第61話「初めてのデート」
「あ、安藤くん、やっと来たー」
「ゴメン、五分前には付くようにしたんだけど……」
「もうー、デートは女の子を待たせちゃ駄目なんだからねー」
「え、これってデートなの?」
「だって、そうでしょー? 女の子と男の子が一緒に映画を観に行くんだから」
「まぁ、そうか……?」
(しかし、そうなるとこれは俺にとって何回目のデートになるんだろう……朝倉さんと本屋に行ったのはただのお詫びだったからノーカンだろ? じゃあ、朝倉さんのテストのご褒美でショッピングしたのが最初のデートか? それからは肝試しをやったくらいだから、これは俺の人生で二回目のデートなのか。
てか、最近、美少女と出かける機会が多すぎだろ……俺、ただの平凡な『ぼっち』だよ?)
「ゴメンゴメン、じゃあ、映画見に行こうか……桃井さん」
「うん! 今日はよろしくねー、安藤くん♪」
(今日は私の人生で初めてのデート、まさかその相手が安藤くんになるとはねー。サクラ、ゴメンね? 今日は安藤くんを貸してもらうよー)
「安藤くん、行こうー♪ 今日は二人だけのデート楽しもうねー?」 もにゅ
「ちょ! もも、桃井さん!?」
(むふふー、安藤くん私に抱きつかれて焦ってるー♪)
(胸が! 朝倉さんには無い感触とボリュームが!)
(まぁ、その結果……戻ってくるかどうかは安藤くん次第だけどねー♪)
「安藤くん、もしかして照れてるのー?」
「だ、だって……そんな抱きつかれたら、む、胸が……」
「むふふー、安藤くんさえ良ければ……私はいいよ?」
「え、桃井さん。それって……」
「ねぇ、安藤くん。良かったら私と――」
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「それは駄目ぇええええええええええええ!」 ガバッ!
チュンチュンチュン
「夢か……」
(はっ! で、でも、本当にモモが安藤くんの事を好きだったらどうしよう……もしかして、これは正夢!?)
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