【驚愕!!】政府の裏事情!冤罪を許すな!!

 皆さん、おはようございます!今日も元気な文屋です!

 さてさて、今日は何の取材をしましょうか?昨日がモンスターの取材でしたから、やはり今度はその対になる存在、すなわち剣士達に取材したいですね!

 幸いな事にその伝手はありますから、まずはリオンさんに会いに行きましょう!!

 それでは早速!レッツラゴー!!


 文屋、バーに到着しました!朝なのにバーに入っちゃう……今日の文屋はちょっぴりワルなのであります!

 では早速リオンさんを探しましょう!


 ……いませんね。今日は来てないんでしょうか?

 むむむ……困りましたね……。他の人に聞くのもいいんですが、やはりここは知った顔の方が話を聞きやすいですし……。とりあえず、マスターに聞いてみましょうか。

「あのすみません。リオンさんは今日はいらしてないんですか?」

「ん?君は……確か、昨日ここに来てた……」

「はい!文屋と申します!あの、それでリオンさんなんですが……」

「あーすまん。ちょっと俺にも分かんないな」

「そうですか……。すみません。ありがとうございました」

 うーん、これは想定外です。まさかリオンさんが来ていないとは……。仕方ありません。一旦予定は変更して街を探索しましょう!まだこの街の事詳しく知っていませんでしたからね!

 さて、とりあえず適当にぶらぶらしましょうか。どこに何があるのかも分かりませんし。まずは街の情報を集めて、そこから何を取材するか決めるとしましょう!



 皆さん!広場で噴水を見つけました!大きな噴水です!街にある広場、大きい噴水……はっ!これは何となくラブロマンスの予感がします!ちょっと張り込んでみましょう!

 ……中々そんな感じの人は見えませんね。人はそこそこいるのですが、家族連れや老夫婦の方が多いですね。もしかして、ここはカップルの待ち合わせ場所としては使われてないんでしょうか?

 ちょっとお腹が空いたんで、そこら辺のお店で何か頼みましょうか。……お、喫茶店がありますね!テラス席もありますし、噴水もばっちり見える位置です!お金も日本円が使えるようですし、大丈夫そうですね!ここにしましょう!



 皆さん、文屋は今テラス席でのんびり張り込みをしております。何とものどかで落ち着いた場所です。たまにはこういう所もいいですね。

 おや?あの方は…………皆さん!驚きです!何という巡り合わせ!何という幸運!何と、リオンさんです!まさかここで会えるとは!

 ん?リオンさんキョロキョロしてますね。誰かと待ち合わせでしょうか?はっ!!まさか!彼氏さんでしょうか!?あり得ます!リオンさんは美人さんですからね!世の男性諸君は黙って無いでしょう!

 おっ、リオンさんが誰かに気付いたようです!さぁ、顔を見せてください!リオンさんの彼氏さ……ん?……え?……あれ、文屋目がおかしくなったかな?お相手は女の人に見えるんですが。

 あっ!お二人ともこっちに来ます!このお店に入るつもりの様です!マズイです!ばれたらこっそり観察する計画が水の泡です!と、とりあえずこの間作った新聞で顔を隠しましょう!



 ふぅ、危ないところでした。何とかばれなかった様です。

 しかし、まさかリオンさん、本当にそっちの人だったとは……。いえいえ、別にいいのです。誰を好きになるかは個人の自由ですから。ただ、何か普通とは違う感じがしたのです。何なのでしょう……この感じは……。

 ええい!考えていても仕方ない!こうなったらリオンさんの普段の生活に関して観察することにしましょう!そうと考えれば話は早い!すかさずペンを取り出し、メモを開きます!さぁ!いつでも来るがいいですっ!

「リオン、ちゃんとご飯食べてる?」

 むっ、話し始めましたね。お相手の方は黒っぽい服を着てますね。あれはコートでしょうか?

「はい。ちゃんと食べていますよ」

 ふむふむ、リオンさんはちゃんとご飯を食べる……ってこれ当たり前のことじゃないですか!

「レレイは食べていますか?」

「聞いておいて私が食べてないわけないでしょ?」

 むむ!あの女性はレレイさんと言うのですか!メモメモ!

「昨日は待ち合わせ場所にいなかったけど、どうしたの?」

「はい。実は……」

 ん?これはもしや文屋の事話してます?もしかしてリオンさん、昨日忙しかったんでしょうか……?

「……なるほどね。あなたらしいと言えばあなたらしいわね」

 うう……何だか申し訳ないです……文屋が御迷惑をお掛けしたようです……。

「あ、レレイ。ちょっと持っててください」

 ……うん?リオンさんこっちに近付いてません?あれ?あれ?

「お久しぶりです、フミヤ。昨日はあの後大丈夫でしたか?」

はわっ!?ば、ばれてしまったようです……!

「あ、リオンさん。いやはや先日はどうもお世話になりましたホント……」

「フミヤ、少し宜しいですか?実は今、上司と来ているのですが、折角なので紹介しておきたいのです」

 ん?上司?…………はははっ!文屋勘違い!そういう御関係でしたか!早合点しすぎていました!

 折角ですから、お言葉に甘えましょう!!



「どうも初めまして、文屋千尋と申します」

「あなたがフミヤさんね?昨日はうちのリオンが迷惑を掛けなかったかしら?」

「いえいえ!!とんでもございません!むしろこちらが迷惑を掛けてしまったくらいで!」

 ふぐぐぅ……申し訳ない気分です……。

「別にいいのよ。……大体、上の連中も少しは動けっての……」

 ス、ストレスが溜まっている様ですね……。

 はっ!いけません!折角のチャンス!お話を伺っておかなくては!

「あの不躾ではありますが、もし宜しければレレイさんのご職業を教えていただけると……」

「え?ああ、そうね。私は一応、監査官をやってるわ。リオンは護衛役ね」

 何と!監査官の方でしたか!これは面白いお話が聞けそうです!

「ではぶっちゃけた話、現在この国の政府はどんな感じなんですか?」

「……流石にそれは……」

「レレイ。この人はどうやら新聞業を生業としているようなのです。もしかしたら、この国を変えるチャンスかもしれません」

 うん?もしかして文屋、頼りにされちゃってます!?

「……そうね。じゃあ、ちょっとここを出ましょうか。どこか人目につかない場所で話しましょう」

「あっ、それでしたら文屋が今お世話になっている宿屋はどうでしょう?角部屋ですし、安心出来るかと」

「分かったわ。そうしましょう。一緒に行ったら怪しまれるかもしれないから、後で行くわね?えっと、場所は……」

「レレイ、御心配なく。私がちゃんと把握しております」

「そうなの?じゃあよろしく頼むわね?」

 文屋はお二人と別れ、宿屋に戻る事にしました。一応、小父様にも話は通しておかなくては!



 よし!準備完了です!小父様にも話は通しておきましたし、部屋の中も綺麗に片付けました!これでいつお二人が来られても、恥ずかしくありませんね!まっ!見られて恥ずかしい物なんて、文屋持ってませんけどね!……ホントですよ?

 むむ!?ノックの音が聞こえました!お二人が到着したようですね!

「はい、どうぞー」

「お邪魔します」

 文屋ドキドキしております!今からこの国の裏のお話が聞けると思うと、ドキがムネムネです!!

「では早速で悪いのですが、お話の方を」

「ええ、そうね。まず私達はいつもの様に仕事をしていたの。その時に、街である噂を耳にしたのよ」

「その噂と言うのは?」

「政府が罪の無い人間を捕まえたって噂よ」

「それは……冤罪ということですか?」

「そうね。でも最初は何でそんなことするのか分からなかったの。でも、調べていく内にその理由が分かったのよ」

「その理由というのは?」

「あなたは魔法使いの事を知ってるかしら?」

 おお!!いつか聞けると思っていた魔法使いの名前!こんな所で聞けるとは!

「……あまり詳しくは知りませんね」

「そう。魔法は基本的に魔法使いが使う事になってるの。勿論例外もあるけど、それは極一部のもので、基本は魔法使いがやるの」

「なるほど。専売特許といった感じですね!」

「政府はその魔法使いの力を欲しがったの」

「ん?それと冤罪に何の関係が?」

「ある魔法使いの女の子がいたの。その子は幼いながら、凄まじい魔力を持っていた。政府はその力を欲していたの」

「それでその子に冤罪をかけて、力を使うように脅したと?」

「ううん。その子には師匠がいたんだけど、その人を捕まえた。その子はその師匠に完全に惚れ込んでたみたいだから、駒として使えるように冤罪をかけたんでしょうね」

「それでその人はどうなったんですか?」

「その二人は何とかこの街を脱出したみたいね。今どこにいるのかは分からないけど」

 ……何と言うことでしょう。ちょっと思ってたよりもとんでもないですねこれは……。

「私達はその証拠を掴むために今、活動してるの。あなたも何か分かったら教えてね?」

 うーむ……これは、思ってたよりもこの国の政治はヤバイみたいですね……。

「……分かりました。何か分かり次第、お知らせします。本日はありがとうございました」

「いいえ、こちらこそ。さて、と私達はそろそろ仕事に戻るわね?何かあったら、あのバーのマスターに言っておいて?こっちに伝えてもらうから」

「分かりました」

「それじゃあね」

「では失礼します」

 


 お二人はお仕事に戻っていかれました。私はしばらくの間、呆けておりました。

 私に何か出来ないのでしょうか……?私は、出来れば皆さんに笑っていてもらいたい。人が悲しむ顔なんて見たくない。私は、新聞で人を笑顔にしたいと思って、新聞部に入りました。でも、これは……ただのブンヤ風情がどうにか出来ることではありません。もし、迂闊にこの事を記事にすれば騒ぎは免れません。多くの人が怒り、悲しむでしょう。

 ……ええいっ!!すみません皆さん!柄にもなく思い悩んでしまいました!!文屋としたことが情けない!初心忘れるべからず!真実を伝えるなら、例えどんな事が待っていようとも記事にする!それが、文屋の初心ではありませんか!!

 よぉし!!意欲が湧いてきました!!ブンヤ一筋、文屋千尋!街の皆さんに真実を伝えます!!

 それでは皆さん!文屋は仕事に移りますので、今回はこれでっ!!

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