第44節 パシフィック・リム
俺が猫カフェで
結局あの
今は十二月の中旬にある木曜日の
するといつものように、クラシック調のメイド服を着た
「
「ああ、ただいま」
このやりとりも、もう
玄関で靴を脱ぎ、
「今日の
「はい……今日はいくら
そんなやり
長いツインテールを
「……もー、お
「俺も
そんな
「……バイトなんか、する必要ないくせに」
そんな
学校にも行かず引きこもっていて、
俺のカシミアコートを木製のハンガーにかけてクローゼットに入れてくれた
そして、
妹がうきうきとした感じで
「……おお! いくら
「こら
俺がそう言うと、
そして、二人して声を合わせる。
「……「いただきます」」
その
「……げほっ!! ごほっ!!」
すぐさま、近くに
「
「……うん、お
そんな妹の要求に、
「
すると、
「……別に。いまのところ
そんな
そして、
俺が
――
――
――やっぱり、このままじゃいけないな。
――なんとか
俺がそんなことを考えていると、口周りにご
そして、俺の方を見ないまま
「……あ、あった。
そんな妹のいきなりの発言に、俺は
「どこだ? お兄ちゃんが
すると、妹が横を向いて俺の
「……ホント? ホントにお兄ちゃん、
「ああ、とんでもない
――
俺が妹の
「……コミマ」
「え? コミマ?」
「……そう、
「コミマって……確か、お
オタク
「……ま、
その
――オタクの
――そういや、前々から
――エロい
――
――せっかく妹が外に出かけたいんなら、
「ああ、いいぞ。
俺がそう
「……ホント!?
「ま、
「……ありがと、お兄ちゃん」
「その代わり、これからはなるべく
「……うん、わかった。
そして、妹は再びイクラ丼を食べ始める。それほど大きな音は立てていない。
そんな妹の様子を見ながら、俺は安心してお吸い物に口をつける。
――ま、一歩一歩だな。
――俺は当然、これからも高校に通うつもりだし。
――
そんなことを考えつつ俺は、先ほどまでバイト先で一緒に働いていた、スポーツが
◇
「それにしてもさーっ!!
俺はここのところ、
俺が
エプロン姿でモップをかけていた
「そう?」
「そりゃーそーだよーっ!! だって三百億だよ、三百億っ!!
「
「そーだよーっ!!
そんな
「俺の両親なんか、いの
「なになにっ!?
「いや、それは……とりあえず
俺がそう返すと、
「えーっとねーっ! やっぱりまず
「え? フランス行ったこと……ないんだ?」
「んーっとねーっ!!
「あー……そうなんだ、
――こちらにも、何やら
俺がそんな難しいことを考えていることなどお構いなしに、
「そーでしょーっ!! パパったら、ママと
そんな
そこで俺は理解する。
――ああ、そうか。
――このお店の名前、『パティスリー・ソレイユ』の
――
そんなことを思いつつ
◇
そんなことを思い返しつつ夕飯を食べ終えて自分の部屋に戻った俺は、リクライニングチェアーに身体を落ち着け、ひとり考えていた。
そんな
――
――お
それは、かつての俺にとっては
しかし、その
――だとすれば、
本当は
今のところ俺は、
――もし、お金が単なる
――
――俺は、
――お
――それとも、俺が
更に俺は考えていた。
――それに、
――俺は、パティスリー・ソレイユにて
――俺と
――
――
――しかも、
それに、
例えば、200円ほどの
食パンやフランスパンになると更に原価率は低く、二階で飲める一杯250円のコーヒーに至っては原価は15円ほど。
――しかし、それはお店が、パンなどを買う人からお金を「
――お店にもパンが売れ残るリスクだってあるし、そもそも
――お店が
――
それは、
例えば世の中には
非難されるべきその行為と、まっとうな商売行為との違いは、いったいなんなのだろうか?
おそらく、そのあたりに「お
つまり、「お
お金とは「
そして、社会全体ではお
そこまで考えた俺は、
そんな俺の頭の中で、ひとつの
――俺たちがお
――
――
――「
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