外伝 【ロキと眷属】
だが、俺様が知っている神はそんなものではない。
確かに万物を想像する神を知っている。
いや、神達を知っている。
だが、【
俺様はロキ。
俺様の名を知るものは
だが、そんな
俺様は俺様。
ロキと言う
そうあるべきなのだ。
この世の中は俺様中心に回っていて、俺様の
そうやって生きてきた。
神には
いつの間にかそこにいたなんてのはよくあることだ。
最近の話しで言えばそれも少なくなりつつあるが。
世界の
まああれだ、つまりは今は
俺様たち、神は
自分の
それを俺様達は
さて、話がそれてしまった。
なにからそれたって?
つまるところ、俺様が言いたいのは、今回の
もちろんそんなことは俺様には
だが、俺様がロキだと自覚し、気づいた時にはこのありさまだ。
なかなか出会える状況ではない。
どういうことかって?
俺様は今【森の中】で一人
なぜって?俺が知りたい。
まず一人でここに来たわけではないだろう。
親に
おそらくは
俺様がロキだと知ることはないが、俺様を
今までの
さあ、今回はここから
ロキとして、悪名を世界に
『世界よ、
ヴァルハラ外伝 ロキと眷属
と、言ったものの、こんな
神は基本的に
死ぬほどの
神同士の
俺様が赤ん坊だとしても、
「あうー」
言葉も
そんな生活から数年がたち、
生きる分には
どうやらここはただの森ではなく、山の中のようだった。
ふもとに
だが、俺様は人間が
いや、
まあそんな昔の話はどうでもいい。
それに人間と
近くに
そこには教会を
どうやって
毎日のように山を歩き回り、捨てられている子供がいないか見回っているようだ。
俺様はそんな中に入りたくなくて
どうやらここは
何百年とそんなものは見ていなかったが、いまだにそんな事をする奴らがいたとは。
そんな捨てられた子供を集めて育てる変わり者があのシスターと言うわけだ。
これだから人間は。
何にしろ、
事が起きたのは世間で小学生と呼ばれる年齢になって数年の事だ。
俺様はいつものように食料を調達してボロ小屋でのんびりとしていた。
ある程度の年齢になるまでは神の力を使って行動した所で変に
それを全て神の力で
昔は子供の姿の方が動きやすかったのだが。
とにかく
「ほら!やっぱり子供だ!」
何も行動する気がなかった俺様はボロ小屋の扉が
今まで隠れて
「ほんとにいるなんて・・・
「ねぇねぇ君、一緒に
遊ぼうと来たか。
年齢的には
これが一昔前なら相手が子供とは言えど
「
こいつらと群れる気など全くもってない。
だが、俺の
「なんで?
先ほどからぐいぐいと来るこの子は、
こいつは
そもそも俺様は遊んでいるわけではない。
「知るか。
「そんな
俺様はその神様なのだがな。
「葉月、ここは
これで
自分で椿と言っていたが、この椿と言う少女は葉月と言う子のお
お姉さんとしてしっかりしなくてはという子どもならではの大人ぶる
こういうやつの鼻をへし折るのは俺の
「貴様らと
言い
なんて事は思うわけがない。
だが、目の前の二人には
シスターに
二人は
これでまた
と、思ったのだが・・・
「君か、
シスターだ。
子供たちに気づかれた
「ちっ。うるせえ」
「こーら!そんな言葉遣いしないの!とにかく一緒に教会に行くよ」
大人相手となると子供では何を言っても
これはめんどくさいことになった。
「なっ!やめろ!
「またそんな事言って・・・どこで
むりやり
おそらく近くまでシスターと三人で子供がいないか見回っていたのだろう。
教会に
ここでは
やはりお金の
一見優しそうに見えるこのシスターには
ここで全てを
見つかった以上逆にこのシスターに取り入って裏の世界から世界を
そんな事を
それからはあったかいご
だが、事は思うように
「いつもありがとね」
「いいんですよ。シスターとこの教会にはどれだけ
シスターの元にいつもの二人組の男が
前に話しを
今では
何百年と昔からあるひっそりとした
おそらくそれ以上の
おそらくだがこのシスターもここの教会の子だったのだろう。
もう何十年も昔の話しだろうが、そうやってここは何百年と
つまるところ、俺がここにいても何の
まあだからと言ってすぐにここを離れる気もない。
なぜか?
こんな小学生が
せめて中学生くらいの見た目になるまでは
さて、そんなただただ
俺はここでは
人間風情の
輪廻転生は神としての
そんな優等生の俺様だが、あまり優等生として
「ねぇ、
声をかけてきたのはシスターだ。
いつの間にか社会人となった教会の子供は
ちなみに遼平と言うのはロキである俺様にこの教会で与えられた名前だ。
正直《しょうじき)人間の名前などどうでもいい。
「なんであんな奴らと遊ばなきゃならないんだ」
「なんで遊びたくないの?」
ここ数年一緒に過ごしていてシスターは完全に俺様の
最近では言葉を直せなどとは言ってこない
俺様が優等生ながら優等生扱いされないのはこれが
他の子達と遊んだりせず、むしろいじめるくらいの事もある。
俺様には
「・・・
「でもきっと一緒に遊んだら面白いよ?」
「シスター、こうは思わないのか?俺様があいつらの元へいったらあいつらをいじめると」
「うーん、そこは仲良くしてほしいんだけどなぁ」
「
「そっかぁ・・・じゃあ私と一緒にここで見てよっか」
そういうと
全くもってめんどくさい存在だ。
「ねぇねぇシスターも遊ぼうよー!」
声をかけてきたのは俺様をボロ小屋で見つけた
最初は男かとも思ったがどうやら女らしい。
女にしてはかなり
「私はここで遼平君と見てるわー!」
葉月に届くように声を大きくして答えるシスター。
葉月は一緒に遊んでいる二人とひそひそと
子供たちにはある程度のグループがある。
仲のいいグループがあると言うだけで、遊ぶときは皆で遊んでいるわけだが、今日は他《ほか)の男子と遊んでいるわけではなく、自分の仲のいい友達と遊んでいた。
「し、シスター・・・これ、作ってみたの」
葉月の元から一人の子供がやってきた。
俺様に
「ありがとね、
来たのは那覇と言う男子だ。
見た目は
葉月と那覇を横に
男にしては
那覇は葉月と俺様にいじめを
もちろんそんなものは
その少女は見た目通りの可愛らしい少女で、あのグループの
俺様をいじめようとした時も、俺様の事ではなく、葉月と那覇の事を
ちなみにこの少女は葉月と一緒に俺を見つけた
二人よりも一つ年上らしい。
ちなみに
これはシスターもしらない。
俺様が
三人は何か
しばらくすると一つ上の少女の椿がこちらに
だが、
「これ、この前のお
と、勝手に花飾りを渡して
「よかったじゃない。一緒に遊んできたら?」
「行かねぇよ」
ちなみに俺様はシスターの方など見ていないが、
これは神の
神なら
心で考えている事すらなんとなくわかるくらいだ。
まあそもそもこれは神が
逆に言えば普段から使っていると
まあ俺様はそんな事はないがな。
そんな
今日は子供達がやたらと
それもそのはずだ。
「おい、遼平、お前の
「いくらなんでもこんな子供一人で大人と子供をどっかにやれるかよ」
「じゃあシスターと
「知るかそんなもん」
つまるところ、
確か一緒に見回りに行ったはずだ。
ご飯などはいつも皆で作っているため、困りはしなかったが、二人が帰ってこないことによって子供達が
シスターの言いつけで何かあった場合は教会からでないと言う
「
次は葉月か。
確かに俺様は小学生ながらにしてすでに中学生の所まで勉強ができるのを見せている。
それ以上先にも進めるが、あまり
だが、ここにきてそれすらもあだとなるとは。
「だから知らねぇよ。そもそもお前らだって俺様が教会の中にずっといたのは知ってんだろ」
「それは・・・そうだけど」
どうにかして二人の
俺様くらいしか思い当たらないから俺様にあたっているわけだ。
ちなみに言うとその考えは
なんてったって俺様は神だ。
知らずとも
これは俺様の
「なあ・・・本当に知らないのか?」
「知るか」
まあ知っていたところで
それに
俺様はここでのんびりとこいつらが
その後も子供達は騒いだり泣いたり考えたりと子供ながらにして
だがそれも長くは
シスターの言いつけを
「遼平」
「なんだよ」
「この前の事は
那覇は
わらにもすがる思いとはこの事だ。
だが、ガキにしてはきちんと
今まで
この状況をどうにかするために自分の
俺がこの状況を
まあ
「・・・ちっ。めんどくせえ。葉月、那覇、ついてこい」
そう言って外に二人を連れ出していく。
二人は
「りょ、遼平、どこ行くんだよ」
那覇の
「
「でもどこに行ったかわからなんじゃ」
「
「はぁ!?なんでだよ!やっぱりお前がっ!」
「信じるも信じないもお前たち次第。俺は場所を知っているだけ。それを信じなければ二人は助からないだけの事だ」
「ぐっ・・・」
「那覇、ここは遼平の言うとおりにしよう。何か考えがあるはずだよ」
那覇をなだめる葉月は、少しは頭が回る。
だが、こんな
「ところで、お前ら助け出したいって言うからには
「覚悟?」
まあ俺様もわかるような言い方をするようなことはしないが。
「まあなんでもいい。お前ら二人は俺様の
「なにそれ?」
「なるのかならないのか」
「な、なるよ・・・」
だが今すぐ眷属にするわけではない。
俺の
今後この三人には俺様と行動して
そのための
こいつらは俺様の
不安がる二人を引き連れてやってきたのはいつかのボロ
何百年前からここにあるのだろう。
今にも
それを調べるつもりはないが、きっと神に関わる誰かがたてたんだろ。
そんな事はどうでもよかった。
とにかくここに二人はいるはずだ。
まあ、
「あ?なんだこのガキ」
「
男達は自分で言ったことに笑っていた。
何が
さっさとすませてしまうか。
「笑ってるとこ
「あっはっはっはっ・・・はぁ!?」
その場にいた
俺様が
椿を
その手には
子供になんてものを
俺様は
さすがの俺様でもこの体では一人を運ぶのが
「す、すげぇ」
「那覇、
「お、おう。・・・これ
おそらくこの三人は
ふと見かけた二人を、
と言った所か。
まあ二人の場所を探すついでにシスターの耳から少し聞いてたんだがな。
「なんだこのガキ・・・」
三人がかりで
まあ何人でかかろうと俺様には―
「なんだ・・・これ」
俺の
そもそもその短剣は完全《かんぜん)に避けたはずだ。
それに力が入らない。
まさか、あの短剣、
だが、もしこいつらが
なんにせよ、
こうなるとシスターを
いくらなんでも神殺しの短剣であれば俺様でも
それに避けても当たる剣なのか、見えないリーチがある剣なのかもわからない。
「ちっ。くやろう
とはいえ、逃げようとしてもこの
死のうが
どうにかしてこの三人を逃がす事が
シスターには
「
「
「後で助けに来る!今は―」
助けになんて行く気はない。
神の力でこいつらを
そしてその後にシスターがどうにかなってから
それが
だが、俺が三人に声をかけている
そして
「皆!逃げて!早く!」
大人だから?
シスターだから?
いや、何にせよ、
どれだけ
自分の命を投げ出すような
だが、そんな自分を
俺様の見立てではシスターみたいなやつが一番自分の命を一番大事にするタイプだ。
逃げろと言って自分を助けに来るのを
いや、子供こそ自分の命が大事に思っている事をわからない女ではあるまい。
自分の子供でもない子達に対して本気でこの女は自分の命を捨てろと言っているのか。
そんな人間は
なんだこれは。
くそくだらねぇ。
くだらねぇくだらねぇくだらねぇ。
「考えが変わった。おい、ガキ共。
後ろの三人はおそらくきょとんとした顔で俺様を見ているだろう。
今しかない。
今しかないんだ。
「ガキ共、俺の血を
「お前、何言って―」
「いいから
那覇の言葉をさえぎって自分の右手を少し後ろに出す。
俺様の右手は
この血をガキ共が自分の
問題はこんな状況でわけのわからない俺様のいう事を
だが、
「はむっ!」
俺の手に
「
椿の行動にあおられて
「なんだよ、なんなんだよ!わけわからねぇよ!」
最後まで血を吸おうとしないのは
「那覇!シスターを助けたいなら言う事を聞け!」
俺様達の
せいぜい
「那覇!」
俺様は
「もうどうにでもなれ!」
これで三人。
俺様は神の中でも
もちろん、その
眷属になる方法はたくさんあるが、俺様の場合は三人同時に契約しないと契約が
三人同時に契約するには自分の血を
三人が俺様の血を吸うと、俺様を中心に光があふれてくる。
契約が完了した
「契約完了。いけ、しもべたち」
そういっていつの
「な、なんだ!なんだあれ!」
「ひぃ!
「なんなんだよ!なんなんだよー!」
強盗が
そんなのは昔から決まっている。
「すげえ!なにこれ!ふっさふさ!」
「俺なんて
「この力って・・・」
化け物と化した三人がそれぞれの
化け物となってしまった自分の
逃げ戸惑うのか。
この光景に
いずれにせよ、このシスターの
化け物と
そしてシスターは何も
いつの
くそくだらねぇ。
「みんな・・・ありがとう」
だが、
なんとシスターは俺様達を
ここまで行くと
俺様の出会ってきた人間にはこんなやつはいなかった。
もし俺様が最初にあっていたのがこんな人間なら・・・
いや、もうどうでもいい話だ。
「シスター!
自分の毛を
「こっちはつるつるだよ!ひんやりしてるよ!」
それに続いて
「わたしは・・・黒いよ」
そして眷属となったことで
「ちっ」
俺様が見たかったものはこんなものではない。
こんなものでは・・・
こんな
自分にないものを
それともサガなのだろうか。
一番きっと
だが、もう
俺様には・・・
ばしゃ。
水が
とめどなくあふれていた血で倒れた場所には大きな血だまりができている。
ロキである遼平はそんな事では死なない。
だが、
遼平は
聞こえるか聞こえないかの声で
遼平にとってはそれが最高の
「・・・
目が
俺様の事を
三人の姿はすでに人間の姿に戻っており、化け物だった
「
「・・・まあな」
少し
こいつはほんとうに人間なのか。
そう思えるほどの愛に
これが本当の
そんな物を持ち合わせているのは
だが人間にもいてもいいのかもしれない。
「
「驚いてるよ。でも、世の中って不思議な事はいっぱいあるもの。それがたまたま遼平君だったってだけでしょ?」
どこまでもこの女は気持ち悪い。
そこまでこの世界に
「ねぇねぇ、遼平君、私もすごい力が使えるようになったりするのかな?」
「
「そっかぁ」
なんとなくそのシスターの
「んー・・・あっ!遼平起きたの!」
葉月が起きたことにより、那覇も椿も起き上がってくる。
「やかましいやつらだな」
「ほんとにありがとね!」
「私からもありがとう」
椿とシスターがお礼を言ってくる。
「っていうかあれなんだよ!」
「その話だが、お前らの
だが、俺様は
ここは俺様のような
だからここを
「えー!なんでだよ!かっこいいじゃん!やだやだやだ!」
「そんな
少しは俺様に
「遼平君、もう少しここにいてよ。出ていくって言うのならしょうがないかもしれないけど、
「そんなものは記憶を消せば」
「じゃあなんでそれを
「ちっ」
シスターの
シスターが言った通り、ここにいる四人の記憶には少しばかり
一度眷属になっている三人。
そして近くに居ながらもその
いくら神の力と言っても、完全な記憶の消去は今の所
だからこそ記憶が残っていても
「ちっ。わかったよ。しばらくはここにいてやる。でも俺はここを出ていくからな」
それぞれが
ここにいては本当に自分が
と、言った所で
記憶は一日くらいかけて消せばしばらくは持つだろう。
俺様が神としての力が
「せいやーーーー!!」
「がっっ」
後ろからの
「一緒にいるって言ったじゃん!」
タックルをしてきたのは
その
ロキの
その
「くそめんどくせぇ。なんで起きてんだよ・・・」
フェンリルこと葉月に
「行くなよ!この・・・へたれ!」
自分の持っている言葉の中で最大の
ヨルムンガンド。
ロキの眷属、
大きさは自由に変えられるため、今は普通の白蛇だが、
おそらく見つかったのはこいつの
先に眷属の力を
「私もいるわよ」
足元がなくなり、黒いオーラで
ヘルになった椿には感情がなくなり、足もなくなり、さらには
そんな
「皆、
教会の入り口にはいつの間にかシスターがたっている。
「「「シスター!!」」」
三人は
ガキ
「ねぇ、遼平、ほんとに出てくつもりなの?」
「俺様はお前らなんかとは
「神様なら私達を守ってよ!また昨日みたいなことになったら次は
「そんなもんは自分たちで守れ。それにだな、俺様は神でもいい神様じゃないんだ。そんな守るだの―」
「でも昨日は助けてくれたじゃん!」
「それは・・・気まぐれだ」
「気まぐれでいいから私達の側にいてよ!私達、遼平の・・・しもべなんでしょ!」
葉月の
ここでの生活が長すぎて俺様は
だからこそ
「・・・お前ら俺様のしもべでいいのか」
「「「いい!!!」」」
三人が口をそろえて
「はぁ・・・めんどくせぇ。わかったわかった。今度はいなくなんねぇよ。神に
「神様なのに神に誓うなんておかしいの」
那覇が笑う。
だが、何もおかしい事はない。
「だって、ここは教会だろ?教会で誓ったら必ず守らなければ
天罰など
だが、今の言葉に
世界を
少しくらいここでのんびりしていてもいいだろう。
俺様も、ずいぶん甘くなったな・・・
そういってロキこと遼平は、皆に
それをシスターが
いつの
ロキは長年の願いが
そして時がたち、出会うのだ。
ヴァルハラ外伝 ロキと眷属
―完―
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