二幕 【夏祭り編】
ザザー。
空はまだ少し
なんとなく目が
何をするわけでもなく、一人砂浜に座って
もっと男として
なんせ俺は少し前までれっきとした人間だったんだから。
でも神となって数日しかたってない今でも、少しずつ、なんとなくだが自分が神であると自分の
それが今の俺には
「あれー?悠真くんだぁー」
声のする方に
「どうしたの?」
声をかけてくれる縷々の顔はなんとなく
「縷々の方こそどうしたんだよ」
「えー?うーん・・・朝の海ってなんかいいなーって」
「そっか」
何を言えばいいかわからなくて
そのまま縷々から目をそらしてまた海を
静かに波の音だけが聞こえてくる。
縷々は
「ごめん、
縷々にしては
いつもの少しふざけた感じはなく、体育座りしている縷々の顔は、下から半分を自分の
「ほんとはね、悠真君がいたから。今にも
縷々なりに気を使ってくれているんだろう。
いつもの
でもそうさせているのは俺だ。
「
縷々の一言に俺は何も
なんというか、
でもよく考えてみれば
その
「
それを俺は静かに
「学校なんてさぼって海行こうぜーって
楽しそうに話す縷々になんとなく目をやった。
いつもの
なんだかその笑顔をみているとうじうじと
「楽しかったってな、こっちは
「ごめんごめん」
てへぺろと
いつもの事だが、少しイラッと来る
昔は
それこそ、今海にいるように。
「あと、学校サボって海行こうって言って
「えー!そうだったっけ?まー
いつものテンションでいつの間にか話している俺と縷々がいた。
何かあった時もこんな感じで縷々が俺の調子を
そしてまた皆で遊びに行くんだ。
後先なんて考えずに、
そしてまた怒られる。
昔に戻りたいとは思わない。
今だってこうやって遊んでいられるし、皆がいる。
いつか
「お
いきなり大声を出す縷々に俺は少し
すると縷々はこっちに
「お祭りだよ!お祭り!明日だよ!行こうよ!」
「行こうよって、今日の皆でか?」
「うーん、それもいいけどー、久しぶりに三人でいかない?また昔みたいにさー!」
「君丈が
というかすっかり
「君丈くんは私がひっぱってくるよー。どうせお祭りの時間は夜からだしー?なんとかなるし
縷々が言うと何とかなる気がしてくるのが不思議だ。
実際こうやって俺は縷々と君丈にひきづり回されたのだから。
今思えば神だったこともなにかしら無理を
でも、だからこそ
縷々が言うならきっと明日は三人でお祭りに行けるだろうと。
最近は何かと蒼やありすと
「わかったよ。明日は三人でお祭りに行こう。
「うんうん!物わかりがいいねぇー!よしよししてあげよう」
縷々になぜか頭を
これも昔よくあった
俺が怒られて帰ってきたときも縷々にうやむやにされてしまう。
その
俺は
4章 2幕【夏祭り編】
次の日。
「待たせたな」
「ほんとだよー、たこ
「多《おお)いわ」
君丈はよくある
それに
「おいおい
いつものように心を
「いや、むしろ一日くらいでよく
「そりゃあそうだろ!お祭りと言ったら浴衣、甚平、
「すまんすまん」
お祭りはよくある
人もそれなりに集まっていて、お祭りを回りきるのは多少なりとも時間がかかる。
俺たち三人はゆっくりと進みながら
「ねーねー悠真くーん。たこ焼きだよー?」
「あーはいはい、
「やったぁー!」
「・・・ほらよ」
「これが・・・
「なんでそんな初めてたこ焼きを見た人みたいなリアクションなんだよ」
「その方がおいしく食べれるかなーって・・・んー!
「一個かよ」
それを俺と君丈は少し
「いつまでたっても
「変わらねぇさ。今も昔もな」
君丈にいたっては昔よりはそこまではしゃがなくなった。
それでも
変わらないものなんてないとはよく言うが、縷々のようにいつまでも変わらないものもあるのではないだろうか。
俺にとっては
俺は
でも、変わらないものもあるし、俺が今まで
「まあいいんじゃねぇか、楽しかったらなんでもよ」
君丈は
俺が女子なら
「なんかありがとな」
「別に
「
「いいんだよ。俺はお前らが言うならいつだって部活なんて休むぜ」
「・・・もしかして海行きたかったか?」
「どうだろうな?」
そんな君丈の意外な
いつもの光景。
いや、いつもあった光景。
これだけは
俺たち三人はいつでも一緒だし、
神とか
そうでありたい、そうあるべきなんだと
「悠真くーん、りんご
「はいはい、わかりましたよ」
「あ、やっぱりいちご飴がいい!」
「お
このままの
君丈に
「あれ、君丈は?」
「んー?きみひゃけふんいはいほー?」
「お前は食べるか
「まあすぐ
いつまでものんきな
まあ縷々がいなくなったら問題だが、君丈なら一人でも
かくゆう俺ものんきだった。
縷々と一緒にそのままお祭りを
お祭り
そこには人だかりができていた。
「なんで
「花火があるんだよー」
「え、昔はそんなのなかったよな」
「私も
縷々が言ったそばから花火が打ちあがる。
小さな花火から始まり、どんどんとでかい花火になっていく。
「
「夏って感じだな」
二人とも
花火も
「
「ん?」
俺は花火を見ながら
花火はラストに
「私ね、ゆ―」
今日一番のでかい花火が花を
いつも思う事だが、花火と言うのは少し
綺麗な花を空にあんなに
そういえば今縷々が何か言ってたような気がする。
「なんか言ったか?」
「
「皆って言っても君丈いないままだけどな」
「呼んだか?」
「おわっ!」
いつの間にか
どこ言ってんだよーと言うと
そして楽しかったねーと言いながら皆で一緒に帰ったのだった。
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