第113話 車
ホテルの従業員用駐車場は狭い、4台停められるのだが、シフトの入れ替えの時は数十分だけ6台から8台のスペースが必要になる、当然、そんなことは考えてない。
だから、ホテルの脇の農道に停めることがある。
彼女が送迎の時には、僕の車を目にすることがあるのだろう…。
「車を見るとね、顔を見たくなるよ、お話したいよ」
彼女のメールに応えることができない。
どうしていいのかわからない。
僕の好意は、彼女を困らせるだけ。
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