五幕 【暴走の果てに】
「遅かったか・・・」
ヘルメスをくい止められなかった俺は
力の
ヘルメスはまだ暴走はしないと言っていた。
だから
「ヘルメスの
暴走している悠真の近くにありすがいないと言う事は、ありすは違う場所にいるはずだ。
自分の中のありすの
気配が消えかかっている。
「まさか・・・」
ありすの気配を感じる場所に飛び立つ。
そこには
「ありす!」
「悠真を・・・助け・・・て・・・」
その言葉だけを
このままではありすは死んでしまう。
「死にゆく体の時を
悠久の黄昏。
他人に使うものではない。
「問題は悠真か」
空を
おそらく暴走した悠真を生きて返そうなどとは思うまい。
ならば悠真を助け出せるのは今ここには俺だけだ。
小さく、手の中に
3章 5幕【暴走の果てに】
「私の計算違い・・・それともこれもイレギュラーのなせる
「ヘルメス様、もうこの者は助かりません。
「おそらくですが、
「
ヘルメスと千里の声が聞こえる。
ヘルメスは
もちろんその
悠真の今の力は
「がああああああああああああああ!」
悠真が
千里が
おそらくでかい鎌はヘルメスが持つ
ハルパーだろう。
ハルパーには神を殺す力があるとされる。
だが、
悠真は知っているはずもなく、ヘルメスに
手にはありすを
「悠真!
「オーディン、
悠真の
まずはこの
「ヘルメス!話がある!」
「私にはありませんねぇ」
グングニルとハルパー、そして千里の足がぶつかり合う音だ。
千里の足はヴァルキリアの
ヘルメスのタラリアという神器の
攻撃も
ヘルメスの持つ神器の全てがチート級の力を持っている。
今戦いに参加しても俺は
だからと言って
「兵装!スタイル、ヴァルハラ!」
「ヴァルハラスタイルでの兵装ですか。それは
「ヘルメス様。通常の兵装を
「そうでしたそうでした。あの時は本当に手を焼かされたものです」
だが、あちらも
悠真には戦闘知識はないが、
神落ちによる力の
「どんな姿だろうと俺は勝たねばならない」
一人でそう
1対1対2の
悠真の攻撃を
その攻撃をくらう悠真に、
千里がそれに
それぞれがそれぞれを攻撃しあう。
最終的には体力勝負となるだろう。
だが、俺は
どうにかして悠真をヘルメスたちから引きはがし、ヘルメスと
おそらくヘルメスならその交渉に
武器と武器が
下にある森が火花で引火してしまうんではないかと言うほどに激しくぶつかり合いながら、時を待った。
「しぶといですねぇ。私も本気を出さないといけないですかねぇ」
「ヘルメス様。ここはオーディンを一旦倒してしまうのはどうでしょうか」
来た。
これはチャンスだ。
あの二人の考えならおそらく大きい力で悠真を一旦引きはがしてから俺を倒しに来る。
ここをのがすと次のチャンスはいつかわからなくなってしまう。
俺の
あの杖はケーリュケイオン。
ゼウスの
あの杖を取り出せると言う事はゼウスからの
「千里、
「
千里が悠真との
俺はいったん
「あなたは
杖からバチバチと音を鳴らしながらこちらをうかがうヘルメス。
「今の悠真をそれで倒せないのはお前が一番知ってるんじゃないのか」
「ごもっとも。ではいってみましょうか。
悠真はそれを避けることもできず、雷撃の
「ではオーディン。あなたから
こちらに
だが俺には戦う
「
「交渉するような
俺は何もいわずに
木でできた
これの意味するところはヘルメスならわかるはずだ。
ヘルメスはその棒を見て
「あなた、それの
「もちろんだ」
ため息をつくヘルメスには
「ヘルメス様、あれはなんですか」
「後で千里にも説明しましょう。私たちは
「ですが」
「いいのです。あれはオーディンの
千里はわけがわからないと
この八角柱はヘルメスの
そもそも
ゆっくりとその場から離れる二人を
そこには地上からゆっくりと
同じ高さまで悠真が来ると、俺と悠真は見つめ合う形となった。
「悠真、ごめんな。俺たちはお前に
とうに聞こえていないだろう悠真は、俺の言葉を聞くようにその場にとどまっている。
悠真の目の奥には恨んだりしないと言う気持ちがうかがえる。
俺の
でも、悠真には生きててほしい。
どんなつらい道を歩むことになっても。
それが俺のつけなきゃいけないけじめなんだ。
俺のせいで
「これが最初で最後の俺達の戦いだ。こころしてかかれよ、悠真!」
それに答えるように悠真は吠える。
どちらからともなく前に勢いよく出る。
槍と槍がぶつかり、激しく金属音が
その金属音は
グングニル同士の悲鳴。
俺と悠真の心の
そしてこれからの
「ゆうまああああああああああああ!」
「がああああああああああああああ!」
俺と悠真は叫びながら槍をぶつける。
お互いの攻撃は避けるのも防御するのも間に合わないくらいの激しい戦闘だ。
二人の体が
血が
激しい戦闘の
俺たちの戦いを見ているヘルメスからの
「
「
槍が
俺の
昔、ヘルメスに
悠真が俺に向かって
だが、この
攻撃を
うめき、振り返る悠真。
だがそこにはもう俺はいない。
また背後からの一撃。
悠真が振り返るとまたそこに俺はいない。
三回目となると学習したのか、槍を自分の後方に振り回してくる。
だが
その槍を剣で軽々とはねのけ、もう一撃。
だが、先ほどのヘルメスの
殺すのではない、動きを止めれればそれでいい。
一撃。
さらに一撃。
何十回と切りつけると、悠真の
最後の一撃と、
その
悠真の体は切れてはいないが、槍を
悠真は
声も
俺の本気の中の本気なら、悠真を殺すこともできるだろう。
だが、俺たち神は基本的に他の神を殺せない。
殺せるとしたらヘルメスの
そのどちらも持っていない俺が神を殺せるのは俺がいわゆる
俺の勝ちだ。
「ごめんな」
悠真に
八角柱はゆっくり、ずぶずぶと悠真の体に
八角柱が最後まで入りきると、悠真の体は
その体をしっかりと
ヘルメスたちにももう戦う
「オーディン。
「
「
「天界に
「そういう事ではないのですが・・・まぁいいでしょう。では私たちはお先に失礼しますよ」
少し
ヘルメスの言いたい事はわかっている。
だがそれをまともに返す俺でもないのはヘルメスだって知っているはずだ。
ヘルメス、これはきっと
俺たちは、きっとこういう運命なんだよ。
◆◆◆
体が
ここはどこだろう。
岩の上の
これはベットだ。
俺はベットに
それもすべては目を開ければわかる事だ・・・
俺はゆっくりと目を開けた。
「・・・また
つい先日みた
俺は病院のベットで寝ていた。
「俺、どうなったんだ」
ジークフリートの時も病院に寝ていた。
とするなら今回も俺は何かをやらかしたんだろう。
少しずつ記憶の糸を
「ありす・・・ありす!」
俺とありすはキスをした。
だが、その後に体の
痛む体を起こし、
足をベッドから
一瞬ありすかとも思ったが、そこにいたのは
近くにありすはいない。
「起きたか」
俺は
「・・・ありすは」
「その
うなだれる蒼。
俺は頭が真っ白になって行く。
なんて事をしてしまったんだ・・・
俺は人を1人殺して―
「
いつの間にか開け放たれていた
「ありす!!」
「何よ、うるさいわね。
からからと
隅の方ではくすくすと蒼が笑っていた。
「おい、蒼。どういうことだ」
「どういうこともないわよ。私はトイレに行ってただけ。
ありすはふてくされながらベッドに横になった。
蒼はこらえきれなくなり、大声で笑いながら近くまできて
「すまんすまん。悠真があまりにもありすありす、って言うもんだからからかいたくなってな」
俺はそんなにありすの名前を
してないはずだ。
横では寝ながら聞いてないふりをするありすだが、その
俺だって
「で、
「あーわかったわかった」
まだ
ありすもどうなったかはまだ聞いていないようだ。
「まあ先に
「は?なにが?」
いきなりの事に全く意味が分からなく声が
「悠真、お前は
ありすも蒼の言葉に思わず寝ていた体を起こしていた。
「ちょっと待ってよ、そしたら優斗はどうなるのさ」
「まあ今回の悠真の件は俺が悪いからな。俺は他の神の名が与えられた。いわゆる
神の世界にもそんなものがあるのか。
蒼はオーディンの神名を俺に
「ってことで俺は神様として
わめくありすと
「なんなのよあいつ!」
「まあいいじゃねぇか。・・・それよりごめんな」
「・・・なにがよ」
なんだか
きっとありすの中では
「その
俺はありすのお
どんな
「あーこれは大丈夫。フレイヤが
それもそれで病院から
俺の頭の中にも刺した前の事が残っていたが、あえてそこには
あれから何日が立っているのだろう。
でも
これで本当の本当に
そういう意味では蒼やありすに
ここからが俺の本当のスタートなのだ。
◆◆◆
病室の扉を閉める。
ふぅと息をつくと、俺はまたその場に少しとどまった。
その意味するところを悠真たちが知る事になるのは―
「後一週間か」
長い長い
ここがオーディンとしての
夏休みはまだ残ってる。
悠真たちと目いっぱい
それくらいは
許されなくても遊ぶが。
蒼希優斗は少し
三章 【完結】
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