四幕 【余興】
5章 4幕【余興】
「インドラ様が
「ヒハハハハ!それはニーシャもだろう!」
「あれぇー?そうでしたっけー?」
目の前で高らかに笑って見せる二人。
すぐに
だが、いつまでこの
少しでも時間かせぎしてどうにか
「・・・あなた達は
「お!
「これはこれは
ニーシャと
カーテシーというメイドがやるような挨拶だろう。
その服でやるのは無理がある気はするが。
そんな事を考えている場合ではない。
「どうやってここに入ってきたの」
私の質問を
だとしたらこの二人はヘルメスより結界に
もしくはヘルメス
「・・・おー、あの
「ニャシシ、インドラ様は天才ですからねぇ」
私の心を読んだか。
これはかなり
ここはひとまず
「兵装!」
これで悠真には伝わったはずだ。
「ヒハハ!
「何を
「気づかないのも無理はないが、ここはすでに結界内だ。外にお主の兵装の
今の言葉が本当ならこれは
ただでさえ二体一な上に今の私ではまともに
「・・・ただで
「そうこなくてはな!ニーシャ、相手してやるのだ!」
「
すでに
持ち手が
剣で言う
おそらくインドに伝わるヴァジュラという
「
先に
インドラジットは
という事は素早い攻撃を仕掛けてくるだろう。
ロキの眷属のフェンリルのような速さを持っているとしたら
だが、と言うよりはほぼ
そこから防御の
早さなら私も多少は自身がある。
攻撃の速度で劣っても防御するだけなら後れをとらないはず。
そしてその考えはあっさりと
「ニャシシ、
いつの間にか背後をとられていることに
「一つだけいいこと教えてあげるよ」
横から後ろから、一切攻撃を仕掛けてくる様子はなく、完全に遊ばれていた。
ニーシャには
「インドラ様は雷だけじゃなくて
つまりただでさえこの暗闇では見えづらい。
だが、髪は
この暗闇でも姿を追う事はできると思っていた。
だが、今ニーシャは影を使うと言ったのだ。
ただでさえ素早く、見えづらい状況で闇の中に
「くっそ!」
ほぼやけくそ
その
「ふむ。さすがに余の
くそ!くそ!くそ!!!!
何もできないで終わるのか。
ただでさえ足手まといなのにさらに足を引っ張るのか!
そんなの私が
「はぁ!」
気合の
背後にニーシャの気配を感じるも、私の体はすでに動けなかった。
「ニャシシ、これあんま
私の右肩からは剣の切っ先が見事に生えてしまっている。
だが、刺されているならむしろ
「こ・・・の!」
槍を後方のニーシャに当てようとした
「
「あ・・・がぁ・・・」
体に電気がほとばしり、体から力が抜けていく。
同時に刺さっていた剣も引き抜かれ、
「
「そうさなぁ・・・まあ余の力を100%
何もできなかった。
相手のフィールドだと言っても
ならばここまで
ほんと情けない。
「さて、では
「そうですね、インドラ様!」
どこまでも楽しそうに。
こんなやつらに負けるなんて・・・
「
インドラの手には
縄は
「インドラ様のナーガの縄はね、
その間も二人は楽しそうに
この
ロキとヘルメスでも場合によっては負ける可能性もある。
「・・・ゆう・・ま・・・にげて・・・」
私の意識はそこで完全に
助けではなく
こんな足手まといな私を助けるくらいなら私を
だって、そもそも巻き込んだのは私達。
ここで
そして
◆◆◆
朝は
だが、二度寝などはあまりしない。
ずっと寝ている事の方が多いのだ。
だが、今日は昨日の
これも神として体が
そんな事を思いながらベッドからゆっくりと足を下した。
「・・・なんだあれ」
俺が起きて一番最初に目についたのは
昨日ロキが来た時に置いていったのかもしれない。
そう思ってベットから机に、のそのそと歩いて手紙を確認すると、そこには【オーディン様】と書かれていた。
ロキが俺
だとするとこれはヘルメスからだろうか。
それも何か違う気がする。
とりあえず俺宛ならば何も
そう思って手紙の中を確認するや、俺の頭の中から一気に
「
なんだこれは。
つまりありすは
これもヘルメスが用意した合宿の一つなのか?
頭が
だが、普通に考えればこれは
「
そこでタイミングよく
俺は
「やっぱり。桂木悠真、よく聞け、
「さらわれたんだろ」
千里が言うより先に俺は内容を答えた。
そして千里に手に持っていた手紙を
「ちっ。ヘルメス様の
千里は
ありすをさらわれた事よりも自分たちがいる
「オーディン、話しは聞いてるな」
新しく入ってきたのはロキだ。
後ろから眷属のフェンリルも入ってくる。
「今ヘルメスが位置の
「だめだ。お前らが手を出したらありすは死ぬ」
「あ?何言ってんだ
千里はロキに手紙を渡すと外に出て行った。
おそらくヘルメスに状況を知らせる気なのだろう。
「はっ!俺達にびびってんのか。つまんねぇ
「ロキ、俺がばばっとありすちん
「いや、フェンリル、お前の
アイデアもむなしく、一気にしょんぼりしてしまうフェンリル。
フェンリルの速さでも手におえないなら俺なんて攻撃をかする事もできないかもしれない。
「オーディン、貴様に戦う
「当たり前だ」
「まあ神同士の戦いで死ぬことはほぼないが、今の貴様の状態は安定しているとはいいずらい。万が一って事もありえる。その覚悟はあるんだな」
「
「ひゅー!かっこいい!ロキも俺が
「お前は
「えー、こっちは女の子なんだよー?ヨルムンガンドの時は男だったかもしれなけど、俺は
「女なら女らしい
「ちぇっ」
いまいち
なんにせよ状況は最悪といっていい。
ヘルメスとロキ達の
俺はまだブルーランスも
「悠真君、話は千里から聞きました。私の方でも敵の位置は
ヘルメスと千里も
そこで俺は最後の
「ヘルメス。これはたちの悪い冗談とかじゃねぇんだな」
「えぇ。
「じゃあなんでそれを早く言わなかった。そしたら
「桂木悠真、口を
「千里、おやめなさい。今回は完全にこちら
「って事はインドラジットって神はヘルメスより強いって事か」
「
「・・・状況はわかった。つまりどうあがいても俺がインドラジットと戦うのは
俺はインドラジットがよこした手紙に目を向ける。
ありすを
インドラジットをぶっ殺してでもありすを救って見せる。
俺の
「インドラジットをぶっとばすぞ」
インドラジットが決戦の場に
俺達がいたのはどうやら南側らしかったが、そこまでおおきな島でもないので
移動の
本来であれば今の俺の実力では
その
「オーディン、怒りに身を任せるのはいいが、相手は相当な実力者だ。
「俺は冷静だよ」
ロキはその言葉に
自分でもわかってる。
だが、
洞窟の奥に入るとそこには割と広めのスペースが用意されていたが、
「よくきた!余の
奥に進むとそこには二人の影があった。
身長のかなり高いほぼ
話しに聞いていた情報通り、男の方がインドラジットで間違いないだろう。
少女の方はおそらく手紙にあった
「まあまあそう
「何が余興だ。ありすはどこにいる」
「
そこでうっすらと
ありすの体には
「ありす!大丈夫か!」
「ニャシシ!今は
ニーシャが
「手紙は読んでくれていると見ていいようだ。ルールを説明しようか!」
「ルール・・・だと?」
どこまでも遊びのつもりのインドラジットに俺はさらなる怒りをおぼえる。
ありすの命がかかっていると
どこまでも人を
「余と余の眷属、ニーシャ
「オーディン、少し冷静になれ。手も口も切れてるぞ」
ロキに言われて初めて俺は自分の
この
だが、
その事に自分でも少し
「・・・ふむ。貴殿がそこまで怒る理由がわからないのだが。まあ
「・・・それを聞いて安心した。とでも言うと思ってんのか。一つだけ聞かせろ。お前はなんで俺と戦いたいんだ」
「余の理由は一つだ!面白そうだからだ!風の
「ニャシシ!」
「ゼウス?俺は一度もあった事もないんだが」
「
ゼウスの右腕と
ヘルメスがいることがゼウスのお墨付き?
「すみません。まさか私が同行しているのがそんな
にこやかに告げるヘルメスに、インドラジットは何が面白いのか高らかに笑いあげた。
「ヒハハハハハ!
「・・・わかった。お前が命をかけるのが遊びだっていうなら、俺はお前を一発ぶん
「ヒハハ!やる気が出てきた所で余興の始まりとしようではないか!新生オーディンよ、そこから3歩進むといい。3歩先が余の結界の始まりであり、余興の
俺は何のためらいもなくその場から3歩進み出る。
そこで結界に入った時の
「では余興の始まりだ。ニーシャ!
「ニャシシ!
インドラジットの言葉と共にニーシャはこちらに
「
俺は素早く兵装し、青の
心でグングニルに語りかけるように念じると、
俺には蒼がくれた力がある。
蒼に
それをこんな所で
俺はグングニルを
「ニャシシ!」
しかし、グングニルにニーシャの剣がぶつかる事はなく、ニーシャは俺をすり抜けて行ったのだ。
いや、そう感じただけだろう。
だが、
教えられていただけでは
「ブルーランス!」
「うわっと!」
おそらく
それを
さすがに
だが多少の軌道を変えるのが
いつの間にか目の前に現れたニーシャは力いっぱい
「お兄さんやるねぇ!正直すぐ終わるもんだと思ってたよ!ニャシシ!」
「これでも一応オーディンなんでね」
そう
ロキのフェンリルの素早さは覚えているが、もしかしたらそれ以上の速さかもしれない。
先ほどの怒りや
そして、グングニルを握った手には汗がにじんできたのだった。
勝てるのか・・・
いや、勝つしかないんだ。
そうでなければ俺は・・・
蒼に顔向けできないじゃねぇか。
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