第24節 パッション
暗がりの公園にて目の前で、目に
俺は声を上げる。
「レンん!? なんでお
「アタシはもともと
――そういえば、小学校が違ったから性別なんて確かめなかった。
――そもそも、
自分の
「でも、
「ゴメンゴメン。アタシの通ってた小学校、お
その、レン、いや、
「ゴメンねって……なんだよそりゃ。もしかして俺たちと同じクラスになったのも、親とかに頼んで追いかけて来たとかか?」
「いや、それは
「マジか……なんだよ、そんなレアな偶然あるのかよ……いや、宝くじ当たった時点で
俺と
「……レン」
俺が
「レェン!!!」
そう
「レン! レン! レン!
そしてバウンドしたサッカーボールは、まるで最初からそこが定位置であったかのように、地面の上で転がるのをやめる。
「ゴメンね、メグ。やっぱりアタシ、ちゃんとお別れ言うべきだったね。ずっとずっと連絡できなくてゴメンね」
すると
「ううん! いい! もう何もかもどーでもいい! レェェン!!」
その光景を見て、俺は思う。
――
――それこそ、俺なんかが入る
そんなことを思って、ただ
振り返ると、そこには
そして、
「少年、こういう
俺は応える。
「ああ、はい。わかってます」
すると、
「少年、もしご家族の
その受け取った名刺には、セキュリティーサービス会社の名前と、
『警護主任 真田大有』
俺は尋ねる。
「
「いや、
それだけ言って、
暗闇をバックに
――タクシーは、待っててくれているだろうか。
そんなどうでもいいことを、ふと考えていた。
それからまたしばらくの時間が経過して、泣きやんだ
「ホントはさー、アタシもずーっと気にしてたんだよね。アタシの親、そこで
俺は返す。
「ってことは……あの『ペタルマート』ってコンビニ、レンの親が
「んー? ソーだよ? 『ペタル』ってのは
「うわー……知らなかったー……ヒントが結構近くにあったのかよ……」
俺は再三、自分の
既に泣き止んでいた
「でもいい! またこうやってレンに会えたんだから!」
そして、
「じゃ、アタシがメグの家の前まで送ってってアゲルね。ケータ、アンタは一人で帰れる? ボディーガード一人貸そっか?」
俺は返す。
「いや、すぐ近くにタクシー待たせてるから別にいいよ。ありがとう、また明日学校でな」
俺がそう言って手を掲げると、
「んー、じゃーまたね。明日からもよろしくね」
そして、
「
その
俺は安心して
「別にもういいよ、俺こそごめんな。じゃーな、また明日」
それだけ言って、俺はその公園から離れる。
そして、夜の街灯の光で照らされた住宅街の道を抜け、車の
タクシーは、コンビニの蛍光灯の明かりに照らされたまま『予約』の表示をフロントガラス近くに表示させ、待っててくれていた。
俺は窓を軽く叩いて、タクシーのちょっと太った中年男性の運転手さんに声をかける。
「すいません、無事終わりました」
俺が助手席のガラス越しにそう言うと、タクシーの後部座席のドアが開かれたので、すぐさまタクシーの白い布がかけられた後部座席に乗り込む。
料金表示を見ると、5020円になっていた。
一時間以上待たせてしまったのだから、それはしょうがない。
置いていた一万円札が、やはり
俺が運転手さんに、自分が住んでいる高層タワーマンションに戻ってくださいと伝えると、運転手さんは了承の言葉を返してくれて、再びタクシーを運転することを
そして、後部座席でタクシーの運転に揺らされた俺は、頭の中で考えを巡らせる。
――それにしても、
――
――もしかして、
そんな悪い考えが浮かんできた俺は、自分の手の甲をつねる。
ぎりりりりりり
痛い。
確かに、
俺は子供の頃からの仲が良かった親友といつの間にか再会していて、言葉を交わさなかった
――
――まさか、こんなに突然に
そんなことを考えながら俺は、目の前を反対方向に流れる、暗くなってヘッドランプを輝かせて走り抜けている車の波を見やる。
――運転手さんとかも、雇ったほうがいいかもしれないな。
――いや、それよりもメイドか。
――
俺がそう思ったところ、ポケットの中にあるスマートフォンが振動した。
ブブブブブブブブ
――やべっ! 姉ちゃんに遅くなるって伝えてなかった!
俺は大急ぎでポケットからそのスマートフォンを取り出して、画面を確認する。
当然そこには『姉ちゃん』という名前と、姉ちゃんのスマートフォンの電話番号からの SMS を受信したという表示がされていると思っていたが――
その表示はこうだった。
『国枝かなで さん からメールが1件届きました』
――えっ!?
その表示に、俺は
メールボックスをタップすると、確かにそこには
そのメールには題名はついておらず、ただ本文にはこう示されていた。
『もうしわけありません いますぐあっていただけませんか あのこうえんでまっています』
機械オンチな
俺は、タクシーの運転手さんに「さっきの場所に引き返してください!」と伝え、道を曲がるのを繰り返してもらって、道路を折り返すことになるように引き返してもらい、片側二車線道路のさっきとは反対の歩道沿いにタクシーを停めてもらった。
ドアが開かれたところで、俺は運転手さんに告げる。
「すいません! もうちょっとだけ待っててください! 一万円札、もう一枚置いておきます!」
財布から一万円札を二枚取り出した俺は座席に置き、そのまま車を出て歩道を駆ける。
さっきとは反対側の歩道にタクシーを停めてもらったので、コンビニの裏手にある例の公園に行くためには横断歩道を渡らなくてはならない。
夜の住宅街を包む闇をバックに、歩行者の足を止めるために明るく輝く赤い光がずいぶんと恨めしかった。
ふたつの縦に並んだ信号機の光が上から下に落ち、その
そのことを確認した俺は、横断歩道をダッシュで渡る。
そしてコンビニの隣を通り過ぎ、先ほどの公園に向かう。
その暗がりの中にはもう
その、LEDライトの光で
白っぽく見える
俺は少し息を切らしながら声を出す。
「
俺がそう言うと、
そして
俺は、その動作が、日本人にとって何を意味するのかをよくわかっていた。
――
その線の細い美少女の
そして、両方の
「
その
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