【遭遇!!】二足歩行の猫!?二足歩行の豚!?
皆さん!こんにちは!お昼の文屋です!
やっと元いた街に帰ってきました!リオンさんとレレイさんはお仕事があるそうなので、先に行ってしまいました!一人残された文屋はしょんぼり……。
っとそういえば、この街の名前調べるのを忘れてました!えっと……多分どこかしらに看板みたいな物があるはずですが…………あっ!ありました!何々?『ホルンハイム』?
皆さん!名前が判明しました!『ホルンハイム』です!ここに来て、ようやく名前が分かりました!今後はこういう事が無い様に文屋も気を付けます!
さてと、一旦宿へ帰りましょうかね。一応行く前にリオンさんが話を付けてくれたみたいですけど、出発前に挨拶出来ませんでしたからね。
今、文屋は宿屋の前にいます!何だか懐かしい気分です!
では、オープン・ザ・ドアー!
「おお!帰ってきたか!」
「小父様!ただいま帰りました!」
う~ん、いつ見てもダンディーです!
「どうだい?楽しかった?」
「はい!沢山色んな物が見れました!文屋大満足です!」
「そりゃ良かった。首に付けてるのはお土産かい?よく似合ってるよ」
むっ、小父様にも言われました。うーん……そんなに似合ってるんですかね?文屋にはよく分かりません。
「ありがとうございます!では一旦お部屋へ戻りますね!」
んー……もしかして社交辞令なんでしょうか?
まぁ気にしても仕方ないですね。それよりも、これからどうするかを考えないと!
ん?今何か見慣れない物が……猫?何か大きいですね……ていうか二足歩行してます……。ちょっと声をかけてみましょうか。
「あの!ちょっと宜しいですか!?」
「はえ?何ですか?」
やっぱり猫です!これ中に人とか入ってないですよね!?
「いえ、あのぉ、かなり珍しい外見をされていたもので……」
「あ、キミもしかしてネコボルト見るの初めて?」
ネコボルト?走るのが速い猫ちゃんでしょうか?
「すみません。初めてですね」
「謝らなくていいよぉ。確かにこの辺じゃ見ないかもね」
ふぅむ……これは、そういう種族という事でいいのでしょうか?という事はイヌボルトもいたり?
「もし宜しければ、この後インタビューをさせていただけないでしょうか? あ!自分、文屋という者です!」
「フミヤさん?いいよぉ、ボクも暇してたんだぁ」
よし!許可を取れました!
「どこでするのぉ?」
「そうですね……宜しければそちらのお部屋の方でも?」
「うん。いいよぉ」
皆さん!早速行ってまいります!!
「えっと、ではまず最初にお名前とご職業をどうぞ」
「ボクはねぇ、クージって言うんだぁ。仕事はぁネズミ捕りぃ」
正しく猫の得意分野ですね!
「普段はどこで仕事してらっしゃるんですか?」
「普段~?普段はぁ~……ん~決まってないぃ~。呼ばれたら行くぅ」
ふむふむ、派遣という事ですね!
「ではクージさん。失礼かもしれませんが、ちょっと体の方を触らせて頂いても宜しいですか?」
「うん。いいよ~」
では早速……ふむ……ふむふむ……ふむふむふむ……もふもふもふ……。
うーんなるほど。体の感じは猫っぽいですね。ちょっと肉球も……ぷにぷに……ぷにぷにぷに……これは、リオンさんが喜ぶ感じのやつですね!
「どぉ~?いい感じ~?」
「はい!いい感じです!」
はっ!いけないいけない!目的を見失うところでした!
「えっと……今日はどうしてこちらに?」
「今日はねぇ、お仕事お休み~」
休暇という事ですね。
「なるほど。すみませんが写真撮ってもいいですか?」
「いいよ~。可愛く撮ってね~」
「はい!可愛く!」
パシャッ!よし、撮れました!リオンさんも納得の一枚です!
「御協力ありがとうございました!以上で終了です!」
「終わり~?はーい」
これはいいネタです!元の世界に帰ったら絶対に話題になる記事です!クフフフ……!
「あ、ねーねーフミヤさーん」
ん?何でしょうか?
「これー記念にあげるねぇ~?」
これは……何でしょうか?杖みたいに見えますが……?
「あの、これは?」
「それねぇ、この間古物屋でお仕事した時に貰ったの~。全然売れないからあげるって~」
それ……在庫処分じゃ……。
ま、まあとりあえず貰っておきましょう!
「ありがとうございます!ありがたく頂戴します!」
「うん。じゃーねー」
部屋に戻りましょうか。ちょっとこれについても調べてみたいですし。
ふーむ。この杖、何か魔法使いとかが持ってそうなんですよねぇ。先端に水晶みたいなの付いてますし。
ん?何か……これ何か……水晶の中に文字が見えますね……。えっと……『辛い時は誰かを頼りなさい』?
どういう事でしょうか?誰かの贈り物でしょうか?うーん……とりあえず、保管しときましょうか。
しかし、ネコボルトですか。初めて見ましたよ、ああいう生き物。非常に可愛らしかったです!
ん~、しかしどうしましょう。何か……何か他に……。
あっ!そうだ!モンスター!そうですよ!前はちょっとしか調査出来ませんでしたけど、まだ調べる事はある筈です!
でも、一人で行くのは危険ですかね?勝手に行ったらリオンさんに怒られそうですし……。いやしかし!怒られるのが怖くてブンヤは出来ません!ばれなきゃ問題無いのです!
行ってきます!ばれなきゃ怒られないんだぜ!
前に来た平原に到着しましたーー!!
相変わらず広いですね。咲いてるお花も綺麗ですし、いい環境ですね!
ん?あれは……何でしょう?緑の肌に……顔は豚さんですか?随分と大きいですね。ちょっと行ってみましょうか。
おお……大きい。珍しい生物ですね。ネコボルト族の様に二足歩行という事でしょうか?
お?こっちに気付いた?
「お前、何やってる?」
喋った!二足歩行は喋れる法則でもあるんでしょうか!?
「どうも!実は今、この辺で生き物について調べてまして」
「……そうか。この辺は危ないからな。気を付けろよ」
「はい!」
見かけと違って優しい人でした!いや、人ではないのかな……?
あっ!言葉が通じるならインタビューしないと!
「あのあの!すみません!」
「何だ……?」
「ちょっとインタビューしてもいいですか?」
「インタビュー?俺にか?」
「そうです!」
「ふっ……面白い奴だな、お前……。いいだろう。やってくれ」
何か気に入られました!ラッキークッキー八代亜紀です!
「ではまずはお名前とご職業をどうぞ!」
「名前は……トールキンだ。仕事は……今は無い」
「トールキンさんですか!えっと、失礼ですが、トールキンさんは人間では無いですよね?」
「お前……知らないのか?……まあいい。俺みたいなのはな、『オーク』って呼ばれてんだよ」
オーク……これまた聞いたことの無い名前ですね。
「皆さんそういう感じの見た目なんですか?」
「ああ。気持ち悪いだろ?」
「ん~、そうですか?文屋的には何とも思いませんけど……」
「……そうか。だがな、気を付けといた方がいいぞ。特にお前みたいに物を知らない奴はな」
どういうことでしょうか?
「俺らは、人間を襲うんだよ。見境無くな。時には女を……いや、お前にこの話は止めておこう……」
隠したって分かっちゃいます!
「どうだ?軽蔑しただろ?」
「いえいえ。トールキンさんは優しい方なんですよね?」
「そうとも限らないだろ」
「だって文屋の事襲ってこないじゃないですか」
「気を窺ってるのかもしれんぞ」
「そんな事する必要あります?この体格差ですよ?」
「……お前は不思議な奴だな。普通は怖がるぞ?」
……そうなんですかね?色んな国を回ってきた文屋にとっては見た目は問題にはならないんですけど……。
「文屋は怖いとは思いませんよ?」
「……本当に気を付けろよお前」
何か心配されちゃいました。
「ところで、お仲間はどこにいらっしゃるんですか?」
「もういねぇよ。あいつらとは気が合わない」
む、なるほど。この人の優しさ故に、ですか……。
「そうですか……。分かりました。ではこれでインタビューを終了します」
「ああ。分かった。早く帰れよ」
「もうちょっとだけ!もうちょっとだけ調査したら帰りますから!」
「いや駄目だ。俺を追ってあいつらが来てるかもしれない。早く帰れ」
むむむ……しかし、そういう訳には……。
ん?あれは……。
「トールキンさん。あれ、お仲間じゃないですか?」
「っ!おい、早く逃げろ!気付かれてる!」
むぅ!子供扱いしてますね!文屋の足を舐めてもらっちゃ困ります!
「いいえ!大丈夫大丈夫、ちょろっと撮るだけ撮るだけ……」
「おい!」
ふふふ、止めても無駄です……!
んあっ!?石が飛んできた!?速いっ!!
「おわっち!」
ヒェッ……何とかかわせました……。
んあっ!?また石が!速いっ!!
「おわっち!」
ヒェッ……何とかかわせました……。
んあっ!?また石が!速いっ!!
「おわっち!」
ヒェッ……何とかかわせました……。
んあっ!?また石が!速いっ!!
「おわっち!」
ヒェッ……何とか……って!何回やるんですかこのくだり!天丼にも程がありますよ!もうご飯とか見えてないですよ!
くそぅ……完全にやる気ですね……殺る気とヤル気ですね……恐ろしいです……!
「おい!早くこっちに来い!逃げるぞ!」
仕方ありませんね……お話出来ればと思っていたんですが……想像以上にやばそうです!
「はい!文屋!逃げます!!」
文屋!今スタートォ!!逃げます逃げます!!速い!フミヤオー速い!トールキンさんを抜かしていきます!!
はぁ……はぁ……つ、疲れました……流石に
トールキンさんも途中で草むらに隠れて上手く逃げれたようです!しかし……あそこまで殺意高い攻撃は久しぶりでしたよ。海外の内戦地帯で爆撃を食らった時以来ですよ。あの時も死ぬかと思いましたけど、今回も中々でしたね。
ふぅ……さて、帰りますか。ちょっと日も暮れてきましたし、お腹も空きました。バーにリオンさん達がいないか探しに行きましょう!
すっかり暗くなってしまいました。バーは賑やかになっていますね。さてさて、リオンさんは……あっ!いました!こっそり近付いて……。
「リオンさんっ!」
「あっ!フミヤでしたか……脅かさないでください」
「へへへ、すみません。お隣いいですか?」
「ええ。何か食べますか?」
「いいんですか?じゃあお言葉に甘えて……」
ふふっ、今日の文屋は運がいいです!ラッキークッキーもんじゃ焼きです!
「フミヤは今日何してたんですか?」
「今日はネコボルトさんに会いました!」
ほっ!?リオンさんの目が鋭くなった!リオンさん目怖っ!
「詳しく聞きましょう」
「は、はい。何でもネズミ捕りを生業にしてらっしゃる様で、えっと……」
「触りましたか?」
「へっ!?え、ええ。もふもふでぷにぷにでした……」
め、目付きが鋭くなりすぎです!どんだけ興味あるんですか!
あっ、そうだ。写真を見せてあげれば……。
「あの……写真あるんですけど、見ます?」
「見ます!」
反応が速いですね……。
「これです」
「っ!!」
ちょちょちょ!カメラを掴まないで!繊細なんですから!
「…………なるほど。分かりました」
ま、満足されたようです……。何が分かったのかは知りませんが……。
「他には何かしてましたか?」
「他は、後オー……」
っぶな!!危ない!これ言ったらばれるじゃないですか!
「……フミヤ。隠し事は止めてください」
ふえぇ~……ばれてるようぅ……。
「す、すみません……実は勝手に草原行ってました……」
「……何故ですか?」
「あの……モンスターの、調査を……しようかと……」
「さっき言いかけてたのは何のモンスターですか?」
う、うぅ……リオンさんてこんなに怖い人でしたっけ……。
「モ、モンスターじゃないかもですけど……その、オークの方を……」
「今何と言いましたっ!?」
ひっ!そ、そんな肩を掴まないで!?肩を掴むのはキスの時だけですよぉ!?
「オークと……」
「何ともありませんか!?怪我は!?」
「あ、大丈夫です……何か凄い優しい方でしたよ?他のオークの方から逃がそうとしてくれましたし……」
「フミヤを騙すためです!オークがそんな優しい訳ありません!」
うーん……これは、そういう認識が植付けられてるって事ですかね……?
「リオンさん。決め付けは駄目ですよ。優しい方だっています。現に文屋はこうして無事に帰ってきてるんですから」
「運が良かっただけです!いいですか!?もう勝手に行ってはいけませんよ!?」
こ、怖いですね……。これは普通に会話しても聞いてくれないパターンですね……。かくなる上は、あれをやるしかありません!
「……」
「聞いているのですか!?」
「リオンさん……」
「何ですか?」
「文屋、笑ってるリオンさんの方がいいな……」
「っ!?」
どうです!以前もリオンさんにやった泣き落とし!通称、
「そ、そんな目をしても駄目です!」
くっ、流石に一発では駄目ですか…………ならば!
「ね……?リオンさん……」
「っ!」
腕にギュッとする!通称、
「駄目……です!もう、引っ掛かりません……!」
ぬぬぬ……流石に耐性が出来ていますか。しかし!耐えているという事は即ち!落ちる可能性もあるという事!
最終手段だ!食らえぇっ!!
「っ……リオンさっ……!」
「!?」
どうだーーー!!目元を潤ませ上目遣い!これがっ!これがっ!最終奥義!
「……こ、今回だけですよ?」
しゃっ!勝った!完ッ!!
まあ終わりはしませんけど、やりました!
「やった!リオンさん大好きです!」
一応、こうは言っておきましょう。心配掛けてたのは本当ですし。
「そ、そうですか。私もフミヤの事好きですよ……?」
ふふん!照れちゃって!しかし、もしかしたら文屋、そっちのお店で働く素質あるかも!?……いややりませんけどね?
ふぅ……食べました食べました!お腹が満足です!
「食べ終わりました?帰るのでしたら送りますよ?」
「いえいえ!すぐそこなので!」
「そうですか?」
「はい!あ、後、今日文屋が会ったオークの方が困ってたら助けてあげて欲しいんです。何だか、仲間外れになってるみたいで……」
「う、うーん……名前は分かりますか?」
「トールキンさんです!」
「……分かりました。一応、レレイにも話は通しておきます」
良かった!文屋の泣き落としが効いてますね!
「それでは!」
「はい。お気を付けて」
さっ、帰りましょう!
宿屋に到着ーー!
「おお、おかえり。遅かったね」
「ちょっとリオンさんとお話してました!」
「ハハハ、大人のお話かな?」
「フッ、そうです!今日の文屋はちょっぴり大人なのですよ……!」
「そうかい。でも、大人でもそろそろ寝る時間だよ?」
そう言われちゃ仕方ありません!お部屋に戻るとしましょう!
ベッドにゴローン!
んーっ!心地良いですねぇ!シャワー浴びるのも面倒くさくなりますね。浴びないと文屋が臭くなっちゃいますけど。
あっ!そういえば、化生さん!連絡をしなければ!
えっと、このボタンかな?……おおう!起動しました!
「ふ、文屋さん!」
「こんばんは化生さん!お元気ですかー?」
「わ、私は大丈夫だけど……文屋さんは?」
「元気が目印ですからね!元気ですよ!」
「そう……良かった……」
「化生さん、こっちの世界の事何か分かりました?」
「そ、それが、まだよく分からなくて……無線機のGPSを追跡してるんだけど、どこにも反応が無くて……」
ふーむ……完全に違う世界という事ですかね?だとしたら、いくつかの共通した文化などは偶然でしょうか?
「まあ分からないなら仕方ないですね」
「あの……まだ帰る気は無いの?」
「当然です!まだまだ調べる事はありますからね!」
「そ、そっか……じゃあ気を付けてね?」
「はい!おやすみなさーい!」
切れましたね。ん~、GPSの反応が無いか……。当たり前なのかもしれないですけど、気になりますね……。
まあ気にしても仕方ありません!そろそろ寝るとしましょう!文屋はちょっぴり大人ですからね!
それでは皆さん!お休みなさい!
ブンヤ一筋!文屋千尋!異世界でも頑張ります!! 鯉々 @koikoinomanga
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