第四章 【夏休み】
一幕 【海水浴篇】
キュー、キュー。
「
カモメが元気に
だが、俺はカモメほどには元気になれなかった。
「
「いいんだか
「何、
「そういうありすは元気そうだな。
「
「んー、まあな」
俺とありすは今、近くの
来ているのは俺とありすだけではない。
ロキ
熱いのが
それと
ありすは蒼が気を使っていると言うが、本人が単純に遊びたかっただけのように俺には思うけどな。
4章 1幕【海水浴編】
「
「それは俺も言わなきゃいけないのか?」
「当たり前じゃない」
「ありすさん退院おめでとうございます」
「なんで
俺とありすが退院したのは
病院の先生の
日付を
おおよそ
休むことはできなかったが、ある
俺とありすは夏休みの頭から今までにかけて、自分たちが
俺、
それも先日落ち着き、今となっては俺がオーディン、そして
らしいと言うのは、全て事をまとめたのは俺達ではないからだ。
元々のオーディンであり、事の
自分の
そして俺がオーディンとなったことで何をすればいいのかも
ただその一言に今の俺の全てが
「あれ、優斗から
「ほんとだ。なに?
神の下っ端として
そんなこんなでやってきた魔術研究会。
俺達が
それを蒼がきちんとした部活として俺達を
学校もよくこんな
「よくきたな。まあ
部室に来てみると、どこから持ち出したのかソファーが
そこに蒼がどっしりと座っている。
「いや、
奥にはいつものように、
そこに座っているのはロキだ。
人間としての名前は
その周りにはロキの眷属である三人が思い思いにくつろいでいた。
ロキとは違い、三人は俺達が来たことに何の
「
「俺様を人間の名で呼ぶな。俺様はロキだ。それとお前は何を
「で?何するってんだ?」
蒼につっかかるロキを
ロキは自分の発言がさえぎられた事によりさらにふてくされてしまった。
「よくぞ聞いてくれました。では発表します。ででん!皆で海に行きます!」
「はぁ?私達退院したばっかなのよ?」
ありすがそう言うと、蒼の方はやれやれと言った
「そんな事言ってー。お前らはフレイヤの
「はーい!そうだよー。私とフレイヤがなおしましたー!」
君丈の
俺の
君丈は
縷々はフレイヤと言う魔法を
「まあいいんじゃねぇか?悠真もありすも夏休みっぽい事なんもしてないだろ。俺と縷々は残念ながら部活だけどな」
「え?あー、うん。そうだねー。部活があるもんねー・・・」
君丈の一言になんだか残念そうにする縷々。
縷々ってそんなに海好きだったのか?
「じゃあメンバーは俺と
「おいっ俺様達を勝手に入れるな」
「ちょっと、
「じゃあなんか用事でもあるのか?」
「・・・ないけどさ」
「じゃあ決まりだな。行くのは明日だ。
蒼に
ロキは
そんなこんなで皆が蒼に
「待って!」
ならなかった。
声をあげたのは縷々だ。
「わ、私も行く!ほ、ほらー、フレイヤのスキーズブラズニルがあればー?海も
そんなに海に行きたいか。
ちなみにスキーズブラズニルはフレイヤの持つ
いわゆるなんちゃらドア。
「縷々、お前部活は?」
「それはーそのー、あれだよ。うん。なんとかなるさー・・・てきな?」
という終始謎な縷々の
ここで
「あれー?悠真君とありすちゃん、もー遊ばないのー?」
俺とありすが
昨日とは違い、
縷々のでかい
いつも通りのふりふりの
「悠真、今変な事考えたでしょ」
「俺は少し疲れたから
俺とは違い、
正確にはロキで遊んでいるが正しいように思えたが、そこらへんは気にしないことにした。
「私も疲れたから少しやすもっかなー」
そう言って俺の
俺の横にはありすと縷々が座っていて、なんとも他の男たちの
「今言うのもなんだけど、
本当に
「ありすが
「なんていうか・・・
「別にいいんじゃねぇか?それはそれでも」
「でも、いろいろあった後だし!・・・あと・・・だし」
俺はその
おそらくキスの事でも考えたのだろう。
と、冷静に
「???」
目を背けた先には縷々の
恥ずかしがっている自分の顔など見せたくなくてまた目を背ける。
ありすもありすで恥ずかしくて同じような事になっているのは
「え、待って待って、シリアスな
立ち上がり二人をゆすり
「口をはさんで
声の主は縷々から変わったフレイヤだ。
このタイミングでフレイヤも謝り始めるなんて
というかフレイヤの空気の読めなささ
いや、変な
「やめだやめ。なんで遊びに来てこんな
ありすといつの間にかフレイヤから変わった縷々はそれに
「いつの間にこんなホテルを・・・」
帰りもフレイヤのスキーズブラズニルで帰るのかと思っていたが、蒼がホテルに
「お金とかどうしたんだよ。もしかして蒼が?」
蒼は俺達と違って何百年も生きているらしい。
この前の
そんな蒼ならお金くらいならたくさん持っているのかもしれない。
だとしても学生がこんなホテルに泊まるなんて
「オーディンもどきじゃねぇ、このロキ様が
蒼の事を
ロキはいまだに謎に
「なんかお金払ってもらって悪いな」
蒼にはなんとなく
なんとなくそう思った。が―
「あ?俺様がなんで
「は?じゃあどうやって」
と聞いた俺を誰か
この後の言葉を俺は聞きたくはなかった。
「もちろんハッキングだが?」
何か
問題だらけだろう。
「もちろんじゃねぇよ。ばれたら俺達
「
「なんでそこで
「学校に
思ったさ。
ありすが転校してきて、その数日後には蒼が俺たちのクラスに転校してきた。
普通なら他のクラスに行くはずだ。
だが、今の今まで頭の中からなんとなく気にしないようにしてきた。
ロキの
「
「それとハッキングに何の
そして
いや、頭が痛い。
「ふぅ」
そんなベッドに横になり、とりあえず落ち着こうとため
やっぱり神様ってのはなんでもありだな。
その神様の
俺もこの
「なんだかなぁ」
自分の
だが、
神様と言ってもそんなものくらいにしか思っていなかった。
自分と同じ
だが、きちんと考えてみるとかけ
ロキが前に
だとしたら俺の生まれる以前にも君丈と縷々はいたことになる。
いや、縷々は違うか。
そう考えると君丈や蒼がものすごく遠い存在に
今では同じ存在と言っても、俺にはまだまだ
「はぁ・・・」
この部屋に来てから二度目のため息。
先ほどのため息とは
俺はこの先、この
それも時が来れば
慣れてしまった時、俺は本当に人ではなくなる。
だが、それが今の俺にはいい事には思えなかった。
なんだかんだ言っても人間として
今だから思う事。
もうそれは
俺はオーディン。
神様だ。
何をすべきかはわからない。
だが、この先人間として生きることも
それがすごく
だからと言って
「・・・」
次はため息すらも出なかった。
その
だめだな、こんなネガティブじゃ。
コンコン
「
訪問者の
ドアを開け、中に迎え入れると、ありすは
「なしたんだ?」
「あの・・・海での話の
うやむやになってしまった話し。
一度きちんと話そうと思ったありすにとっては、話にけりをつけないともやもやするのだろう。
なんとも
そんな不器用さは、ありすが
だからこそ
だからこそちゃんとしておきたいのが今のありすの
なんにせよ、
それは
一人ネガティブになっている俺とは違って、ありすは前を
男として
「あぁ・・・」
だからと言って何か気の
その沈黙を
「その・・・力になりたいって気持ちは本当なの。
「それって・・・」
どう
これは
「だからその・・・なんていうか・・・洞窟の、あれは
一人で
つまりはこれからも
少し残念ではあるが(残念なのか?)それが二人にとって一番いい
というか今の俺にはいい
「わかったわかった。
「・・・ありがと」
なんだか
どんな
神としては。
ありすが
自分が
何か大切な物を
そんな気がした。
もう桂木悠真ではない。
オーディンなのだ。
ベッドに横になってから寝るまでは早かった。
それをわかる
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