第2話

今日はクスッと笑われるだけで終わってしまった。


一人で勝手に落ち込みながら帰宅していた。


バスの閉まる音がなった瞬間、


誰かが、真っ赤なスニーカーが飛び乗ってきた。


「すみません!」


君はちょっと恥ずかしく笑いながら


今日は、九月が終わるというのにまだ暑い。


恥ずかしがりながら、少し汗ばんだ顔をタオルで拭き、私の座る席の上の吊革を掴んだ。


突然、


「あ、〇〇さん…」


「え?!」


上から君の声が降ってきた。


私はあまりにもビックリしてしまって、


口を開けたまま止まってしまった。


動いているのは君を感知してドキドキさせている心臓だけ。


そんな私を見ながら君は、朝と同じように


クスッと笑った。

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