれぞれだ)


「で、問題は俺達『ぼっち陣営』はこの放課後の時間でどんな選挙活動を行うか? だが……委員長、どうしたらいいの?」

「まさかの丸投げ!? まぁ、薄々そうなるのは分かっていたけど、少しは貴方も考えなさいよね……因みに、安藤くん。この選挙活動で一番大切なのは何か分かるかしら?」

「?」


(選挙活動で一番大切なこと? なんだろう……『アピールするおっぱいのサイズ』かな? やっぱり、選挙活動する女の子の『おっぱい』が大きければ大きいほど――


『うーん、誰に投票しようかな~~立候補者の名前と顔なんて覚えてないよ~~

 あ! そうだ。あの時おっぱいが大きかったあの子にしよう!』


 ――てな、感じで投票してくれる男子っていそうだもんな)


「やっぱり、アピールのサイズか?」

「んん? アピール? サイズ……?」


(あれ、この反応は違うのか?)


(ああ、選挙活動の規模ってことね)


「うーん、惜しいけど違うわね」

「じゃあ、応えは何なんだよ?」

「応えはアピールをする相手よ!」

「相手?」


(つまり、おっぱいをアピールする相手か?)


「そうよ。まず分かりやすく説明する為に、朝倉さんと副会長を支持してる生徒の内容を説明するわね」

「そんなのいつの間に調べたんだよ?」

「貴方が生徒会長に喧嘩を売るなんてバカな真似をする前よ! まず、朝倉さんのだけど……朝倉さんの場合は支持率の半分が現生徒会長を支持する三年の男子生徒が中心よ。もう半分はこれも男子が多いけど比率的には一年が中心ね」

「つまり、二年の生徒の支持率はそんなに無いのか?」

「まったくと言っていいほどじゃないけど、三年、一年に比べたら少ないわね」

「…………」


(それはやっぱり、生徒会長が言っていたように俺の存在で同学年の生徒の支持率が著しく減少していると言う事なのだろう……)


「それを補う為に朝倉さんの勢力はまず生徒会長の協力を得て、三年生を中心に選挙活動をしていく見たいね。放課後も三年生の教室を先に回っているみたい。どうやらまずは確実に取れている支持率を固める方針ね」

「副会長は?」

「副会長の方は対照的に下級生の支持率と目に見えて女子生徒の支持率が圧倒的に多いわね。やっぱり、何処かの冴えない『ぼっち』よりもクールなインテリ眼鏡の方が需要はあるのよね」


(あれ、今俺さりげなくディスられなかった?)


「あと、選挙活動はまず運動部の部活を中心に行っていく見たいね。やはり、男子生徒の支持率が少ないのを気にしているのよね。だから、男子が多くて多くの生徒が入っている運動部の支持率を集めようと動いている筋があるわ」

「なるほど……それで最初に言っていた『(おっぱいを)アピールする相手』ってのが重要になるのか?」

「そうよ。例えば、これから私達が選挙活動をするに当たって、朝倉さん達と同じ『三年生』を中心に選んで選挙活動を始めたら支持率は得られると思う?」

「うーん……」



 安藤くんの妄想 ↓


『よーし! 委員長のおっぱいをアピールして三年生の支持率を集めるぞー』

『皆、投票してね☆』 バイーン!


三年生『うぉおおおおおおお!』


『ふふん! こっちにはモモがいるんだから!』 スカーン

『皆ー、投票してねー♪』 ビッグバァーーーーン!


三年生『はぁ~~~~い♪』



「なるほど、勝ち目が無いな……」

「でしょ? どうやら、安藤くんにも理解が出来たようね。つまり、アピールする対象が被ると上手い効果は望めないのよ」

「って、ことは……俺達は朝倉さんや副会長が目をつけていない勢力から選挙活動を始めるべきなのか? でも、それって何処だ?」

「まずは『文化部』を中心にアピールするわ」

「ぶ、文化部?」

「ええ、文化部は生徒数が少ないから朝倉さん達や副会長が優先的に宣伝にくるとはまず思えないわ。だけど、文化部に在籍する生徒の数は全校生徒の30%これは私達にとって選挙活動をする中でアピールする相手が他の候補者と被らない中でもっとも大きい勢力なの。だからこそ優先的に放課後は各文化部を回って支持率をかき集めるわ!」

「全校生徒の30%か……確かに先に文化部を回って支持率を取れたら、全部とは言わなくてもその20%でも取れたら大きいもんな!」

「ええ、それに選挙活動で先に回る相手は印象に残りやすいから上手くアピールできれば他の立候補者に奪われることも無いわ」

「委員長、ありがとう! やっぱり、委員長に協力を仰いで正解だったよ!」

「きゃ! ちょ、あ、安藤くん!?」


(ヤダ、安藤くんったら、いきなり私の手を握って……そそ、それに急に詰め寄るから何だかこれ『壁ドン』みたいな感じで変に意識しちゃうじゃない……)


(あれ? なんかこの体勢……はたから見たら俺が委員長に言い寄っている的な感じに見えねぇ……? いやいやいや! 何を俺は委員長なんかに意識してるんだ……こんな姿誰かに見られたらマジでヤバイ)


「っと、なんか……ゴメン」

「い、いいえ……私も急に驚いただけで」


(え、何? 委員長のこのまんざらでも無さそうな反応! てか、委員長の癖にそんな顔を赤くして黙るなよ! な、なんか……委員長って『おっぱい』が大きいだけかと思ったけど意外と――)


 ガラガラ~ガタンッ! ← ドアを勢い良く開けすぎて外れる音 


「ウェエエエエエエエエエエエエエエエエイ! 皆ーーーーっ! 大人気者の山田様がポスター貼りからご帰還なさったぜぇえい! さぁあ、俺を崇めよ! 5枚ポスター貼る中で3箇所しか掲示板が分からなくて最後2枚ほど適当な場所に張っちゃったけど、最後までこの任務を完遂した山田様を崇めろ! 称えろーーい!」


「「や、山田ぁああああああああああああああああああああああああ!」」





 その頃の朝倉さん


「ねぇ、サクラ」

「モモ、何かしら?」

「確か……委員長って安藤くんの推薦人なんだよね?」

「そうよ!」

「選挙期間の間、安藤くんと二人っきり……大丈夫かなー」

「大丈夫って何が?」

「いやー……だからね?」

「なんか良く分からないけど、安藤くんならきっと大丈夫よ!」 スカーン!

「まぁ、サクラが心配してないんなら大丈夫なんだろうけどねー」







【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。

 さーて、次回の『何故かの』は?」


「こんにちは、安藤です。俺は今――何故か、体操服にブルマ姿の女の子を引き連れながら生徒会室に向かって移動しています……いや、何でこうなった?」


次回、何故かの 「スネーク」 よろしくお願いします!


「安藤くん! 貴方には私に協力してもらいますわよ!」 


* 次回予告の内容は嘘予告になる可能性もあります。

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