第3話
それから君はすれ違う度、
「〇〇さん」
と、呼んでは私の反応を伺ってきてはクスッと笑い、何事も無かったように通り過ぎて行っていた。
私はビックリした反応しか出来ず、未だに君の名前を呼んだことがない。
君は号令と同じぐらい簡単に私の名前を呼ぶ。
私は挨拶すら出来ないのに。
君の名前を呼びたいけど、到底できる気配などない。
だけど、それは今日の放課後までの話。
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