第47節 初恋のきた道
さて、翌日になって12月の27日、つまり
コーヒーが三つ乗っかっている一つの四角いテーブルに備え付けられた椅子に、俺、その向かい側に金色に染められた髪をシュシュでポニーテールにしている
「
「ありがとう、メグ」
そして、向かい側にいる俺も
「で、こっちが俺のプレゼントだ。ハッピーバースデー、
俺からそんな言葉を聞きつつプレゼントを受け取った
そして、
「
「あー、ゴメンゴメン。アタシ、すっごく
そんなことを言いながら、
ただ無言で泣く、という
「そんなに
「うん。だってケータ、このお店でアルバイトしてまでアタシへのプレゼント代を
「バレてたのかよ?」
俺がどことなく気の抜けた感じで返すと、
「ゴメンね。アタシが
「ヒカルっちって……セキュリティーサービスの
そんな返しをした俺の頭の中には、シャギーの入った赤っぽい髪を頭の後ろで縛っている、派手な髪型をしたモデル体型黒服女性の
すると、
「なんかね、
「
「んーとねー、あの赤っぽいシャギーの入った派手な髪も、普段の自分を目立たせることで、
「お待たせしましたーっ!!」
そんな元気な声と共に、
座っているどことなく
「ヒカルっちが買ってきてくれてたここのケーキ、確かどれもすっごく
「えっ!?
思わぬビジネスチャンスの
「
「んーと、この近くでねー……あっそうか、ケータは知らないよね。アタシには三つ年上のお
そして、
「なんと、
――それは知ってる。
俺の頭の中には、生徒会室で
「
俺はそんなことを言って、置いてあったコーヒーカップを手に取ってブラックのコーヒーを口に含む。
「カフェってどんなの?
「んー、
ブフォッ
俺は
――
「ケータ、大丈夫?」
「あ、大丈夫大丈夫、ちょっとむせただけ」
そんな風に
「
「じゃ、この
そんな感じでの
――
そんな、どこかで聞いたような
俺たちは、
そんな中、
「
そんな
「そっか。じゃあ
すると、
「
その
「そーだよ。もっとずっと昔に、
――え?
俺はポカンとする。
「……なんだそれ? 俺そんなの、
そう返すと、
「確かにケータ、言ってたし」
「うん、小一か、小二くらいのときかな? 確かに
俺はそんなの、まったくもって
俺は二人に尋ねる。
「じゃ、俺の
「それは教えてくれなかったから」
「そんなの、アタシの方が知りたいし」
俺の
――じゃあ。
――じゃあ、俺の
俺はそんな疑問を頭の中に思い浮かべ、軽くコーヒーを
そして口を開く。
「本当に、
すると、
「ソレ、ケータが子供のころにアタシに教えてくれた言葉なんだけど」
「え?」
俺は再び間の抜けた声を出す。
それと同時に、俺の記憶には空白となっている部分が
――本当に。
――
そんなことを思わざるを得なかった。
三人で一緒に
俺が
「お金持ちになれる人となれない人の一番の違い? なんだろ? お金を
すると
「ソレだと、半分は合ってるけど半分は
テーブルの上には、既に
「俺も色々と考えたんだけどさ、『
すると、
「じゃ、ヒントあげるし。例えばココのお店のケーキ、すっごく
いきなりのその発言に、俺も
「ああ、なんか
「うん、モンブラン
俺と
「ココのケーキね、
そんな
「
「うーんと、なんだろ? ここのケーキがその
俺も
――
――まず考えられるのは、「取引が発生する」ってことだろうな。
そんなことを考えた俺は、
「まず、ここの『パティスリー・ソレイユ』のケーキが『ねこねこJam』に買われてそれから改めてカフェで客に提供されるってことだよな? それも多分、ここのケーキの
「んー、
そのコーヒーの黒い
少し考えた俺は、そのコーヒーカップから離した口を開く。
「……そうなると、ケーキ屋のご主人さんである
その言葉に、
「じゃ、ココで
――え?
俺はコーヒーカップを持ったまま、少しばかり視線を下げて考える。
――
――そして、
――じゃあ、
――いや違う。
――少なくとも俺は、
――むしろ
そこまで考えた俺は、
「
「ソーだよね? つまりどういうコトかな?」
そして、
「……そうか、この取引が発生することで取引に関する全員が
――つまり。
――人と人とが
――お
――すなわち、お金ってのは「
――誰かが
すると、
パチパチパチ
「やっぱケータ、
「どういうこと? 新しく
すると、
「うーん、ソレはちょーっと違うんだよねー。そもそもお
「お
不思議そうな様子の
「あー、
――ん?
そこまで話したときに、俺の頭の中で何かが
みんながみんな「ある」と信じることで
「それって、もしかして……
俺の
「ソコまでは、アタシも考えてなかったし」
「あー……そうだよな。お
俺は苦笑いを浮かべる。
しかし、
「でも、それなら
そんな
「
――いつから
俺がそんなことを考えているのもお構いなしに、
「
俺と
「
そして、再び言葉を
「でもそれって、もし神様をお金に置き換えてみたら、現代に生きる私たちと、どこが違うのかな?」
そんな
「……確かに、
その
「それって、
「ウン、ソーだね。
そう言って、
「わーい」
女の子同士のそんな
――人と人とが
――つまり、俺たちがこうやってプレゼントを渡しているってのも、立派な
――でも、それだとまだ。
――「お金持ちになれる人と、なれない人の一番の違い」の答えにはならない。
――そもそも、
――多分、もっと何か意味があるはずだ。
そんなことを考えつつ、俺は目の前で
――ま、とりあえずはいっか。
――
俺の心の中では、目の前にいる
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