第88節 キング・オブ・キングス
そしてその更に翌日、3月になって初めての土曜日の夕方になって、
リビングにある
「あー、
隣のソファーに座っている俺は、そんな一流大学の現役女子大生らしからぬ
「いや、
ちなみに
ゲーム中にもかかわらず無音なのは、
パッと
「なーに世間知らずなこと言ってんのよ、
「ずいぶんとニートっぽいこと言うんですね……エリート大学生なのに」
「
俺と
身体周りがとても細くて
そして、
「……お兄ちゃん、冷蔵庫のオレンジジュースボトルとグラス持ってきて。人数分お願い」
「はいはい」
俺はいつものように妹の要望に従い、ソファーから立ち上がってキッチンに向かう。
ちなみにメイドの
俺はキッチンから持ってきたグラスを人数分、すなわち4人分用意しお盆に載せ、ソファーに囲まれたテーブル机のそれぞれの前に並べようとする。
「……あ、グラスそこに置いといて。お兄ちゃん」
「
すると、年上の大学生の
「……えーと……ありがと、お兄ちゃん」
照れながらも俺にお礼を言った妹の態度に、
「それでいいのよ、
「……うん、わかった。ありがと、
――やっぱり、なんだかんだで
――
低身長でぺったんこの胸で、腰回りにもほとんど
平たいテーブル机に、ガロンボトルオレンジジュースを置いた俺は、再びふかふかのソファーに座った。
「ま、そうは
「……どう、って何が?」
「だから、ひーちゃんのこと彼氏にしたいとか思わない? 見た目は
「あの、お姉ちゃん、モテてるとかそういうのじゃないよ……。ただ、クラスの女子みんなが積極的に仲良くしてくれてるってだけ。それにぼく、男子のお友達は
――それをモテてるっていうんだと思うぞ、
ソファーから立ち上がって
「……あ、
「そっかー、まー初対面が女装姿ならしょーがないかな。じゃあ、
俺が
「……そういうのは、まだイマイチわかんないかな。
すると、
「お
――そっか。
――
――俺も、マニュアルの古いタクシー自動車を若干グレードアップした新車が買える金額で弁償した甲斐があったというものだ。
ちなみに
「……それより、
「
「まー、この
「……
そう
「そりゃ
「……外見が二の次なんだ? やっぱりそっちの方がいいの?」
「たまーに
「……その
「ていうか、
「……じゃあ、
「
俺は、
「ずいぶんとドライなものの
すると、
「ドライじゃなくって
「……そんな時代になってるんだ。今って」
「そうね。
その、あまりにも
「
すると、
「
「……
「そりゃそうよ。いくら
「……なるほど、
「そうね。
「……
「そりゃーそーでしょ、
「……
そんな、家庭教師と生徒のような女子トークを傍らで聞き、俺はソファーの上でオレンジジュースの入ったグラスを手にしつつ、こんなことを考えていた。
――事実は、事実として受け容れなきゃ勝負には負けるしかない、か。
――この前、
ほんの
――おそらく。
――それぞれの
――
――それも、
俺はそんなことを、オレンジジュースを
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