三幕 【肝試し編】
お
「夜十一時、
メールはそれだけで、行こうか行かまいか
だが、時間が時間なために、家を
「悠真君連れてきたよー」
「縷々ちゃんご
ドン!と
「で、今日は何するって言うのさ」
「なんだよありす、わかんないのか?」
ありすはきっとわかっている。
俺もすぐにピンときた。
夜の学校と言えば
「どうせ
「ピンポンピンポン!
「・・・はぁ」
「って事で、これを引いてくれ」
「くじ?四人でチーム分けするのか?」
「
いや、わかるだろ。
なんだか俺まで呆れてきた。
まあでも、これも俺たちの事を考えてると思えば・・・
いや、これは完全に蒼が肝試ししたいだけだよな。
それくらい蒼のテンションが
「悠真が赤、ありすも赤か。ってことは俺と縷々ちゃんがコンビだな」
「あれ、優斗も
「さっきも言っただろ?これで全員だ」
ふーん。となんだかいまいち
俺も蒼は
「蒼くーん、二人でどこに
「
「はーい!」
元気がいい縷々。
縷々はこういう
君丈は
君丈にとって面白いのは
「私達が最初なのね。いくわよ、悠真」
「おう」
かくして、夜の肝試しが
4章 3幕【肝試し編】
二人で校内に入ると、
「なんかいつもと
「違うわよ。これ、
「結界?なんでまた」
「
夜の学校でその
俺も、おそらくありすもこういうお化けなどでビビるタイプではない。
それよりも蒼と縷々のペアの方が
だって縷々は―
「つめたっ」
考え事をしながら
ふと自分の足元を見ると、手のようなものが俺の足を
「ひぃっ」
俺の足を掴んでいたのは
「あはは!悠真びびってんの?こんな子供だましにひっかかるなんてっ―つめたっ。なにー?次は
俺に
ありすの方を
「シャー」
「へびぃ!」
まさか
「あっはっは!なんだよ、ありすもびびってんじゃんねぇか」
「ちがっ!これは!だって蛇がいきなり!」
といって
俺の足元にもさっきの亡霊はいなくなっている。
「・・・こほん。まああらかた
「お化け
亡霊はヘル、蛇はヨルムンガンドだろう。
魔術研究会がゴールと言う
だが、夜の学校と言う雰囲気でロキ達が持つポテンシャルの高さを今あらためて思い知らされる。
ロキの
ありすとは違うが、それぞれの能力は
その
「とにかく
「
その後も亡霊やら
つまらなそうだとも最初は思っていたが、
ありすも同じように思っているようで、
これが蒼の
「さーて!次は何が出てくるのかしらね!」
「のりのりだな」
「なんかゴーストバスターみたいで楽しくなってきた」
「
振り返ると、
「あれ、骸骨よね。遠すぎじゃない?」
「出すとこ
じっと
「なにあれ、クラウチングでもしてるの?」
「まさか。なんだよ、あの骸骨が俺達を
俺が言い終わる前に骸骨はクラウチングスタートを
だが、その動きはよくしる骸骨の動きではない。
「はやっ!」
「ちょっと!悠真
骸骨は
右に左に、上に下に。
「あれいつまで追ってくるのよ!」
「しらねぇよ!いっそのこと
「よし、そうしましょう!」
二人でばっと後ろに振り返り、
だが、そこに骸骨の
「・・・どこいったのよ」
「しらねぇよ・・・」
「はぁー・・・
その場にありすは
俺も走りつかれていたので、廊下の
「さっきのはフェンリルね」
「そうだろうな。まさか骸骨の見た目で追ってくるとは思いもしなかったが」
「
「・・・そうだな」
しばらくそこで
「ぎゃあああああああああああああ」
「
「まあ、
「え?なに?縷々ちゃんがどうしたの?」
「いやあ、あいつ昔からこういうのは自分で驚かしに来るんだよ。今なら
「それって・・・フレイヤの
「だろうな」
縷々についているフレイヤという
どこにでも一瞬で行くことができる。
聞いたところによると、あれは手だけを別の所に出したりもできるらしい。
きっと蒼は
おそらくだが、君丈がお化け屋敷とかがつまらないと思うようになったのはこのせいだと今なら思う。
作り物のお化けなど縷々の驚かし方にはかなわないのだ。
そして君丈は縷々がやっていることを知っていたのだろう。
ちなみに縷々は
昔に心霊スポットでガチの幽霊らしきものに
・・・やめよう、思い出したらなんだか
「あ」
「どうしたありす、
「上見て」
また驚かしに来たのかと思って上を見るが、そこには
ありすが何を言いたいのか知りたくてよくよく見てみると―
「あ」
間抜けな声をあげたのは次は俺の方だった。
そうかかれていたのだ。
いつの間にか走り回って
「・・・
「・・・そうだな」
立ち上がり、教室の
中にはいつものように
「ごーるおめでとう」
やる気のない声でゴールを
手元にはゴールおめでとうと書かれた
おそらく蒼が書いたものだろう。
「ほら、
そっけなく
「ありがとよ。それなりに楽しかった」
「そうかい。そりゃよかったな。ほら、
「握手って、なんか
「
「へぇーそんな事もできるのか」
きっと蒼的にはロキと
「・・・ロキ、なんかお前
「と、
なんと、ロキはスライムのように溶けて行った。
「くっくっく。今日の所は
いつの間にか
握手なんて変な事言いだしたと思ったらこれがやりたかったのか。
「握手で気づきなさいよ」
「くそっ。
ロキとありすに
「ついたー!さすがに悠真君とありすちゃんは先についてたかー。ちょっと
「あれ、縷々、蒼は?」
「ん?ここにいるよー?」
どこにいるのかと
「なーんか
縷々、
その後、気絶する蒼に
いまだにある
そんなこんなでひと
俺達も家に
「
また次の日。
俺は
夏休み
「まあ
「なんか自分の家みたいに言ってるけど、ここ、ただの
「
大人しくベンチに座る。
男子高校生が二人で
「話しってなんだよ」
「あー、まあなんだ」
「・・・なんだよ、
「今までごめんな」
ありす、フレイヤ、そしてしまいには蒼からも
ありすが言うように、ここ数日の事は蒼が俺たちの事を気にしての事だったのだろうか。
「・・・ありすとフレイヤにも謝られたよ。でもよ、謝られたってどうしていいかわかんねぇよ。そもそも俺が
「そうなんだけどな。でも俺たちの
「・・・そうか」
「今からそんな顔してるとこの先もたないぜー?大変なのはこれからなんだ。悠真には悪いが、俺に変わってオーディンの仕事をしてもらわなきゃならん。と言っても
ばしばしと
おちゃらけてる所は
「蒼、そんな事言ってお前の方が大変なんじゃないのか?神様の
「んーまあな。いいんだよ、俺の事は。俺の責任なんだ。そこに
「そんな事言ってもさ」
「いいのいいの!俺の事は考えるな。終わった事だ」
ふとベンチから腰をあげる蒼。
「まあ、またいつか会えたらいいな」
「・・・なんだよその言い方、会おうと思ったら会えるだろ?」
「さっき悠真も言ったろ?俺は
少し
その顔はなぜか
「ま・・・
俺も立ち上がってすぐに後を
だが、なぜか体が
俺は重い体をなんとかして動かそうと、
でも手は
ついに蒼は光に
「あおーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
大声を出すのと同時に、自分が
体を起き上がらせる。
さっきまでの重さは
「・・・
時間は
今日は蒼に呼び出されたはずだった。
でもどこからが夢なのかはっきりしない。
ふと
しかし、その
そこには蒼からの呼び出しのメールはなかった。
だとするならば、
「まあもし蒼がいなくなっても、またひょっこり
いつものように。
そして変わらない
夏休みが終わって、
そして高校が終わってからもきっといい
俺はまた
一度起きたのにすんなりと寝ることができそうだ。
明日はどんな1日になるだろうか・・・
だが、のちに俺は
この時に蒼に連絡すればなにかが変わっていたのかもしれない。
変わらなくても、きっと何かがあったはずだ。
こんな終わり方なんて
四章 【完結】
予告
「優斗・・・」
「無理・・・私には無理・・・」
「ありす!」
「俺の・・・せいだ」
「合宿だ」
「俺様ももちろん参加する」
「前オーディンから頼まれて私はここにいるのですよぉ」
「神様って・・・何なんだよ」
「貴様らのせいだ」
「教えてよ!オーディンは、優斗はどこ!」
「夢に出てきたんだ・・・」
「蒼が・・・死んだ・・・?」
次章 ヴァルハラの戦神 5章【蒼希優斗】
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