第7章 相手にどこまで付き合えばいいのだろうか?
第43節 長ぐつをはいたネコ
十二月、別名
そして今俺はスニーカーの入った
そんな
また、
俺たち家族がアメリカの宝くじで数百億円を当てたことは話していないが、親がそこそこお金持ちであるということになっていたので、億万長者であるというボロを出すことはなかった。
俺がプレゼントを
そんな中、
「おめーがボンボンで、相手もお
俺がきっちりと自分の力で
それもただの大金持ちではなくて、何百年も昔からの
――おそらく「どれだけお金をかけたか」だけでは
それに確かに、子供のころからの
――だが、億万長者である俺を
――
また、話している中で、
聞くところによると、
スマホの支払いとかがわりとカツカツで、もう少しシフトを増やせばもっと金銭的な
つまり、
ガタンゴトンと電車に
――この世界には、いろいろな
――生まれたときからずっとお
――お金持ちだったのに
そんなことを考えている俺の頭の中に、
「この世の中にはお金持ちになれる人と、お金持ちになれない人がいますが、その一番の違いは何でしょうか?」
おそらくこの
これは
――だが。
俺は電車に
「……そんなんが
そう
そして頭の中では、先ほどまで降っていた雨が
◇
靴が入ったプラスチック袋を持って鉄製の階段を一人降りて建物から離れてちょっとだけ歩いていたところ、
「
「ああ、どうしたの?」
俺が
「お
俺は疑問の声を返す。
「え? あれって君が欲しがってたんじゃないの?」
「えー、ちがうよ! ねーちゃん、あー見えてぬいぐるみとか
そんな
「そういや、ドライヤーに
俺がそう尋ねると、
「そうだよ! ねーちゃんねー……そーだ!!
いきなりの
「え? 何?」
すると、
「
俺は
「
「そーだよ!
「あー、はいはい。言ったりなんかしないよ」
「ねーちゃんねー、あーんな
そんな
「えーっと……じゃあ、考えとく」
そんな俺の言葉を聞いて、
◇
階段を降りたところすぐ近くにはバス停留所があり、多くの人が屋根の下でバスを待っている。
今、目の前のバス乗り場に一台のバスが停まった。
なんとなくその
その
その二十八歳の女性教師がバス停に降り立ってから
「あれ?
「こんにちは、
俺が
「えー、やだー!? もしかして待っててくれたとか?」
「なわけないでしょう、
俺が軽くあしらおうとすると、まるで
「えー、先生はぁー、優しい優しい
「
だが、先生はなんか俺の
「えーっとねー、これからいつも
「一回り年下の男子に、そういったぶりぶりした態度はやめてください」
「もー、そんなこと言わないでよー。そのお店には
――ん? どういう
気になった俺は、先生にその意味を尋ねる。
「そのお店ってどんなお店ですか?」
「この駅のすぐ近くにある、
――
――
少し考えた俺は、
「……わかりました、付き合います」
「えっ!?
「それは
俺はしっかりと、
で、俺は
お店の名前は『ねこねこJam』といい、
そして、ガラス窓で区切られている俺と先生が現在いる方のこっちの部屋は、フードやドリンクなど
一応、
俺は今、
「どうぞ。カプチーノと、抹茶ラテです」
「あ、どうも」
俺が返すと、その黒髪ショートカットの女の人は軽く
「ごゆっくり、おくつろぎください」
そんな
「ラテアート、
俺のそんな感心の声の
「
先生は、定期的に通っている
――本当に、何も
――
俺がそんなことを思っていると、隣に座っている
「ここの
そんな
「面白いサービス? どんなのですか?」
すると、
しばらく操作してから、画面を俺に見せてくる。
そのスマートフォンの画面には、クッションなどが置いてある部屋空間を下のアングルから
「これがどうかしたんですか?」
俺の疑問に、先生が
「あら、わからない? よく見てみて」
先生はそう言うと、スマートフォンの画面を俺に向けたまま、反対の手を大きく上げて
すると、
そのことに気付いた俺は、先生に
「あっ……これってもしかして……ここの
すると、手を下ろした先生が笑顔になって
「そうよ、
そこまで聞いた俺は、頭の中で考える。
――ここなら、
俺が
「先生も、本当は
「先生も、先生なりに生徒のことを考えてるんですね」
俺が感心して返すと、先生が表情を
「そりゃそーよ、こう見えてもいちおー教育者なんだから」
そんなことを言ってから先生は、再び抹茶ラテを口に
そんな様子を見ながら俺は、心の中に安心感が生まれる。
――先生も、なんだかんだで先生なんだな。
そう思った俺は、自分が今直面している考え事を先生に尋ねようと決心する。
「先生、実は生徒として先生にちょっと相談があるんですが……」
すると、マグカップから口を離した先生が応える。
「なにかしら?」
そして、俺は先生に相談をもちかけた。
子供のころからの親友である
しかし、俺が億万長者であることが日本全国に
それに、
俺の相談をその
「不安なのね。
その大人っぽい先生の言葉に、俺は返す。
「ええ、そうですね」
すると、先生はそのくるくるした
「これからの人生、長く生きていれば
俺は、その先生の進言に口ごもる。
――どんなことだって、最終的に決めるのは俺自身か。
――だけど、いまいち勇気がな――
――本当にヘタレだよな、俺――
そして、先生は俺の本心を見抜いたかのようにその言葉に
「でも、もし
「……やったほうが、いいんですかね。やっぱり」
俺がどことなく
「そりゃそうよ。なんせ人生のありとあらゆるチャンスは、どんなことだってなんだって、
そう
そんな、いかにも教師らしい先生の言葉により、俺の心の中で何かが切り替わったような気がした。
――そうだよな。
――せっかくの、
――
――
そこまで考えた俺は、あのぶっきらぼうだが情に厚いヤンキー少女、
それは、
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