第20節 雪どけ
このプールがあるフロアには
このフロアはそこそこ
プールにはそんなに
あとはまあ、
そして
「……お
俺は
「お
すると、
「……
「どうせゲームの
「……お
あまりパソコンに
「そんなに
「……メモリ512ギガだからね。128ギガのメモリ
――まいったな、
俺は
「そういえば
すると、妹の
「……まーね。オンラインゲームじゃ
――
――
――俺が
俺がそんなことを
そして
「……それにしても、
その言葉に、俺は返す。
「いや、
「……気持ちの問題だよ。お兄ちゃん」
しばらくの沈黙が流れると、妹が寝転んだまま再び口を開く。
「……あーあ、それにしても
そんな妹のやるかたなさそうな言葉に、俺は返す。
「
「……正確には埼玉県の
――ん?
頭の中で、
――いや、まさかな。
――そんなできすぎた偶然、そうそう簡単にあるわけ――
俺が頭の中でそんなことを考えていると、プールから上がった姉ちゃんが水を
そして、
「そーいやさー、
――うわ、当ててくるなよ。
俺は返す。
「どうしてそう思うんだよ」
「んー? そりゃー、昨日帰ってきてから前の家にいたときと
――やっぱり姉ちゃん、勘は鋭いな。
その姉ちゃんの言葉に、妹の
ぎりりり
「……お兄ちゃん?
すると姉ちゃんが即座に返す。
「あー
ぎりりりりり
姉ちゃんの言葉により、妹のつねる力が三倍近くに強まった。
俺は大声で弁明する。
「違うって! 俺と
すると、妹が手を離す。
「……え?
「ああ、
すると、妹がポカンとした目で俺を見つめる。
「……お兄ちゃん? その人、もしかして
「え? そうだけど……なんでわかるんだよ?」
俺が返すと、妹が応える。
「……だって、さっきの
その妹の言葉の内容の意味に、俺は呆然とする。
姉ちゃんは、なにを言っているのかわからないといった感じで、あっけらかんとしていた。
プールからマンション最上階の自宅に帰った俺たち三人は、妹の部屋にてパソコンの前にて並んで画面を眺めていた。
妹が二人
妹が無線マウスでモニター内のポインタを操作すると、アメリカの世界最大手 SNS である
『鳥之枝温泉』の公式ページにはオーナーの名字が『国枝』と表示されており、
その他にも、妹が独自にその温泉旅館について調べたページを色々と見せてもらった。
話を総合すると、
そのオーナーの家族に『
モニター前のソファーに座ってパソコンを操作している妹が、どことなく
「……ふーん、そっかあ……お兄ちゃん……やけにコンビニに行ってたと思ってたら可愛い女の子に会いに行ってたんだね」
妹はモニター画面に顔を向けたまま、ピクリとも動かない。俺は妹の、ツインテールを
「いや、それは否定しないけど。
すると妹は、振り返らずに俺に後頭部を見せたまま
「……ま、いいけど。
「だからそういう話じゃねーっつーの」
俺が妹に対して
「じゃーさー、ちょーどいいじゃん。旅館の
「えっ!?」
姉ちゃんの規格外な
そして妹が姉ちゃんのいる方向に振り返って、うきうきした表情で尋ねる。
「……お姉ちゃん? その子ってそんなに可愛い
「うんー! すっごく可愛かったよー! お人形さんみたいだったー!」
その姉ちゃんの言葉に、妹が表情に加えて声まで上機嫌になる。
「……おお、お人形さんみたいな可愛い年頃の女の子……リアルメイドさん
妹の若干興奮気味になった上ずった声に、俺は少しだけ汗をかいて返す。
「簡単に言ってくれるよな。
すると、姉ちゃんに顔を向けていた妹が、改めて俺のいる反対側に振り向いて言葉を返す。
「……お兄ちゃん? ハワイで宝くじ買ったとき、
「なんの約束だ?」
すると、妹が
「……宝くじが当たったら、
――あ。
すると、姉ちゃんが応える。
「あー、確かに言ってたねー。当たったら、
姉ちゃんがそこまで言うと、妹がほっぺたを膨らまして口から息を吹き出してドヤ顔になる。
「……ぷふー。と、いうわけで、メイド服の似合う可愛いメイドさんお願いね? お兄ちゃん?」
――やられた。
俺は心の中で、自分の
夕方になって自分の部屋に戻った俺は、明日からまた始まる学校生活のことを考えていた。
明日の週明けから二学期の中間テスト期間に入るので、半日授業がしばらくの間続くはずである。
そして、テストが終わったらその一週間後には二日続けて文化祭が執り行われる予定である。
俺は、自室にある北欧製の勉強机の前に備え付けてあるリクライニングパーソナルチェアーに座りながら、スマートフォンを操作していた。
俺はパソコンにはあまり詳しくないが、スマートフォンでインターネット上のウェブページを見るくらいだったら慣れている。
そして、俺の手に収まっているスマートフォンには、先ほど妹の部屋で見せてもらった『
その価格はおおよそ、十五億円。
それが、その温泉旅館の値段であった。
それと同時に、
俺は頭の中で、思考を巡らせる。
――
――俺は彼女を、救ってあげることができるはずだ。
――そもそも俺が三百億円もの大金を手に入れることができたのは。
――宝くじを持って追いかけてくれた
そんなことを考えつつ、俺はスマートフォンを机の上に置きリクライニングチェアーを倒して、大きく息を
「はぁー……でも、どうやって切り出せばいいんだよ」
俺が億万長者になっていることなんて、証明するのは簡単だ。
その事自体は真実なのだから、それこそやり方はいくらでもあるだろう。
と、そこで姉ちゃんと妹が言っていた発案が頭に浮かんだ。
――家に
――メイド服の似合う可愛いメイドさんお願いね?
家に来て欲しいなんて伝えるのは思うほどには
俺は
「メイドさんか……そりゃまあ、
ただ、心底ヘタレな俺がどんな感じであの年頃の美少女に切り出すかは、色々と考えなければいけないだろう。
――何せ、年頃の男のいる家に
――家政婦さんがお年寄りとかだったら、こんなに迷わなくて済むんだろうな。
俺は更に考える。
――でも、姉ちゃんは何で
――妹も、特に他人を家に上げるのに抵抗はないみたいだったし。
更に考える。
――おそらくは、三百年も続いていた
――
そこまで考えた所で、俺の頭の中でシナプスが弾けたような感覚が襲った。
お金がある
お金とは、何の
それはまさに、
「じゃあ第一問いくね。お
――そうか、それがクイズの答えか。
――確かにそうだ。以前の俺はそんなもの持っていなかった。
――だけど、今俺はそれを持っているし、使用と共に増えていくことになる。
おそらくは正解であるその答えに到達した俺は、新しく生まれた更なる疑問を頭の中に
――でも、何で
疑問がひとつ
あの
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