第91節 ウォールフラワー
俺が学校中の
体育館でいかにも高校らしい卒業式が
少し
以前、部活動の振興費として
「やあ、
「へ? 別にいいですけど。どうしたんですか?」
「どうしてもお礼をいいたくてね。君のその強運を少しばかり分けてもらったお礼をね」
「お礼って……なんかいいことでもあったんですか?」
――
俺が心の中でそんなことを思っていると、身長が181センチある
「君が宝くじで当てた300億円に比べたらたいしたことじゃないんだけど、
――それ、俺の力じゃないと思いますが。
「いえ……それは
俺が軽く見上げてそう上級生の顔を立てると、
「あー、やっぱりそう思う!? あはは、まいったな! おれ、
――相変わらず、空気読まねーな。
ちょっとだけイラっと来たが、今日卒業式を迎えた先輩にそう
で、せっかくだからと俺と
茶髪の向かって左側にお団子を結ってサイドテールを垂らした、天然ゆるふわ系女子の
「
そして、頭に
「
いきなり両サイドから二年生の女子に抱きつかれ、俺は困惑する。
「え? え? いきなりなんですか? そんなの急に言われてもすんなりとは聞けませんよ!」
俺が上級生に対して精一杯の反抗をしていると、
「いいから、いいから。お
そして、反対側から密着した
「うるさいですね……。下級生であるあなたは黙って生徒会執行部の言う事を聞いていればいいんです」
女子二人に連行され、建物の陰に隠れてから当然のように俺たち三人は
そして、卒業生である
――同じクラスの
釣り目でいかにも強気な見た目なギャルの
どうやら、これから
俺と一緒に
「あのギャル、男を見る目がありませんね。あんな外見だけの薄っぺらな男に
すると、同じく
「そーかなー? 確かに薄っぺらなところはあるけど、たまにポケットからお菓子をくれる親切な近所のお兄さんって感じだと思うよ?」
――
そんなことを心中で密かに思っていると、
「でも、
その
――まあ、確かにぺったんこだけど。
――まさか、それだけで振らないよな?
すると、俺たちの視線の先で背の高い
どうやら、
その後、
そして、物陰に隠れていた俺と
「えへへ、あーし、振られちゃった。せっかくタッちゃんにホワイトデーの
そして、強気そうなギャルである
――タッちゃんというのは、名字が
――ちなみに
「あんな見かけだけの男に振られたことなんて気にしない方がいいですよ、絶対」
「そーだよー! 気にしない、気にしない! 勇気を出してよくやったよ!」
先輩二人がそんなことを言うので、俺も
「えーっと……多分、
すると、
「えへへ、ありがと。やっぱハナっちの言う通り優しいね、タッちゃん。あーしのことは
「いや、それはさすがに色々と……じゃあ、
俺が遠慮しながら
「ま、次は好きになる相手、
俺は返す。
「ああ、俺も
「タッちゃんも、また二年生で同じクラスになったらよろしくね」
その場に残され、俺と一緒にいた
「しかし、あの男も
「それはわからないけど、他に好きな女の子がいたのかもしれないよ? もしかしたら、
――もし、同じギャルでも相手が
――
そんなことを思ってから、ふとした疑問が沸き上がる。
――そういや
――この
この
――いやいや、ねーよな。
――あいつとは男女の幼馴染同士っていうより、親友同士って感じだし。
――この前の、
そんなことを、
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