三幕 【神落ち】
暗く、カーテンがされているその部屋は、なんだか
ここは
そこまできてようやく昨日の
「俺、
生きている事、なぜ
そんな事よりも自分の内から出てきた感情は戦った事実だった。
戦いを
でも皆と同じ立ち位置には来たかった。
それが叶ったのだ。
俺は一種の満足感を覚えていた。
3章 3幕【神落ち】
「ちょうど起きた頃だったか」
部屋に入ってきたのは
昨日、
なぜ狙われているかなどは明日話すと問題を先送りにし、用事があるとさっさと行ってしまった。
だが、昨日はまともに話しを聞ける自信もなかった。
いまでも体がものすごく痛いくらいだ。
日ごろの運動不足がこんな所でたたってくるとは。
「
「・・・とりあえずな」
ありすが声をかけた蒼は、
つまるところ
「ロキ、
「
この部屋に来ると最近は
どうにもそこが定位置らしい。
「まあお
重い
「まず、俺は
「あぁ。聞いたな。でもそれは
俺のその言葉に
いや、もしくは安堵の表情ではなく
「まあそうだな。でも問題はそこから始まってるんだ。結局死ぬんだったら意味がない」
「ちょっと待って、結局死ぬって何?昨日の子は
蒼の言葉に
「違う。たしかにあの子に拘束されても人間としては死ぬかもしれないが、俺が今言っている死ぬと言うのはこのまま悠真とありすが生活していたら死ぬと言う事だ」
死ぬと言うのは、死ぬと言う事で。
俺の頭の中はすでにパニック
「まあ落ち着いて話を最後まで聞け。ありすには言ったと思うが、悠真に起きたのは
半神化。
それが俺に起こった現象。
でも、第一に俺は眷属ではない。
ましてや蒼を殺そうともしていない。
「じゃあ
「そこはいいから今の
先を
だが、少なからず蒼が急いでない所を見ると、急に
「まあ今の悠真は半神化よりも
「え、私?」
自分は関係ないと思っていただろうありすは
と言う事は神落ちと言うのは
「ちなみに神落ちは
ウィルスではないようだ。
「今回、ありすが神落ちしてるは悠真と関係がある。まあそれ以外考えたりもしないか。・・・ありす、お前は今、悠真の眷属だ」
「は?俺?」
驚愕の声を次にあげたのは俺の方だった。
「待てよ、俺は眷属の作り方なんて知らないぞ」
「まあそうだろうな。これについても
「もしかして・・・風の
風の槍。
ありすが
ありすが言うように、謎の少女と戦った時、最初力が出せないでいたようだった。
でもそれが何に
「ありす、
「なぁ、
ロキは天界の神ではないとそれこそ以前に聞いた覚えがある。
ならば今の俺とありすはロキのような神様と、その眷属と言う事か。
いや、神様のような何か・・・なんだろうか。
「ちょっとずつわかってきたみたいだな。その通り、ロキの眷属にはヴァルキュリアの装備は無い。話を続けるぞ。神落ちになっている神様は
「つまり、あの少女は神落ちしたものに
「神落ちや半神化に対する
「で、解決方法は何なの」
ありすは
「考えられるのは二つだ。一つは
神になる。
でもそれはある意味では
本当の意味でも
それにこれは俺が
それを
「二つ目は
「そんな・・・」
横で
覚悟を決めなければならないのではない。
もう覚悟しなければならないのだ。
その
「まあ神になれば基本的に死ぬことはない。いや、違うな。ちゃんと説明すると
「え、ロキって堕天して神になったの?」
俺の質問にロキは
「あぁ。そもそも堕天から神になるってのも
「え、じゃあ最初に戦って時の
「だから人のパクってかけあわせて自分の神器にしたんだろうが」
何にせよ、今の状況を
堕天した方が早いのかもしれないが、追われ、神になる素質を見つけなければ何が起こるかわからない。
神になろうにもやはり何かしらの素質が必要なのだろう。
今まで平々凡々に生きてきた俺には
「まあ
ロキは
自業自得。
その通りだ。
「とりあえず二人ともロキに守ってもらえ。俺は天界に行ってまた
蒼の最近の用事と言うのはこの事だったのか。
ずっと俺らの事を調べてくれていたんだろう。
俺はいつも
もしできる事なら今回の事で蒼の助けになれるようになれたらいいんだけどな。
そうして俺とありすはまた
それから数時間たった頃。
倒すべきだったロキに守られると言う
その歯がゆい思い
その
「ねぇ、ロキ」
「あ?」
あれからずっと椅子には座り続けている。
腰が痛くならないのかと思ったが、神であるロキにはそういう感覚もないのかもしれない。
「私さ、
てっきり俺は君丈や縷々のように同じ年齢とばかり思っていた。
いや、
君丈や縷々ももしかしたら長生きをしているのだろうか。
「あー・・・あれはなんていうかな。あいつは
「じゃあオーディンくらいなのね、400年以上生きてるのって・・・」
「え、400年?」
待て待て待て、なんだ400年って。
初耳どころの
「あれ、言ってなかったっけ?
今まで同い年と思っていた相手が400歳を
「神って言ってもそれぞれだ。転生して
「もう一つ聞いてもいい?」
「
「もちろん聞くけど」
「じゃあ早く聞けよ」
なんだかロキがいいやつに思えてきた。
とげとげしてるが
ツンデレだな。
「見た目を変えれるのもオーディンの
見た目を変えれる??
ありすは一体何のことを言っているのだろう。
「さっきも言ったがオーディンの特性じゃねぇ。あいつが自分で身につけた力だ。
「そう・・・」
ロキはそれ以上答える気がないと言う風に、また本を読み始める。
そして今の話しを聞いて一人で
きっとありすは見た目が違う
今の見た目は俺と同じくらいだが、きっと400年も生きている蒼と、ずっと一緒に住んでいたありすならそういうこともあるのだ。
そのまま俺とありすはいつの間にか寝る事となる。
「
その言葉を
ロキだ。
心でも読まれたのだろうか。
「まるで外で寝た事あるみたいだな」
「まあな」
神もそれぞれ、転生した後の生き方もそれぞれなんだろう。
ロキに今までどうしていたのか聞きたかったところだが、それを聞くのはためらわれた。
聞かれたくない事もあるだろう。
それを
それを見届け、俺も夢の中に落ちて行った・・・
「
ロキの言葉が頭に
その言葉ですぐ目を覚ましたのはきっと神の力の
何事かと体を起こす俺とありすを見て、ロキはこう言った。
「オーディンからの
蒼から逃げろとの
それを聞いて
きっとまたあの少女が来る。
もしくはもっと強大な・・・
「おい、どこいくんだくそ共。そっちじゃねぇ」
部屋の
「どこに逃げろって言うんだよ」
「当てもなく外に出て逃げ切れると思うのか」
「じゃあどうしろって―」
「ここからいけ」
ロキが
一つ違うとすれば、通路は通路ではなく、
「いざって時にヘルに繋げてもらってた
通路の前に来て、
「いってぇなぁ!」
普通のジャングルと違うのは、それほど熱くない事と、空には太陽や月が見当たらず、
後ろを
「行くよ」
その
女の子に負けてはいられないと俺も立ち上がり、適当な土を落としてからありすについていくことにした。
しばらくすると、ちょうどいい
ここでしばらく身を隠そうと
蒼と旅をしているから
ロキに言われた通り、水や木の実など、食べれそうなものはすぐに見つかった。
だが、色が紫や青など、とても食べれそうな見た目はしていない。
「
の一言だ。
「
「同意見ね。とてもじゃないけど長くは居たくないわ」
しばらくしたら
大きな葉っぱを布団と毛布代わりに。
でかい
服は着ている
その分二人がお互いの
ただ、問題は日数がわからない事だ。
この冥界と言う場所には昼も夜もないらしく、
そんな中、俺とありすはおそらく五日くらい過ごしただろう。
すぐ来ると思っていた連絡は
二人とも
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます