第89節 スキャンダル
大学生の
俺は高校生なので、自分で
ちなみに
「うん、今日のお
「今日もお
両手を下で重ねたまま
「
俺は返す。
「え? あぁ、はい。いつも父さんがご飯を作ってくれた母さんに
「ふーん……そうなんだ。天然モノか」
――天然モノ?
そして、こんなことを
「
すると、メイドとしてテーブルの傍らで命令を待機していた
「そうですね、わたしもそう思います……。
――いや、
俺が心の中で声にならない
「……そういや、お父さんはお母さんに
すると、
「そりゃそうよ?
「……イタリア料理? なんか難しそう」
「あはは、ごめんごめん。難しくないわよ、ただのパスタ。
「……おお、それならできそう。やってみる」
「
すると、
「お
そして、
「ぼくも
「……うん、
「お
「ふふふっ、まーね。お
そんなことを言う
――
――
――
――案外、正しく評価できねーもんなのかもしれねーな。
そんなことを、なんとなく考えていた。
夕食が終わって、
「……良かったら
「おっ、いいわねー。あれ? でも、
「じゃー、
「へ? 別に構いませんけど」
俺がそう応えると、
「お、お兄さんといきなり裸のお付き合いですか……ちょっと早い気もしますけど……お
――いや、そういう顔を赤らめる場面じゃないぞ、
――単に、男子高校生が男子中学生を自宅の風呂に入れてやるだけだ。
俺が当惑していると、
「
「いや、するわけないですよ……
俺がそう返すと、
「……っていうか、本当に
「ついてるかどうかって……一緒に風呂まで入っておいてついてなかったら大惨事だろそれ」
俺が呆れ顔でそう返すと、
「あの……ええと、ちゃんとついてます。お兄さん、心配しないでください」
そんなことを言われてから、風呂が長くなるであろう女子二人より先に、ちょっぴり不安と期待を抱いて
結局その日の夜は、リビングでリバーシやトランプなどのゲームなどをした後は
で、翌朝に俺は、自分のベッドの上で体を震わせながら目を覚ました。
――寒い。
――あれ? 掛け布団が体にかかってない。寒いわけだ。
俺がウォーターマットの上で自分の身を触ったところ、昨日の夜、確かに体に掛けたはずの、
パジャマを着た
――姉ちゃんか。
――酔っぱらって夜遅くに家に帰ってきて、寝ぼけて俺のベッドに
俺はウォーターマットの上で上体を起こし、すぐ隣で人の形を浮き上がらせて寝ころんでいる、布団をかぶっている姉ちゃんと思しき物体を揺する。
「ちょっと、姉ちゃん。ここ俺のベッドだぞ、自分の部屋で寝てくれよ」
しかし、その女性だと思われるふにふにした柔らかい物体は俺が
「ちょっと、姉ちゃん。いいかげんに起きろよ――!」
バサァッ
布団をひっぺがしたそこには、
しかも
「ってうぉぃぃぃぃい!」
不意なイベントに俺がそう叫ぶと、横向きになっていた
「う……ぅうん」
どたぷんっ!
――でっっっけえ!!
「ちょっと
俺がそう
「……ふぇ? あれ? ここどこ? あなたはだれ?」
どうやら
「
すると、俺の説明にだんだん頭がはっきりしてきたのか、
そして、パンティー1枚のまま女性らしくぺたりと座った格好になって、その
「あー、そうでしたそうでした。昨日の晩は
「いや、それでなんでここに
俺がそう尋ねると
「えーっと、それはですねー。わたくしは酔っぱらった
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しかし、
「いや、それより服!
ピピッ カシャッ
俺の
俺がシャッター
そして、
「
「
俺が
「ちょっと、ひーちゃん、
「ごめんお姉ちゃん! でもぼくだって、大好きな男の人の命令には逆らえないんだよ! わかって!」
――
「あらあら、うふふ。
口元に手を当ててそんなことをのんびりと言いながら、
――いや、誰のせいでこんなことになってると思ってるんですか。
部屋のベッド下をよく見てみると、出入り口からベッドに向かって、ベージュ色の上着、白い靴下、黒いズボン、濃い紫色のシャツ、薄紅色のキャミソール、大きなブラジャーと、
――とにかく、
俺がそこまで思ったところで、いつものようにメイド服姿の
「ずいぶんと賑やかですけどなにがあったんですか……? あれ、お母さん……?」
――終わった。
この時俺は、確かにそう思った。
俺の心の中を、暗黒の絶望が占めていた。
それからしばらくの
「
「ああ、別にいいよ。
コーヒーメーカーから注いだコーヒーの入ったマグカップを手に持ち、俺はなるべく
どうやら
同じくソファーに座りながら、隣に座っている
「……まあ、それだったら無理もないよね。今この家には、男の人はお兄ちゃん一人しかいないし」
すると、
「あの……
「……
「
そんな
ちなみに、
リビングにあるフローリングの床には、タイトな服を着た
今、
「えぇっと……負けたようですけど
その
利発な大学生である
「黒が47マス、白が17マスで
「あらあら、そうでしたか。数えるの速いのね、感心しちゃう」
俺がソファーのある東の方角から、そんな二人の様子を見ていると、姉ちゃんが頭の上にバスタオルを乗せたままリビングに戻ってきた。
姉ちゃんはいつものように、短めのタンクトップにショートパンツというラフな出で立ちで、
「シャワー出たよー。
「うふふ、じゃあシャワー、浴びさせていただきますわね」
そんなことを言って
「
「あ、いえいえ、気にしないでください。こっちは気にしてないんで」
「それにしても、ショーツ1枚だけは脱がないでいてよかったです。もし、いつものように最後の下着まで脱いでいて、
「浮気になるかどうかとかの、そういう大きな問題を引き起こしかねない行動は、本当に勘弁してくださいね」
俺はいずれ
――
――
――とりあえず、しばらくは目の裏に焼き付けておくって感じになるだろな。
――ま、いいもの見れた、ってことにしておくか。
俺はコーヒーの入ったマグカップを持ちながら、性欲によって
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