第100話「覚悟」
「安藤くん! ゴメンなさい。ま、待ったかしら……?」
「大丈夫、俺も今来た所だよ。朝倉さん」
(うぉ……今日の朝倉さんはいつにもまして凄い美少女だな。久しぶりの『デート』だからオシャレしてるのもあるんだろうけど、顔も服も雰囲気も何もかもが可愛く見えるし、心なしか『おっぱい』も普段より大きく見え――
てか、普通に何か入ってるなこれ……多分『
「そう、なら良かったわ!」
(昨日は思わず安藤くんに不安をぶつけちゃって……もし、安藤くんに愛想を尽かされて『朝倉さん、別れよう』なんて言われたらどうしようと思ったのに……
まさかの!
『デートしよう』
安藤くんからのデートのお誘い! これはもしかして私達急接近フラグかしら!?)
(思い返してみれば夏休みだというのに『彼女』である朝倉さんを自分からデートに誘っていなかったな。本来なら『彼氏』の俺が朝倉さんの気持ちに気付いて、自分から行動を起こさなければ行けなかったのに……行動したのは妹に言われたから、プールに行ったのも桃井さんや委員長がいたからだ。その上、朝倉さんが悩んでいた事にさえ、朝倉さん自身に気付かされてしまった。
だからこそ、この夏休みの最後くらいは……『最高のデート』を朝倉さんにプレゼントするんだ!)
「朝倉さん」
「っ!?」
(まず、デートは男の俺から手を差し出すべきだよな)
(え、うそ! あ、あの……安藤くんが自分から手を出して私の手を握るなんて……やっぱり、今日の安藤くんは何処か違うわ。そう、まるで決意を固めた『なろう』の主人公のような目をしているわ!)
「じゃあ、行こうか?」
「うん!」
「それで、安藤くん。今日のデートは何をするのかしら」
「うん、まずは映画でも見に行こうと思うんだけどどうかな?」
「いいわね! 映画って、ことは……行き先はこの大型ショッピングセンターの三階の映画館ね」
(まず、デートの定番と言えば『映画』だよな! 前に朝倉さんと『SAO』の映画を見た時も盛り上がったし、ちょうどいい事に今公開中の映画で、俺と朝倉さんが好きな作品もある)
「それで良かったら今映画も公開してる『ノーライス・ノーライフ』を見ようと思うんだけど、朝倉さん知ってる?」
「知ってるわ! 『ノーライス・ノーライフ』って言えば大人気ライトノベルじゃない! 私も映画化されたって聞いたから実は見たかったのよ!
たしか、主人公である農家の主人公が引きこもりの妹と一緒に異世界に飛ばされてしまうのよね。そして、その世界では『パン』が全て! 全ての食事は『パン』を中心として成り立ちその世界に『お米』は存在しなかった! でも、主人公の引きこもりの妹は根っからの『お米派』でこのままだと妹は『お米』が食べられずに餓死してしまう! 主人公のお兄ちゃんはなんやかんやで手に入れたチートスキル『炊飯ジャー』を使い、そんな妹を救う為に異世界で『お米』を作って異世界の『パン派』の敵を秘蔵の『あきたヒカリ』で次々とお腹一杯にさせていくお話よね!」
「そうだね。なら、よかった。ちょうど今の期間は来場者特典でオリジナル漫画と小説がもらえるんだよ」
「なら、なくなる前に行きましょう!」
「朝倉さん、まだ公開はされたばっかりだから、特典小説はそんなすぐには無くならないよ」
(うふふ、何て楽しいのかしら! 今日は最高のデートになる気がするわ♪)
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