第4話

キーンコーンカーンコーン


完全下校の時間に鳴るチャイム。


いつもよりものんびりと図書館で過ごしてきたから、きっと君とは同じバスには乗れない。


挨拶ができなくても、せめて同じバスにぐらい乗りたい。


「はぁー」


思わず誰もいない下駄箱で吐いたため息は響いた。


「大きなため息。」


どこからが聞こえてきた声、その主は…


「今帰り?」


隣の下駄箱からひょいっと、顔を見せてきたのは、やはり君だった。


思わず嬉しい気持ちと、焦る気持ちがあって


「は、はい…」


なんて、可愛くない返事をしてしまった。


君はいつもよりも大きめに


クスッと笑った。


「ねぇ、同じバスだよね。一緒に帰ろうよ。」


ちょっと暗く、静かに君は言った。


どこか寂しそう。


私はさっきと同じように


「はい。」


とだけ答えてしまった。

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