第94話 ヒマな日

 今日はホテルに客がいない。

 彼女は出勤しているはずだが、客が少なく他の嬢も出入りがほとんどない。

 彼女にしてみれば困るのだろうが、僕は少しホッとする。

 何も考えなくていい、ただ淡々と空いた部屋を掃除すればいい。


 そこが汚れていようが…臭かろうが関係ない。

 何も感じることが無い。


 強いて云えば、こんな体臭のキツイ男に呼ばれなくて良かったとか…。

 こんな部屋の使い方をする男に呼ばれなくて良かったとか…。


 映りの悪いモニターに知らない嬢が横切って行く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る