第60節 ウィッチ
俺が
今、俺の目の前にある
そこには、こんなフレーズが
『あたしが、みんなの
――
そしてもちろん、
俺が去年の十月に、学校に二千万円という
――
何から何まで、俺のせいか――
そんなことを
「あっ!
「ああ、
俺が
「も~、だから
「ああ、そうでしたね
俺が
「こんなところで
「あーっと、ちょっと
「ふ~ん、そっか~。
夕日の
「ええ、タクシーは学校の中まで入ってこれませんからね。暗くなってきたタイミングでタクシーを呼んで、校門を出てから顔写真を撮られないうちにささっと乗り込もうと思ってるんです」
そんなことを説明すると、
「あっ! じゃ~さ~、
――
「
――この
俺がそんなことを考えていると、
「そうだよ~。お姉ちゃんの名前、
その先輩の言葉により、俺の頭の中に
――俺も一学期に、一回だけ保健室でお世話をされたことがあったな。
確か一学期のバスケの時間にジャンプしたとき着地に失敗して
――俺は自分で
――わざわざ親切にも、俺の目の前でしゃがんで足首に直接貼ってくれたんだよな。
そんな一学期の保健室でのシーンを思い返していた俺は、目の前のちっちゃな二年生の先輩に伝える。
「じゃあ、せっかくなのでお願いします」
俺の言葉を聞いた
一階にある職員室からすぐのところにある保健室、その部屋の奥まったところには
そして俺と
そろそろ沈もうかと言う夕日の光が、ブラインドのある大きな窓から斜めに部屋に差し込んでいる。
今、ノックの後にカウンセリングルームの扉が開かれ、
どことなくもの
そして、俺と
「
そんなことを
「ええ、ありがたいです」
すると、
「そう、よかった」
それだけ言って、
そして、出入り口の扉に手をかけたところで振り返って声を出す。
「仕事、あと30分かそこらで終わると思うから待ってて」
そんなことを言って、
その様子を見送っていた俺が再び正面を向くと、
そして、紙コップから口を離して
「
俺は
「はい、
「それにね~、すっごく頭もいいの~。
「
俺がそんな風に感心の言葉を
その
そして
「
そう言って、
触ってみると、ぬいぐるみにしては
俺は
「ああ、ありがとうございます。サバ
「そうね、サバトラ
「確か
その言葉に、俺は反応する。
「えっ? そうなんですか? 今の俺の家は、
「そうね、
――『グランドインペリアルパレス
それが、俺たち家族が宝くじで数百億円を当てて大金持ちになってから、最上階の部屋を購入した
俺は返す。
「
「正確には
「じゃ、ごゆっくり」
レディスーツの上に白衣をまとった
残された俺は、向かい側のソファーに座っている
「
「そうだよ~、
――確かに、あの
そして、
「それにしても、サバ
そんな
「ってことは俺は……
「そうだね~。
そんな感じで、俺は
猫のぬいぐるみを
「そっか~、
「ええ、カラッとした
「やっぱり
「ああ、
「そうそう~、
そんな、とりわけ
「
「ううん~、
「そうだったんですか、俺は
そんなことを話していると、目の前の
「あれ~? この感じは~……
そして次の瞬間。
バタン。
音を立てて目の前のカウンセリングルーム出入り口ドアが開き、冬用のコートを上半身に前開きで
学年証代わりのリボンの色を見る限り、二人とも
その一人とは、俺が去年の十月に部活動への
「
と、そこでその女子生徒が対面のソファーに座っている俺の方を見て、その存在に気付き言葉を続ける。
「あれれ? あなた……
その声に
「
「ほうほう、
「すなわち、
――あれ? 俺いまもしかして、
俺がそんなことを考え、口元をピクピクさせつつ苦笑いをしていると、
「も~、
すると、
「まあ、それはともかく……どうやら生徒会室にスマホを忘れたかもしれないっぽいので、
その言葉に、
「え~? だったら
すると、
「
「え~? 気付かなかったのかな~? ちょっとスマホ見てみるね~」
しばらく
「
その言葉に、
「えー? そんなことないって! ちゃんと
そこまで言ったところで、動作が止まる。そして口を開く。
「……
「
そんな、ボケとツッコミの漫才コンビような女子生徒二人の様子を、俺は冷めた目でただ眺めていた。
既に日は落ち、カウンセリングルームから見える外の風景は
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