第97節 イミテーション・ゲーム
ゴールデンウィーク
こなしている
机に向かってノートにシャープペンシルを走らせている黒髪ロングツインテールな
「……あーあ、
そんな言葉に、高校二年生の
「
「……
そんな風に
「でも、
「……中高生にとっては必要って、なんでなんだろ? そもそも
そんな
「
――おお、
俺はそう
「ってことは、クレジットカードを持っている
すると、
「……なにそれ、お姉ちゃんがクレジットカード持ってるなんて今初めて聞いたんだけど。
――あ、やべ。
そう失言に気づいたものの、後の祭りであった。
俺は
「いや、しょーがねーだろ。
妹は相変わらずジト目で俺を
「……ぷー、
すると、
「そんなん、ウチだって欲しいわ。っていうか、ほぼ無制限にお金使えるカードなんて、世界中のほとんどの人間が欲しがると思うで」
「いや、一応月いくらまで使えるかっていう限度額は設定しているからな、無制限じゃねーぞ。それにクレジットカードって18歳以上の成人しか作れねーからな」
俺が
俺は言葉を続ける。
「俺が今持ってるのはデビットカードだけど、こっちも高校生にならねーと作れねーんだよ。
「……ホント? 約束だよ、お兄ちゃん」
「ただし、上限金額は設定させてもらうぞ。高校生になってから、ひと月に何百万円も使われたらたまらねーからな」
俺がそう返すと、すかさず
「
「あー……それも無理なんだよ。
そう返すと、
「なんよそれ。せやったらウチもいっそのこと
すると、
「……
「ちゃうわ!
――やっぱ、俺と
俺がそんなことを思っていると、
「……そういや、お
「ああ、それは
「……見る」
「ほら、これがお
そう言いながら俺が見せたそのスマートフォンの画面には、305
その
「……おお、ステータスオープンだね。お
「ステータスオープン? ああ、ゲームの話か」
俺がそんなことを返すと、気を取り直したのか
「うっわぁー……高校二年生で
「え?
スマートフォンをかざしながら冷や汗をかきつつそんなことを言うと、
「上いーひんやろ」
「……上、いないと思う」
――あ、やばい。話題を変えないと。
そんなことを思った俺は、新しい中学校に四月から通っている
「それより、
すると、
「……最初は色々とかまってくれたんだけど、なんだか一か月くらい
――
そんなことを思った俺は提案する。
「じゃあ、またいつか
すると、
「……それはちょっと
――クラスメイトから、一人だけテーマパークに誘われない
俺はそう
と、そこで出入り口の扉の方から電子的な音がした。
ピンポーン
俺の部屋の入り口付近にある入室ボタンを誰かが押したようであった。
「
「はーい、どうぞ」
俺がそう
胸の部分が大きく
住み込みメイドの
俺たち三人が床の上にて勉強机を囲んでいるすぐ近く、
そして、落ち着いた
その途中で、ティーカップに揃えて机の上に置かれた、どろりとした赤いものが入った小皿を見て
「……あれ? この赤いの何? ジャム?」
すると、エプロン姿で膝をついた
「ええ、ロシア
「……おお、
「わたくしは皆さまに、おもてなしの心をもって接してるだけですよ」
――
俺がそんなことを思っていると、
「……
「ごめんなさいねぇ、
俺は心の中でこんなことを考える。
――高校二年生になった俺が、高校一年生になった
――本当に、現実は思い通りになんていかねーな。
勉強机の上にティーセットを揃えて、ポットから紅茶を注ぎ終わった
「……
「え? ええ、こうかしら?」
そう言って、
続けて、
「……じゃ、ちょっとバンザーイってしてみて」
「こうかしら……? バンザーイ」
そう応えて、
ぎゅっ
すると座ったままの
――おい、ちょっと
スタイル
「……思った通りのふかふかな
「あらあら、
「ちょっと
すると、
「あら、
そして、相変わらず
「……お父さんもお母さんも近くにいないからね、今の
すると、
「なんだったら、お母さんの代わりだと思ってくれてもいいのよ?
そんな
「……こう言ってくれてることだし、お
「しねーよ!」
俺が
「あら、
俺は
――いま
――「
そのときの俺には、
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